牧さんのレビュー一覧

碧のかたみ 小説

尾上与一   

降り注ぐ二人の花火。空に輝く”ペア”

「神」以外評価の付けようがない、という気持ち……読後の今、本当に胸がいっぱいです。

前作「天球儀の海」の希(ユキ)のお兄ちゃん・琴平恒(わたる)のお話。ストーリー自体は攻めの六郎視点で進みます。

素晴らしい作品だと分かって/知ってはいても、戦争ものは読むのにやっぱり少し勇気が必要で、グズグズしていました;
よし!と決心して昨日の夜から読み始め……そこからはもう、止まらなかったです。

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ツライネ、中間管理職

ラバウル基地の浜津林治郎少佐視点のお話でなんともコミカルで面白かったです。
尊敬する上司、浜口中佐が本国移動になり3組のペアを目に掛けて欲しいと個人的なお願いをされた浜津少佐。優秀な3組を自分に預けてくれるって事は、自分の出世の融通してくれてるのかと喜んだのも束の間、何かと問題ある3組で毎日頭を悩ませてるってお話でした。

碧のかたみの月光ペア、まだ刊行されていない作品の主人公達である艦爆ペ…

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碧のかたみ 小説

尾上与一   

何度も泣かされた

新書版未読。キャラ文庫からシリーズ刊行されてから読み始めました。3作目のコチラは前作天球儀の海の希くんのお兄さん、恒と相棒の六郎のお話です。またまた南の最前線でのお話なのでしんどそうだなと思ってたら1番青春してました。

最初の頃は日本イケイケの時期なので食料潤沢でみんなの心の余裕もあってなんだか男子校のわちゃわちゃにも似た日常なのですよ。
優秀で周りから一目を置かれている恒が気に入らない斉…

4

碧のかたみ 小説

尾上与一   

ペア

先生買い。良かった。しんどいし泣くけど、良かった。神一択。戦争辛いの大丈夫な方はもちろん、そうではない方も戦争の欠片ぐらいは体感できるはずなので是非!沢山の方に読んでいただきたい。今までの3冊の中で一番好き。本編290頁+後日談4編+牧先生によるコミック数頁と挿絵+あとがき。攻め受けのペアだからこその味わいがサイコーに好き。

最前線のラバウルに配属された六郎。着任早々、航空隊員たちの喧嘩に遭…

4

碧のかたみ 小説

尾上与一   

穴の空いた月

戦時下という特殊かつ過酷な現実の中で、懸命に今を生きる人々を描いた1945シリーズ。
今までに刊行された新装版で描かれていたどの人生も山あり谷ありのドラマティックさで心惹かれてやまないのだけれど、中でも全編攻めの六郎視点で語られる今作・碧のかたみの心理描写の細やかさが本当に素晴らしかった。
読んでいてなんだか胸がいっぱいになってしまいました。

小柄な容姿とは裏腹に、愛機を巧みに操り敵機を…

6

碧のかたみ 小説

尾上与一   

笑顔の彼らが愛おしい

旧版既読。

今まで読んだ数多くのBL作品の中で最も好きな作品の一つ。

1945シリーズ作品として登場するペアの中でも一番のやんちゃな恒が六郎と出会い、共に生き共にあの空で死のうと誓い合う二人が愛おしくてたまらない。
華やかだったラバウル着任時から戦況厳しい戦争末期の困難な中でも楽しみを見つけ、仲間と喧嘩し、それでも笑顔溢れる彼らの日々がまさに煌めきを帯びて見える。

一番になりた…

3

碧のかたみ 小説

尾上与一   

空でも陸でも最高のペア。まさに唯一無二の存在の2人。

ラバウル基地はパプアニューギニア北の方の島にあって、第二次世界大戦時は、南方作戦の一環として日本軍の重要拠点基地の一つとされた場所。そんな場所で出会った、航空隊所属の戦闘機操縦士と偵察員の激動の愛の物語……めちゃくちゃ沁みました!

時代背景やストーリーの設定的に、どこか死と隣り合わせな世界観に胸がヒリつきますが、過酷な状況下だからこそ彼らの間に芽生える想いにグッと惹きつけられました。
偵察…

5

碧のかたみ 小説

尾上与一   

命を懸けた青春の思い出

1945シリーズ 復刊 第3弾。
ありがとうございます。

こちらは旧版で拝読していたのですが、第2弾までと同じく書き下ろしが40ページほどありまして、名編ですので旧版既読の方もぜひ。
(把握していないだけで既出の短編でしたら申し訳ありません)

書き下ろしの2編は
『鳥が還る日』・・・『雨のあと』の前日譚。
『青のかたみ』・・・『鳥が還る日』の後日譚。
の2編で、個人的に『青の…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

「聞け。ローレライの声を。」

1945シリーズ、復刻の第1弾。蒼穹のローレライは本当に浅群塁の生きた証そのものだと思います。
ずっと家の名誉のために戦果を挙げて死ぬことだけを目標に生きてきた塁。
そんな塁にとって三上との日々がかけがえのないものとなり、最後は名誉のためにでは無く三上を守るためにあの選択をしたことに三上が気づけた、これだけで救われます。
『月と懐中時計』も文庫版に収録されてたのも嬉しかったです。
生きて欲…

4

天球儀の海 小説

尾上与一   

「海に映さなければ本当の形を知ることができない」

1945シリーズ、復刻の第2弾。
命の恩人資紀の身代わりに、特攻隊として出撃することとなった希。再会しお礼を言う希に対して資紀は冷たく拒絶してきて。でも時折見せる優しさに触れ、その態度の裏にある想いを知った時には……。
天球儀の海、海に希の右手を映すとオリオンとなりそれを辿った先にシリウスがいる。お互いがお互いのシリウスなんですよね。
そして、海に映さなければ坊ちゃんの本当の心を知ることが出…

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