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一穂ミチ 雪広うたこ
ミドリ
親友である遥に突然告白された暁行。 しかし暁行はノンケだし、彼女もいるしで遥の気持ちを受け入れることはできない。 でもその気持ちを突き放すこともできずに中途半端な態度を取り続けてしまう――。 この二人は正反対なんです。 家は裕福、美人の彼女がいて、男前な暁行。 一方遥は、実家は藍染の藍を作る仕事をしていて、その仕事を愛しているけど跡を継ぐのは兄で。(ちなみにこの藍が今回大切なキーワー…
一穂ミチ 木下けい子
りょう
「幼馴染」というありきたりな設定にも関わらず、今回も感動させられました。普通な設定の物語にここまで入り込んでしまったのは初めてです。 それはやはり一穂先生が文章力に長けているからでしょうね。ストーリーに無駄なところも欠如しているところも無ければ、表現がとても繊細で、ひとつひとつが胸に染みてきます。思わずBL小説ということを忘れてしまうほどです。 流星と太陽の会話は、流星の無口な性格のせいか…
一穂ミチ 竹美家らら
「生徒×先生」という、一見普通な設定です。けど通常なら「生徒と先生との危ない関係」を重視してしまいがちですが、この作品は「愛し愛されることの喜び」を描いているようにみえます。すごく繊細で美しい印象を受けました。 この作家さんは文章力に長けていて、BL小説ということを忘れてしまうほどでした。なかなかBL小説では焦点にならない「生命」についても考えさせられました。それに会話が妙にリアルで想像しや…
あけみ
受けも攻めも非常に繊細で、触れなば落ちん……と言った風情なんですが、なかなか芯はしっかりとしていているんです。 過去の恋愛でボロボロに傷ついた桂でしたが、その過去ごと受け入れてくれた志緒に、癒されたんでしょう。 志緒にも年の離れた妹が生まれたことも幸いして、桂のことがよく理解出来たのもあったんでしょう。 その上、桂だけ真っ直ぐに愛してくれたら、そりゃ気持ちいいだろうし。素直に自分を認めて…
一穂ミチ 松本ミーコハウス
えみう
ネタバレ
残念なことにえみうには合いませんでした。 一節一節、要所要所にいいところは多々ありますが、正直なところ雰囲気しか感じませんでした。 えみうの読解能力や、語り手が(時間軸ではなく)節で変わる進めかたが苦手なのかも知れませんが、読了後がすっきりしません。 全体的にかゆいところに手が届かないもどかしさがありまして…例えば111頁目の後ろから3~4行目、ここが読みきれず、ここまできて時間を考え込んで…
久江羽
親の再婚で兄弟になった同い年の二人のお話。 父親を知らずに母子家庭で育ったかずさは、何事にも慎重で真面目で争いごとを好まない、いわゆるいい子でした。反対に母親を病気で亡くし父子家庭でワイルドに育った葵は、ゴーイングマイウエイな才能溢れる芸術家タイプ。 高校生の時に出会い、家族として一緒に暮らし、お互い惹かれあい、それなのにはっきりした言葉では伝えられず・・・ 読者からしたらもどか…
両親の再婚によって義兄弟となった2人のお話。 同い年で、でも、性格とか全く違っていて、お互い気になってるけど行動にはなかなか出られなくて。 なんだけど、お互いを思い遣る気持ちがすごく優しくて、ホッとさせられるというか、なんというか。2人の関係がすごくいいんです。 やっぱり、再婚した両親の中がすごく良好だっていうのも関係があるのかなぁ? 葵とかずさ、出逢いのときからお互い惹かれ合っている…
雀影
「花咲く~」ラストの、この葵のせりふがいいなぁ この本、ざっくりまとめると、 連れ子同士が、お互い愛し合っているのに、一方が臆病で前に進めず、ぐるぐるするお話。 現在と過去を行ったり来たりしながら、お話は、中国地方の山の中の、のんびりとした景色そのままに進む。 閉ざされているのに希薄な空気感が、中国山地っぽい。 「花咲く~」でようやく思いを通じ合わせた二人。 と言っても、よ…
藤棚
特に大きな事件があるわけではないのですが、 ぐっと胸に迫ってくるものがあり…… 何だか上手く文章に出来ません。 というか、一穂さんの作品は大好きなのですが。 何故かいつも感想が書きにくくて、困ります。 親の再婚で兄弟になった、同い年のふたりの男の子。 芸術家肌な自由人・葵と、繊細で真面目なかずさ。 個性も育った環境も全く違う二人がゆっくりと 時間をかけて、寄り添っていく…
ファンカーゴ
けして痛い話ではないし涙も出ないんですが、 読後、どうしてかズーンと暗くなってしまいました。 親の再婚で兄弟になった二人、 タイプは違えど、二人とも良い子で、自然体で、なんだか胸がキューンとする。 ボーイズラブ以外の普通の日常のシーンでもキューンとする。 そして、二人の親である真一(木工職人)と弓子(シングルマザー)も、 良い人達なんだけど、疲れ方とかがリアルで、 生活の澱の…