Sakura0904
設定はとっても素敵で、面白かったです。現世と常世、2つの世界を行き来することになる天野とツクヨミ。なんといっても元々現世で暮らしていたツクヨミが、常世に馴染んだ結果現世での記憶を失ってしまったことが、本当に切ないですよね。でも、天野はけっして彼に思い出させようと躍起になったりはしない。常世の王として生きる彼に、ただただ寄り添うように、今の彼の寂しさを埋められるように、傍にいるんです。昔自分が人柱…
◆鴆 -ジェン-(表題作)
人外受けでも、妖鳥というのはかなり特殊な部類ですよね。見た目が既に毒々しく、文善先生の画力なくしては描けないキャラだっただろうと思います。猛毒を持つ受けのツァイホンは、本来はとても人懐っこく穏やかで繊細な性格をしているので、殺伐とした過去がありながらも、どこか落ち着いた雰囲気が漂っていました。攻めのフェイも、ツァイホンに兄を殺されているのですが、彼に復讐心を持ってい…
不死身の体と寿命ある体を巡って、人魚と人間の間で交わされる絆。不死身と聞けば大昔の人間なら飛びついたんでしょうけれど、現実的で理性ある現代人ならきっと、死ねないことほど辛いことはないと考える人の方が多いですよね。水に溺れても炎に焼かれても、刃で切り裂かれても痛みは感じるが、死ねない。自分の周りでは愛しい人、大切な人がどんどん死んでいき、自分だけがずっと生きている。死を求めてもがく人魚とキヨの姿に…