kaya。
ハヤカワ先生の作品の中で一番好きかも、と思いました。客観的に見るととても甘酸っぱい恋愛だけど、主人公である新の気持ちはいつも不安定で。最初は男同士で付き合うことへの周囲の目線に対する恐怖、そしてそれが解消されると、今度は正太朗の気持ちを失う日が来ることへの恐怖。いつも真っ直ぐ想いを向けてくる正太朗に比べると、新ばかりが不安になっていて落ち着きがないように感じるかもしれないですが、私は新の方がより…
津田の兄が絶妙に苛々を煽ってくるようなキャラで、特に飲み会前後の彼の態度に途中で読むのを挫折しそうになりましたが、津田が兄のことを自分の中で折り合いを付けるのには必要なシーンだったんでしょうかね。なんだかんだで互いにブラコンを拗らせている津田兄弟。兄が津田に独占欲に近い感情を持っているのと同時に、津田も兄に対して羨望とも嫉妬ともつかない複雑な感情を抱えている。子供から大人へと変わっていくこの時期…