木原音瀬さんのレビュー一覧

リベット 小説

木原音瀬  藤田貴美 

なんて辛く重い

(ネタバレなしです)
箱の中、美しいことで木原さんの作品の面白さに取り憑かれたなら是非手にとって欲しい作品です。上記2つの作品では、非常に辛い思いをする比重は主人公に偏っていますが、この「リベット」は主人公初芝を中心に、3人あるいは4人がそれぞれ違う重みと辛さを持っています。
BLでイメージするような甘さはなく(それを木原作品に期待してる人は少ないですかね)とんでもない辛口です。読むのが辛くて…

2

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

狂気に毒されそう

冒頭から巻き起きる事件。嫉妬。憎しみ。復讐。執着愛。
最後まで付き纏う、何とも言えない不快感と妙な切なさ。
夢中になって読みました。

才能ある部下・青池の持ってきた企画を尽く握りつぶす上司の大河内。そんなパワハラに加え、ゲイであることをバラされた青池は、ある日大河内に襲いかかってしまい退職に追い込まれることに。
そこから始まる復讐と愛憎劇の行方を描いたこの作品。

青池に脅迫され、…

5

鈍色の華 小説

木原音瀬  ZAKK 

コメディでした。敬語責め好きは是非

1冊を通して一番登場するのは外資社長チートキャラすぎるダン。そしてダン(とヒューイ)によって男に目覚めてしまった40代鶴谷と20代佐川の2編。

枯れ始めてからまさかのシンデレラストーリー⁉︎(枕営業だけど)という設定は凄く面白い!それにちょっと夢があるし秘訣を知りたい〜。ただの野次馬根性です。
男体盛りとか、いかにも妄想の大風呂敷を広げた設定と台詞!という感じが笑えるし鶴谷さんの“秘めてる…

2

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

最後の1頁まで結末が読めない凄み

苦味ばかりの男が気まぐれに落としていく飴は、ことさら甘い。

作中の一文、まるで木原さんの小説のようですね。スペイン映画「私が、生きる肌」を彷彿とさせる監禁と愛(こちらの方が先ですが)、最後の1ページまでハッピーエンドなのかバッドなのか全く読めないのは相変わらず面白く、半端ない読み応えでした!
素敵な挿絵は今でも古くありませんし、内容とのイメージが私にとって差がなく助かりました。

ゲイ…

2

箱の中(文庫版) 小説

木原音瀬 

話が凄すぎて・・・

木原作品は合う時と合わない時があり・・・こちららとても高評価のため期待大で読みました。
話は相変わらず読みやすく、どんどん読み進みましたが、正直これって恋愛もの?どこに感動するとこある?って感じでした。私の感性の問題かもしれませんが・・・。
主人公達をとりまく環境が非日常的で、色んなことがジェットコースターのように起きて、ついていくのに必死で主人公達の恋愛があまり入ってこなかったです。
真っ…

2

無罪世界 小説

木原音瀬  よしながふみ 

何気ないものが誰かの犠牲で成り立っている

“捨てるものの為に苦しむ人がいるなら、自分くらいビールを瓶にしてもいいかと思ってね”

最後まで夢中で引き込まれるお話ではなかったのですが、BL小説でここまで愛以外のメッセージ性を持たせた作品に出会った事が(絶対数が少ないのですが)なく、挑戦的な作品だと思いました。

法外な値段で浄水器を売る悪徳業者の主人公(この設定が既に面白いのだけど、詳細は流石にないので面白さが半減して惜しい)が遠い…

0

こどもの瞳 小説

木原音瀬  街子マドカ 

予想より純

お兄ちゃんのことが、好き。
お兄ちゃんに嫌われたら、死ぬ

木原作品で近親相姦とショタなんてどれだけキツい話なんだろうとゲスな興味が湧き購入しました。
「眠る兎」がデビュー作と言われて信じられないほど文章も巧みで面白く一気読みだったので、どれを読んでもいいなと思っていたのですが、「眠る兎」は95年出で09年(恐らく)に単行本収録にあたり加筆修正されています。対して今作は99年刊行時のままの…

0

眠る兎 小説

木原音瀬  車折まゆ 

毒じゃなくスパイス

木原さんのデビュー作らしき今作も流石、面白かったです。
気弱でダサい、ゲイの現国の先生と、友人と揶揄って雑誌の募集から手紙を送った高校生の里見。高橋の人見知りなのに好きだからちょっと頑張るところが健気で、思わずにやけますし共感出来ます。里見は里見で断れず迷い、興味を持ち少しずつ流れのめり込む素直さも好感が持てるし、気持ち分かります。双方の気持ちがちゃんと読みながら理解出来、しかも嘘をついたまま話…

1

恋について コミック

大竹とも  木原音瀬 

どうしても手放せない一冊

2009年作品
当時大竹とも先生の描かれるBLが大好きでした。
短編集が多い中、こちらの作品は原作の小説があり、まるごと一冊表題作の一冊。

ウェディングコーディネーターの朝霞。
彼の初めてのお客様で新婚一年目の笹川。

偶然再会したふたりが悩み、回り道をして恋を深めていく。
もともとがストレート同士なので、恋の進め方が不器用すぎる!と
モヤモヤしたりハラハラしたり(私が)が醍醐…

2

秘密(文庫) 小説

木原音瀬  たえ 

NoTitle

木原さんの描く全然格好良くないのに愛しいと思える人物が今作でも生かされてます。
充のディスレクシアですが今なら適切なサポートが受けられる可能性が高いです、
世の中結構良い方向に変化してます。

今まで読んだ木原さんの作品の中では一番読後感が爽やかで、最初に読む作品としてお勧めです。

冷蔵庫の中身は空で人殺しは妄想だけど根本は解決してないんですね、啓太の妄想は続く可能性が高い。
全て…

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