木春菊
『どうしても触れたくない』の外川も好きですが、CPとしてはこちらの方がより魅力的に感じました。攻めの小野田も受けの出口も、お互い自分の感情を冷静に分析する能力が非常に長けていますね。自分が打算的だとか、人からの好意や発言や環境に惑わされているだけだとかって、あまり気付きたくないし認めたくもないじゃないですか。でもこの2人はそういう自分の狡さや気持ちのブレにすごく敏感で、一時的に突っ走って考えても…
何年か前に一度読んでいたんですがその時はあまり良さが分からず、年月が経ってから読めば感じ方が変わることもあるだろうと熟成させていました。多分以前はトラウマ持ち×トラウマ持ちというところがちょっとくどいなぁ、受けの性格の湿っぽさが強過ぎるかなぁと感じたからハマれなかったんだと思います。途中まではスムーズに読めていたのに、外川の熱い告白を嶋が彼の過去を引き合いに出して拒絶するシーンで一気に萎えた記憶…
保険調査員に焦点を当てた創作物を読んだのは初めてだったので、とても新鮮でした。こういう仕事は保険会社に内包されているのかと思っていましたが、外部に依頼するんですね。あくまで中立の立場の、ほぼ探偵と変わらない職務という感じでした。事件を紐解いていくミステリー作品として十分面白かったです。事件の内容は殺人から事故まで様々。一番印象に残ったのはやはり最後の轢き逃げ事件ですかね。被害者は怪我で済んだんで…