bowm400
鉱石を食べる種族といっても、いろんな色に変化する美しい瞳を持つ以外は、外見上普通の人間と大差ないのでそこまでファンタジー色濃厚というわけではありません。でも、青井先生の粛々としていて洗練されたタッチによって、童話を読んでいるような気分を味わえました。ベントとイーリスの間に生まれたものは間違いなく愛だと思うけれど、この2人の場合は家族愛や友愛、恋愛、そのすべてが混ざった感情のように感じました。それ…
ファンタジーものではありますが、がっつりというよりは、本当にありそうだけどない設定というような、現実の延長線上にあるような雰囲気の作品でした。前半は星を製造している研究所でのカップルが2組、後半は体から植物が生えている男性とのカップルが1組収録されています。
前半は星の描写がたくさん出てくることもあってとても綺麗なシーンが多いのですが、ストーリー的には後半の方が好みだったかもしれません。…
◆爪先に光路図(表題作)
とても落ち着いた雰囲気で進んでいく物語でした。モノローグの言葉遣いが非常に繊細で、日本語の奥深さを改めて感じました。学者の室田と、バイトで彼の助手をすることになった大学生の岩井。岩井が室田の穏やかさやふとした時に見せる優しさ、豊富な知識で自分の世界を広げてくれるところなどに惹かれていく流れもとても自然で、素敵な恋をしているなぁと思ったり。告白して一旦は距離を置いてしま…