chikakumaco
新刊の「イキガミとドナー」を読んで。とてもとても感動したので。以前より気になっていて、何だか怖くて、手を出していなかったこちらを購入してみました。だって、表紙の美しさとタイトルだけで。ああもう、これは何かを予感させて、ドギマギするでは無いですか。そういう意味では出オチ感も半端無いです。ここに全てが語られてしまっているのだと。読了した今となっては、この美しい表紙を見ただけで泣けてしまいます。
まだ…
凄い不穏なんです。苦しくて。胸が張り裂けそう。
ハラハラのし通しで。だいぶ持ってかれました。
人を人とも思わないこの国でイキガミと選ばれ、ただ死闘を繰り返すだけの鬼道たち。
そんな鬼道と少しずつ心を通わせて行く吉野。
吉野が中学校の教師という仕事をしていて。未来ある子供たちと常に触れている、という事が。
鬼道の心を救う一助になっていたのは大きかったと思うのです。
子供達には未来がある。…
恐ろしい物語で。行き場が無い。
日本では「イキガミ」と呼ばれる、選ばれし特異体質の若者達は、命を賭して最前線で闘う。
あらゆる武器を跳ね除け、武器の売買を暴落させた彼等は、ただ自国の利益の為に。終わりの見えない戦いに臨む。如何なる武器の攻撃にも、爆破にも耐える無敵の彼等は、イキガミ同士の闘いにのみ甚大なダメージを受ける。
彼等の傷を治癒する為に選ばれ、これまたイキガミを支える為だけに生きる事…
この世界観で最後まで描き切ってくださったことには神評価をつけたいです。設定は本当にしっかりしていたと思います。ただ、細かい点がいくつか気になって、個人的にはどハマりするまではいきませんでした。私はもう少し吉野の掘り下げが欲しいと思ったんですね。鬼道の孤独や感情を描くシーンは多々あったのに比べ、吉野というキャラクターがこういう思考回路に至った背景が私には足りませんでした。
どうしてこんなに…
まだメイン2人の関係性にはそこまで萌えを感じないかなと思って萌評価に留めましたが、作り込まれた世界観にはとても引き込まれました。山中先生はどこかしら虚しさを感じるような雰囲気の物語と相性が良いですね。イキガミは対武器ではチートになるけれど、対イキガミであれば怪我もするし、病にもかかるのは一般人と同じで、尚且つ普通の治療や薬が効かず、この世に唯1人の存在であるドナーの体液だけが頼りという、実は誰よ…