一穂ミチさんのレビュー一覧

ハートの問題 小説

一穂ミチ  三池ろむこ 

大型ワンコ攻め

背が高くて男前の外見なんだけど九九の七の段が苦手という、勉強という意味の頭の悪い青年が押せ押せで一途に願いを叶えちゃう。
主人公は、高校生の思い込みコンプレックスでウジウジした奴なんだけど、この底抜けの明るさの隣人にほだされて、少し成長する物語は、まだちょっと恋愛と呼ぶには幼さも(攻めは22歳なのに!)雰囲気が満載。
しみじみ~とか、ほろっと、とか、切なさとか、そんなものはほとんどなくて、明る…

0

Don't touch me 小説

一穂ミチ  高久尚子 

タイトル「Don't touch me」に、笑って泣けた。

初読一穂作品なんです~!
【雪よ~】も入手したけど、まずこちらから^^♪

文書の印象・・うわぁ~紙面から色や臭いが目の前にある~っ!
表現が上手なんだなぁ、背景の説明も程良くて読み易い、嬉しくなりました♪

特殊な場所の清掃員・長谷川×脱臭剤研究開発の会社員(潔癖症)・園田
コンパで出会い、お互いノン気から始まる話。

「Don't touch me」

初め、神…

1

さみしさのレシピ 小説

一穂ミチ  北上れん 

良かった~

『雪よ林檎の香のごとく』の次に好きな作品になりました。
すごく、ものすごく、良かったです。
そして良かったと思う作品の場合、すべてが私にとっての最高になるんだなと思いました。
ここ微妙にハナにつくこともあったキラキラな登場人物とか、やけにスタイリッシュな会話とか、個性的な比喩の多用とか、小道具の多用とか、あざとさと紙一重の伏線のひきかたとか、青くさい理屈とか、それとは真逆の世知辛い理屈とか、、、

4

街の灯ひとつ 小説

一穂ミチ  穂波ゆきね 

一穂さんに期待しすぎたかもしれない

一穂さんの作品たいてい好きなんですが、これはちょっと好みとは違いました。

主役二人とも微妙なキャラクターなように感じたし、ほだされるのもそれでいいのかなって思ってしまいました。ふたりに必然性が感じられなかったということでしょうか。ただ、あくまでわたしの感覚がついていかなかっただけだと思いますので中立で。

が、さすがに一穂さんなのは、主役二人の間の過去の出来事をそれぞれ対照的に受け取っているとこ…

0

街の灯ひとつ 小説

一穂ミチ  穂波ゆきね 

ヘタレ攻めイイ!

つくづく私はヘタレワンコ攻めが好きだ!と思いました。
なにこのヘタレっぷり。なにこの人畜無害なストーカーっぷり。なにこの忠犬っぷり。なのにエッチになるとヘタレながらもしっかり「男」。
スゲー萌えました。

対する主人公の受けは、もともと学生時代には人気グループの中心にいた人気者。いまはごく普通のリーマンだけど。
てゆかこの学生時代のいわゆるスクールカーストみたいなの、そういやあったあったって感じで…

4

街の灯ひとつ 小説

一穂ミチ  穂波ゆきね 

これまた難しい…。

読んでからレビューを書くまでに、すっごく時間のかかった作品;
レビューを書こうと何度も読み返すんですが、こう、イメージとか色みたいなのは浮かぶものの、言葉にはならないんですよね~。
こういうところが一穂さんを好きな理由だったりもするんですが。

受けは、いかにも20代後半といった感じの人間像。
社会に出て数年、学生時代はもう遠く、社会に出てボチボチ仕事にも社会にも慣れてはきてるんだけど、…

7

おとぎ話のゆくえ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

睦言よりも雄弁な言葉

寄せては返す波のように、さざめく感情が静かに
満ちてゆく過程と、飾らない言葉が魅力だと思う作家です。
一穂先生の作品にはそれぞれに色を感じる事が多く、
それは情景や風景の描写が感情の流れの奥に
佇んでいるからかもしれません。
今作は長閑でも緩く閉ざされた曇天の街、
薄墨色のイメージでした。

世が世なら殿様一家であるやんごとない育ちの湊と、
人にも物にも一切の執着を持たない根無し…

2

Don't touch me 小説

一穂ミチ  高久尚子 

不器用な2人のスローテンポな恋

一穂さんの作品はどれも評価高いので、過度に期待したせいか
普通すぎる展開にちょっと拍子抜けしたかも...
でも、ちゃんとキュンってなる場面も、共感できる場面もあって、
一穂さんじゃなかったら単純に「いい作品だったなぁ~」って
なってたと思います。
そーゆー意味で考えると、人気作家さんって大変ですよね~
普通にいい作品書いても評価厳しくなっちゃうみたいな...

『Don’t tou…

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藍より甘く 小説

一穂ミチ  雪広うたこ 

静かに染まりゆくまで

一穂さんの作品は時々色があるように感じます。
タイトルにもある「藍」という色は、今作では
じっと心の底に横たわる交じり気のない想いの
イメージと重なりました。

ノンケで彼女持ちの暁行に、伝えるだけでいいんだと
告白した遥は、胸の内を多く語らず芯があって欲のない青年です。
彼の実家は藍染を生業としており、要所で語られる
藍というものは、凛とした遥に似合う良いモチーフでした。

3

藍より甘く 小説

一穂ミチ  雪広うたこ 

観覧車から夜景を見ているような

一穂ミチさんが好きで買ってみました。これはあたりです。
「藍染め」家業のゲイ・遙と、その想い人暁行のお話。

やっぱり一穂さん特有の透明感というか、綺麗さがありましたね。
重点を置かれがちな登場人物の心理描写より、風景など周りの様子の描写に力を入れているように感じました。
文学的でとてもよい雰囲気だったと思います。
物語も丁寧に作られていて、深い物語でした。
一穂さん好きです。

4
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