chikakumaco
どうしよう…、これ。
高梨と徳永さんのすれ違いからずっと。ハラハラしっぱなしで、ページを繰る手がどんどん速くなっていって。メリバだったら許さないから‼︎ と、怒りながら、泣いていて。
再読した今もまた、泣いている。涙が止まらない。
徳永さんは、自身がゲイであることで、イジメや謂れの無い差別を受けて来た精神的負債がある。
家族とも疎遠になっている。一人っ子なのに、親に孫の顔も見せてやれな…
そうなのだ。
そもそも、当事者同士以外にとやかく言われる筋合いは無いのだ。
けれど、この社会では、人と違っていることがとても生き辛い。
高梨は、おそらく見込まれて営業部へ異動する。
最初、ずっと一緒だったから、徳永は寂しがって拗ねたりするが、
高梨としては、ずっと徳永の部下でいるよりも、成長して男になりたいと思っている。
勇み足。慣れない営業ではなかなか成果を上げられないので、焦る気持…
『散ってもまた、咲くのが恋でした。』
という、モノローグも温かくて。きゅんとさせてくれる台詞が沢山。
攻めである高梨視点、受けの徳永視点、そして中盤には二人を温かく見守る古谷社長視点もあって。
丁寧に描かれているのがいい。
徳永さんの、古谷社長に対する憧れ。
それを片想いだと言い張ってはいるけれど。その恋に似た気持ちは、実は恋では無い。(と思う。)
そんな彼を見ていた後輩の高梨は、…
あっさりし過ぎていてあまり印象に残らない話もあれば、あっさりしていてもどこか余韻を残す話もあり、どれも短くけっして濃い内容の作品ではないのですが、ナナメグリ先生の可愛らしい絵を味わうにはまあ十分な内容の短編集だったかなと思います。ただ、長編作品とオムニバス形式の作品とを比べるのはナンセンスだとは思いますが、『俺と上司の恋の話』シリーズのクオリティとは大分差があるようには感じました。
◆流星…
1巻ではゲイとノンケが付き合うことの問題、2巻では仕事面で同性と付き合うことが及ぼす影響に対して、それぞれ2人で答えを導き出してきました。そしてこの3巻では、高梨がシングルマザーの部下を持ってその子供とも知り合ったり、徳永が両親に改めて自分がゲイであることを話したりすることで、将来的に子供を残すことは不可能だということを痛感し、徳永が悩むこととなります。加えて、高梨が支社へ異動となってしまうので…
今作は高梨と徳永の恋愛に徹して描かれていました。高梨が新たに営業部への配属となり、ただでさえ成果が出せず燻っているところに、契約成立まであと一歩という相手先に同性と付き合っていることが伝わってしまい、直前で破棄されるという踏んだり蹴ったりな状況に陥ります。それを知った徳永は、仕事や会社にまで迷惑をかけてしまうのなら、と自ら引くことを選びます。
リーマンもののBLではそう珍しい展開でもない…
受けの徳永が絶妙に可愛かったです。今まで好きになった男友達に告白するわけにもいかず、恋愛経験がほぼゼロなせいで時々ネガティヴ思考にも陥る彼。ですが、変に女々しいとか弱々しいわけではなく、あくまで男として、上司として最低限の堂々とした態度はとりつつ、ふとした時に高梨だけに弱音を吐いたり隙を見せたりするのがすごく萌えました。ずっとゲイとして過ごしてきた徳永が、男を好きになったことがないノンケの高梨と…