木原音瀬さんのレビュー一覧

恋愛時間 小説

木原音瀬  紺野キタ 

切ないけれど、何度も読みかえしたくなる

初版の後に文庫化され、絶版になっていた作品でした。ずっと読みたいと思っていたので、今回の電子書籍化は本当に嬉しいです。スマホでは文字が小さくて、パソコンで同期させて読みました。
木原さんのツイートによれば、現代寄りに少し手直しされたとのこと。スマホやSNSが取り入れられています。木原さんの作品にときおり描かれる乱暴な描写や病的な執着はない、ノンケの普通のサラリーマン二人の切ない恋模様です。

3

恋愛時間 小説

木原音瀬  紺野キタ 

男同士のリアルな恋愛と心理描写

1997年、2002年とイラストを変えながら新装されてきた作品ですが、今回は電子限定での配信です。
『嫌な奴』に続き、古い木原作品を現代版に改稿していて、
amazon kindle、楽天で配信されているのを確認しました。

それほど癖のない大人の男同士のラブストーリーなのですが、
リアルな心理描写は流石で、物語が進むにつれ次々と移っていく視点の変化が面白いなと思います。


懐い…

7

嫌な奴(文庫版) 小説

木原音瀬 

恋とは呪いである

1998年ビブロス(!)刊行の『嫌な奴』を大幅加筆修正したものとか。
ビブロス版を読んだような気がしていたのですが未読でした。
ただねぇ、物語自体を全く違うものにしてしまうことはないでしょうから「やっぱり木原さんはずーっと木原さんだったんだなぁ……」と思いました。

このお話には、ど不幸まみれの地獄が『ある一言』や『ちょっとした行為』によって天国になってしまう『木原マジック』がありません。…

15

灰の月 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

甘さは一切ない

この数日間で「月に笑う」から「灰に月」まで一気読みしました。
「月に笑う」で読むのが辛いと感じた方は正直、本作は読まない方が良いと思います。
でも、どんな展開でも読める!!という方は読んで全く損はないと思います。

木原先生の作品は何作か読ませて頂いてて
他のBL作品にはないズンとくる読後感に衝撃を受けつつ
あまりに過剰摂取すると精神が持たないとも思っていました。
なので、前々から読…

2

薔薇色の人生 小説

木原音瀬  ヤマシタトモコ 

前科者と刑事の大真面目な恋愛


凄い!最初から両想い!ラブラブだ!!!


不細工でドクズな攻めこと百田が受けのロンちゃんと出会いとびっきりの幸せをもらいつつドクズ人生から足を洗って歩きはじめているお話。

百田は常にロンちゃん大好きだしそんな百田を同じくらいの気持ちで大事にしてくれているロンちゃんに終始癒されます。
口数多い方ではないしそもそもなかなか会えないけど、素直な気持ちをのせたロンちゃんの言葉は一つ一つ…

1

嫌な奴(文庫版) 小説

木原音瀬 

どMな読者向け?

”アオイトリ”の甘々(?)な木原先生に”あれ?”な感じだったのですが、
これはもう”これですよ”な感じしかなかったです。
この中に”愛”を見出せる人は相当な上級者と思われます。

そもそも心のない人間に”心”を求めてしまった三浦の悲劇として
切なくなりました。どうでもいいヤツだったら忘れてしまうものなのに、
どうでもよくないから、何年も心にひっかかってしまっている。
ここまで囚われて…

7

「嫌な奴」初回限定特典SS 「変わらない日々」 グッズ

また落とす

初版限定でついてくるペーパー。折って中に入ってましたが、書店さんによって違うのかな。本編の最後の最後にちょびっとだけ上げてもらえたメンタルを、これでまた叩き落された心地なお話でした・・・

以下ネタバレ

本編最後に、「咽ぶように泣く自分の心」とあって。
「ああ、こいつにちゃんとこういう気持ちがあるんだ」と、きちんと文字にしてもらえて非常に救われた心地だったんです。それを受けてのこのSS…

0

嫌な奴(文庫版) 小説

木原音瀬 

ホントに嫌な奴

「コゴロシムラ」が面白かったので購入。途中メンタル激下がりにより読めなくなって一時中断。「もう駄目だ読めないかも」と思っていましたが、再び手に取ってみたら!何とか読めてとても嬉しいです。私みたいに途中で断念してしまった方、しばらく間置くと読めるかもです。ただあまりにしんどかったので萌で精一杯です。300p弱。以前出版されていたものを大幅改稿しているそうですが、旧版を読んでいないのですいません、比較…

7

セカンド・セレナーデ full complete version(新装版) 小説

木原音瀬  北畠あけ乃 

性格悪すぎ…だが惹かれてしまう……


あーーーーー。
性格の悪い会社員こと橋本さん(受け)好き…。
顔と体だけが取り柄で性格に難ありすぎる。
口を開けば愚痴だったり嫌味だったり、頭の良さもあって言葉の暴力だらけ。
自分の価値観押し付けてばかりだしリアルにいたらいくらお顔が良くても…とまわれみぎしたくなりそうですが、妙に可愛さ感じて愛おしくなっちゃうんですよねこのクズ系ハンサムさん。

年下は趣味じゃないと言いながら、結…

0

秘密(文庫) 小説

木原音瀬  たえ 

妄想と現実の境目でのお話

木原作品は2冊目ですがこの作品も一度開いてしまったら最後、ページをめくる手が止まりませんでした。一読目は先が知りたくて、次は結末を知ってからの登場人物の言動の確認、その次は部屋の間取りなど細かい背景、、と貪るように読みました。内容紹介も読まずまっさらな状態で読み始めましたがとにかく話に引き込む力がとんでもなく強かったです。

 主人公の啓太が冷凍庫を買う場面から始まるのですが既にここから不穏な…

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