緒川千世さんのレビュー一覧

赤のテアトル コミック

緒川千世 

果実は腐れば腐るほど、甘く香る。痛ましい歪な愛の物語。

これは…。クリスチャン・ルブタンだよなぁ。と、思う。2話の冒頭はパリのナイトクラブ『クレイジーホース・パリ』で、80日間だけ上映された『FIRE』を彷彿とさせる。(その頃、私はパリを訪れていた。)緒川先生はあの靴を履いたことがあるのだろうか。普通に履いていると、リフト(ヒールの先のゴムの部分)がすぐにすり減ってしまう。「(修理に)お金がかかって仕方ないんだけど‼︎」と、愚痴る私に先輩は言ったものだ…

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おいたが過ぎるわ子猫ちゃん コミック

緒川千世 

一緒に生きていきたいと想い合える人。育んできた気持ち。

そう、弓太の呼ぶ「エツロー」は、「エッロー」に見えてしまう。このエロ親父‼︎
見るからに手練れで、モテて。見境無く手を出してそうな色男、越郎。
事故で腕を骨折し、蹴られて肋を折り、転んで脚を折る。お世話係を仰せつかった弓太との
エッチな同居生活は…⁈ と、エロきゅんドタバタコメディかと思いきや。
雰囲気ある佇まいの、あちこち旧くなった、日本家屋でひっそりと独居してきた越郎の、
心の傷が癒…

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世界は君で廻ってる コミック

緒川千世 

恋人は極上デザート♡ 彼の可愛いところを知っているのは俺だけでいい。

全体に糖度高め。詩的モノローグ多めのロマンティック・ラブストーリー♡
折れそうなくらい華奢な恋人たちを、ただただ愛でる攻めたち。
表題作の牧くんだけは、地味で平凡だというその容姿にコンプレックスを抱いてもいるが、
あとは大体美人さん。
その細い躰に舌を這わせるさまが、なんと言ってもエロティック。
イケメンに執着されては、押し切られるのが世の常。
表題作の『世界が君で周り出した』瞬間は、…

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終わらない不幸についての話 コミック

緒川千世 

きっとまた、傷つきながら恋をしていく。

終わらせられないこの恋は、奇跡によって成就するものでは無くて。
自身で不幸にもなり、幸せにもすることが出来る。
烏堂が、そのままならない恋に疲れて。哀しくて。人を呪って。生きてきたこと。
そのまま、面倒くさい烏堂を受け入れてくれる、どこまでも男前な清竹。
烏堂のその面倒くささには呆れます。イケメンで、オシャレで、キャンパスでも知らない者がいないほど目立つ彼のこのひねくれ具合。せっかく歩み寄…

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王子の箱庭 コミック

緒川千世 

心までとらわれてしまう前に。囚われていたのは、さぁどっちだ?

端正なスーツ姿で、その欲情を押し込めた、執事攻め。執事攻めはいい!
それだけで「萌」ですね。無駄な肉のおよそ無い、骨格のしっかりしたスレンダーな躰。
学生だったという、岩瀬の昔の姿も美しくて。その線の細さ。この頃から、岩瀬は妙な執着を、坊ちゃんこと、譲さまに抱いていたろうか。と、思われるほどに。その執着は病的で、痛ましい。
預けられた親戚の家を出奔して、爛れた生活を送っていた譲さまは、「お可…

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誤算のハート コミック

緒川千世 

ああ、恋ってやつは。こうも人を狂わせるのか。

モノローグ多めのある意味、詩的なラブストーリー。
「カーストゲーム」を読んでから再読すると、あら不思議。
烏童が刈野に、三城は梓に見えてしまう。何となく、パラレルワールドに思えてくる。
キャラデザインが激似ということも勿論あるけども。
今、敵対している刈野と梓が、いつかこんな風にラブラブしてくれたらなぁ、なんて。
願ってもしまうのだ。大人びて、甘やかしたがりの烏童に、躰が作り変えられてし…

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カーストヘヴン 2 コミック

緒川千世 

集団思考に陥ると人は凶暴化する。自我を強く持たなければ。心震える第2巻

『集団思考に陥ると、人は凶暴化する。』
先日の渋谷でのハロウィン騒動を思い出す。それはもぅ、お祭りでは無く、暴徒化した若者たちのただの狂乱だった。器物損壊、スリや痴漢。そして暴力。誰も止められなかったし、止めることも無かった。あれは何だったのか。そんなに普段の彼等は鬱屈していたのか。

本作は「久世 × あつむ」のターン。久世があつむとカードを交換したことで、あつむは底辺から抜け出し、ハイク…

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カーストヘヴン 1 コミック

緒川千世 

痺れるような激情と、鬱屈した欲情と。閉ざされた世界の中で足掻くゲーム。

そうそう、この感じ。最新の4巻を読んだら、あまりにもぬるかったので。
これが何度も読み返したあの「カーストヘヴン」だったか?ハテ?と、思い、1巻に戻ってみる。
ここには初めて読んだ時の衝撃がそのまま詰まっている。
堕ちてなお、自我の揺るがない梓。剥き出しにされた感情は脆く傷付きやすいが、
それでも血を流しながら、そこに立っている梓は惚れ惚れするほどに美しい。
そんな梓に惹かれながら、自分…

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カーストヘヴン 4 コミック

緒川千世 

待望の刈野 × 梓編だと思っていたのに⁈ 新キャラわさわさと登場です⁈

3巻の終わり、別のクラスのイッちゃってる奴の呼びかけに応じて、不穏な空気に包まれたラスト。
そいつが本作の主役かと思いきや。冒頭にちらっと出て来ただけで、彼の暗躍は次巻へと持ち越される。彼はエノと呼ばれていて、諸悪の根源では無いが、このゲームを楽しんでいる側の人間らしい。
私は「仙崎 × 巽」編の怒涛のストーリーに胸を引き絞られたので、それを上回ることを期待していたのに。ちょっと肩すかし感もあ…

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おいたが過ぎるわ子猫ちゃん コミック

緒川千世 

じつはデキるおじさんと可愛いDKに萌え

狼さんと子猫ちゃんの同居ライフですね。

なんと!「このおれがおまえなんか好きになるわけない」のカップルと双子も出てます!

こういう親戚のおじさんと甥(本当は違うけど)物を読むたびに、自分にもこんなかっこいいおじさんがいたらなあと思ってしまいます。いや、こっちはBLですけどね。

途中までは越郎がどこまで本気かわからずこのままいっちゃうのかと思ったら、途中から越郎視点のお話が始まって…

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