尾上与一さんのレビュー一覧

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

三上と塁が愛おしい

1945シリーズの新装版おめでとうございます。
いったい何度読んだことだろう。
それでも初めて手にした時から塁への愛おしさは変わらない。
彼の6文字の言葉は三上への愛に満ちて、哀しいけれどそれでもその心情にたどり着いた塁を、三上と過ごしたラバウルでの日々を受け止めてあげたい。初版の時特典ペーパーだった「月と懐中時計」の収録と書き下ろしの「面影」が入っているのも嬉しい。
多くの方々に読み継が…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

覚悟して読み始めてすぐ

ずっと読みたいと思っていたので新装版で復活、とても嬉しいです。
ずっと1945シリーズを読みたいなぁと思っていて手に入らず、でも戦争の話だし‥とかもごもごしていたら復活!てことで覚悟して読みました。

電車の中、平日、だめです。
休みの日のどんだけ涙と鼻水出してもいい場所で読みましょう。
序盤も泣きました。
中盤くらいまで泣きませんでした。
後半から涙と鼻水で身体が見事にからっからに…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

究極のバディモノ

名作との噂は聞いていたコチラ、文庫版が発売されたので購入。
めちゃくちゃアホな事言いますが、歴史疎過ぎるので1945シリーズの数字に全然ピンときてなくて、「あっ、終戦の年か」ってウィキってからやっと気付きました。

作品の舞台、ラバウルって水木しげる先生のラバウル戦記で見知った地名だな。あっちは陸軍で、かなり過酷な描写だった。
こちらは、まだまだ日本がイケイケの状況から末期にかけてのパイロ…

7

蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

今の時代を生きる人にこそ読んでほしい

時間をかけてゆっくりと読み終えた今。
心のどこかを持っていかれたような、そんな気持ちになっています。

以前から気になっていたシリーズではあったのだけれど、絶版ということもあり読める機会がなく…というところで復刊されたこちらの作品。
作中の時代背景的にも、題材的にも、どうだったかと上手く言葉に出せないというのが正直なところです。
萌えた。萌えない。面白かった。
そういうお話ではないと個…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

空を飛ぶ

以前から読みたかったのですが手が出せなかった一冊。Charaさん、有難うございました。来月以降も続くシリーズ、全部必ず読みます。
戦争を知っている方が身近にいない方が、この本を手に取って読まれて、戦争ってこういうものかも、と考えるきっかけになると私は嬉しいんだけど、皆さまはどう感じられたのかなあ。本編320Pほど+番外編3編(うち1編書き下ろし)+牧先生のあとがき(すっっっっごく良い、泣く)+尾…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

ローレライの声

復刊おめでとうございます。
そして、ありがとうございます。

絶版になっている間に旧版の方を何とか入手していたのですが、あらすじを読んでなかなか決心がつかないまま今回の新装版発売となりました。

そしてようやく拝読したのですが、今は全くまともな感想が書けそうにありません。
今は、というか、時間が経っても。
自分と切り離したところで客観的に捉えるしか、何かしら文字にする方法がないように…

10

セカンドクライ 小説

尾上与一  草間さかえ 

愛情とは。

とても悲しいところからはじまるけれど、優しいお話です。
心に深く刺さります。
重い設定もあるので読むのをためらう人もいるかもしれませんが、ぜひ多くの方に読んで欲しいです。
人が人を愛するという事の大切さ、愛情のありかについて深く感じ入りました。

ページをめくるごとに、感情が見えづらかった慧くんに血肉が通っていく様に心が締め付けられました。

読後はこの先ずっと、彼の日常が穏やかで優…

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セカンドクライ 小説

尾上与一  草間さかえ 

アイデンティティ

尾上先生の作品が大好きで、草間先生の作品も大好き。
まさに最高すぎる作品なのですが、ストーリーが難しそうでなかなか踏み出せず...
アワードの投票期日ギリギリにようやく拝読しました。

画家と青年、二人の出会いはまさに運命的でした。
表現者のマインドを持ち合わせていないので何とも言えないのですが、何かを描くという行為はアイデンティティと深く結びついていて、それはすなわち己と向き合うことな…

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セカンドクライ 小説

尾上与一  草間さかえ 

展開が…

過酷な生い立ちで「普通」を知らずに育ったがゆえに、教えられた「枠」から1mmも外れることを許さないロボットみたいな慧(受け)。
こりゃあ恋どころではないな……と思いながら読んでいたけど、思っていた以上にすんなり「恋」になってびっくり。
いや、これは「恋」なのか??
これはヒナの刷り込みみたいなもんなんじゃないかと思ってしまいました。
なんで桂路を好きになったんだろう?そこまで好きになる理由…

2

セカンドクライ 小説

尾上与一  草間さかえ 

No Title

桂路のような掴みどころのないキャラクターは、物語が進むにつれてその相手方に、つまりこの話では慧にだけに内面を見せたり、過去を開示することで、その人物に対する読者の理解も深まり、愛着が生まれるのだと思いますが、今回は紙幅の都合かそこまで書き切れていなかったように感じました。
ですがその点を除けば、人間ひいては社会の多面性のようなものが非常に上手く描き出されており、とても面白い作品だと思いました。

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