宮緒葵さんのレビュー一覧

あの夏から戻れない 小説

宮緒葵  笠井あゆみ 

不気味な世界観にページをめくる手が止まりませんでした

作者の宮緒葵先生がSNSで「ほのぼの作品」「純愛と青春」と宣伝されていましたが、私個人はカテゴリ的に「サイコスリラー」かなあと思いました。

10年前に目の前で消えてしまった幼馴染の柊(攻め)を探して、異界の不気味な村に迷い込んだ主人公の夏生(受け)。その村がとにかく不気味で怖い。再会した幼馴染も村民達も何かおかしい…!?

笠井あゆみ先生の描かれた表紙もパッと見は夏らしくて爽やかですが、…

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曙光 悪食3 小説

宮緒葵  みずかねりょう 

思わぬ方向に

1巻の時は、この世の者ではない人々が見える水琴がそれらを絵を描く、という不思議具合でしかなかったのが、今作ではついに怨霊とのバトル(操られた人間ですが)まで繰り広げ、絵に描いた人物を殺せる特技(?)を持っているキャラ登場と、随分とオカルトファンタジー的な要素が増した感じです。

そのうち妖怪退治とか陰陽師とか出てきそうな…(気がしたけど多分出てこないw)
そういうのも好きなんですけど、この作…

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曙光 悪食3 小説

宮緒葵  みずかねりょう 

BLサスペンス第三弾

古事記の「悪食」を土台に、BL風にアレンジしたサスペンス 3弾目、
前作二篇と、出来れば古事記の「黄泉の比良坂」の悪食を、
読むと意味が分かるし、面白さが増すのでお薦め。

①悪食     「妖精画家」の水琴 高祖母似、18才、恋人が出来る。
⓶羽化 悪食2 「妖精画家」の偽物登場
③曙光 悪食3  水琴20才

みずかね先生の挿絵が綺麗です。眼福。

水琴が死者しか描けず、死…

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華は褥に咲き狂う 小説

宮緒葵  小山田あみ 

バブみ上様

弱きものを助ける男気ある上様が甘く組み敷かれるとか素晴らしい設定。話の流れはとても好みだったのですが、どうも萌え転がれませんでした。
上様にメロメロなすみひろの淑やか時代劇口調はとても好きなのですが、豹変した男の台詞は現代的だしいかにも攻め口調というか…
行為も激しめだし口調も冷たく感じました。二人の初恋とすみひろの徹底した囲い込みは清々しい。

愛撫はしっかり目だけど挿入シーンは割とあっ…

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曙光 悪食3 小説

宮緒葵  みずかねりょう 

大好きなシリーズなのだけれど

作家買い。
宮緒作品の『悪食』シリーズの3作目。今巻もみずかねさんの描かれた表紙が麗しいです。

今シリーズは「人ではないもの」が見え、そして彼らを絵に写し取ることで己の存在意義を見出してきた青年・水琴が主人公のお話なので、ちょっとオカルト、あるいはホラーっていうのかな。そういうバックボーンを孕んでいる作品です。オカルトまっしぐらな作品ではありませんが、苦手な方は注意が必要かもです。

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曙光 悪食3 小説

宮緒葵  みずかねりょう 

自由であるとは…

なんと!表紙をめくったら水琴が泉里じゃない人とキッチンにいるカラーイラストが!誰?と思ったら…。

長かったです。すごく読み応えがあるのですが、まだ残りこんなにある…とちょっと思ってしまいました。前作は夢中で駆け抜けて読んだのですが、今作は最後まで読まねば!という感じで読みました。

とにかく盛りだくさんでした。
3作目で水琴が今の自分って、と立ち止まり考えたり。泉里の腕の中で守られ絵だ…

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迷宮の夜、解放の朝 小説

宮緒葵  相葉キョウコ 

既刊作の中で唯一の異世界転生もの


宮緒葵先生の作品は地雷以外ほぼ読んでいます。

現在(2022年)発行時点では唯一の花丸文庫さんから出版されている作品です。
レーベル柄って出るんですね、やっぱり…。

そして宮緒葵先生の既刊の中でも唯一の異世界転生もの!
今では珍しさはありませんが、2013年初刊…。
当時は珍しい方だったのではないかと思います。

宮緒先生といえば犬!ワンコ!ですが、今回はその要素はあまり…

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渇仰 新装版 小説

宮緒葵  梨とりこ 

いい意味で狂ってる

執着攻めの作品を読みたくて、こちらにたどり着いたのですが
いい意味ですごく狂っている攻めだなと思いました。

達幸のすべてが明良の為に存在すると言っても過言ではなく
とにかく頭の中に明良のことしかない達幸。
彼は明良の犬になりたいと懇願するのですが
読む前は何故犬なのか?と思っていました。
でも読んでその理由がわかって切なくなりました。

達幸の執着心はとてつもなくて、個人的に今…

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掌の檻 小説

宮緒葵  座裏屋蘭丸 

受けがいいなら何も言うまい

 攻めである雪也の執着加減は好みだったのですが、受けである数馬への崇拝ぶり、尽くしっぷりにかなりBLファンタジーを感じ、所々でリアリティのなさから集中力が途切れてしまい、読み終わるのに結構時間がかかってしまいました。

 他を圧倒する美貌と、在学中にストレートで司法試験に通り弁護士として大活躍、というだけでも十分ハイスペックなのに、料理の腕もプロ級で、多忙にも関わらずきっちり3食数馬のための食…

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夏の澱 掌の檻書き下ろし限定特典SSペーパー グッズ

徹底っぷり

外で花火大会が行われていることを花火の音で知った数馬。
そこで初めて季節が夏だということに気づきます。
数馬が最後に外に出たのは、コートなしでは震えるほど寒かったらしいので恐らく冬。

部屋にカレンダー類や時計がなく、
パソコンやタブレット、テレビなども日時表示機能がオフにされている徹底っぷり。
数馬の携帯だけは数馬の所持品なので、それを見て唯一時間や日付がわかる感じなのです。

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