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一穂ミチ 雪広うたこ
ちろぽん
ネタバレ
相変わらずの雰囲気、いいです。綺麗。 最初、このお話を読んだときも「藍」じゃなくても、果樹園だろうが農家だろうが旅館だろうが何だっていいだろう、なんて思ったんですが…やっぱり「藍」だったから、この世界観が出たんだろうか、と思いました。 私は珍しいと思ったんですが、彼女も持ちの攻め視点なんです。 彼女といい雰囲気のお話しも書いてあって、どうなるんだろうと心配になりました。 遙も健気だから…
一穂ミチ 松本ミーコハウス
むつこ
優しい読後感の、とてもいいお話でした。 パンチ力はないんだけど、心の奥の弱い部分をナデナデしてもらってる気分になるというか。 一穂ミチさんのいいところは、文体が素晴らしいということ。杉原理央さんと共通する部分なんですが、読んでて気持ちがいいんですよ。 文章が巧い人はいくらでもいるけど、「気持ちいい」っていうのは本当に感覚的な部分だから、これが合う人(私だ!!)にとったら得がたい宝石のような文章で―…
トモナ
秘めていた片想いが叶う話は大好きです。 大学生の暁行は、友達のハルに、突然観覧車の中で告白されて戸惑います。 ハルのことはずっと付き合っていきたい友達だと思っていたのに、相手は自分のことを恋の対象として見ていた。 ちゃんと彼女もいて、男相手に恋愛なんか考えられない暁行は、その戸惑いをブログにつづります。 このブログは、読者の想像通りの役割を果たすんですが、この辺りもうまいです。 暁行視点…
一穂ミチ 木下けい子
悲しいです。母一人子一人で暮らしていた流星が母を失うというのは、本当に大きな喪失。 それでも母の苦しみが終わったことで「いいんだ」と泣くシーンなんか、一緒に泣いてしまいます。 一人になった流星を訪ねてきたのは、長い間会ってなかった父親。 父親に対して愛情と反感を同時に持つ流星ですが、彼の選んだ道は……。 とても気持ちを揺さぶられる物語だったけれど、ただ読み終わってみると、家族とか肉親の…
一穂ミチ 竹美家らら
カノアマスミ
初め一行目が長すぎるんですよね。 一番初めの文章でその長さはちといくらなんでも読みにくい・・・・途中とかの文でならいいけど。二つに分ければもっと入りやすいとは思ったんですよ。 って言うか、なんか最初の1、2ページ、ちと難解過ぎる気がするんですが。 私最初の二ページ何回も読み直しましたよ。 件の一行のせいで視点がどっち向いてるのかアイマイにもなるし。 まぁ・・・入り口だけわかってしまえば後…
雀影
高校1年で、桂に出会ってしまった志緒、 好きだから、好きでいる その気持ちだけで、他の人なんか、自分の世界にはいらない。 この本って、サラッと読むと、ほのぼのと、しみじみとした、いいお話みたいなんだけど、 こうやって後からよくよく考えると、結構怖い、 拵さんのように、あからさまなヤンデレさんだけでなく、 志緒君も、結構あぶない、 桂先生も、若気で突っ走って、子供作っちゃっ…
meg
文句なしの神作品。 これがデビュー作とはすごい! タイトルにも雪よ、、とあるように、雪が降っているような静謐な世界観。 この方の筆力、表現力、才能なんでしょうねぇ。卓越したものを感じます。 何よりも作者のこの作品に対する気持ち、この作品を書きたいという熱意、言葉を選んで選んで、表現したいものを丁寧に創っている。 北原白秋の詩が引用され、文学的な匂いもあります。 文学少女出身なので、…
久江羽
いつも思うのですが、一穂さんの作品は色が見えますね。 今回は表題のとおり様々な青が主でしたが、夜の闇と夕焼けの色も感じられました。 大学に入ってからの3年間片想いをしていた相手に、思わず告白してしまった遥。 お話は告白された方の暁行の視点で進みます。 将来の結婚まで考えているような彼女がいる暁行は、親友だと思っていた遥に告白され戸惑います。 恋愛相手としては考えられないものの、ただ拒…
じつに爽やかな三角関係物でした。 入江が、完璧すぎるくらいの好青年で、 柘植も、完璧すぎるくらいの健気な乙女。 相変わらず、一穂さんは、シチュエーションや、小物の使い方が丁寧で、気が利いています。 柘植を、藍作りの家に生まれ育った設定にしているので、 そこここに、色の名前が出てきます。 それがみんな、それぞれ素敵。 色の名前は、和名で漢字なので、 何気なく答えた色の名前にも、意…
茶鬼
一穂さんの描く若者は、小説の中にリアルに生きていて、キュンキュンさせられっぱなしでした。 初めて暁行に会った時に一目ぼれと失恋を同時にしてしまった柘植。 暁行は真樹という同級生の恋人がいます。 二人で観覧車に乗ったときリクエストを言えという意味で言われた言葉に「好き」と告白してしまう柘植。 彼には家の”藍をつくる”という家業に関して、色々複雑な気持ちがあったのです。 だから、欲しいも…