木原音瀬さんのレビュー一覧

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

いつもなら惣一が主役になりそうな性格

中学生の路彦がいじめを受けている現場に居合わせたチンピラの信二。
弱く幼い路彦に、ケンカの仕方を教えてやったりAVを見せてやったり。
単なる下っ端ヤクザでしかない信二も路彦の目には頼りになる存在として映り、信二もまた素直に懐いてくる路彦を可愛く思った。
二人は友情関係を築くと共に、互いの性欲を満たし合う関係にもなった。

その一方、経済ヤクザの惣一に心酔していく信二。
しかし惣一に対し…

4

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

居場所のない二人、野良猫と仔猫

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
ヤクザの下っ端チンピラ・信二と、いじめられっ子の中学生・路彦の、出会いから9年の二人の遍歴を、上下巻でがっつりと。

ヤクザといじめられっ子。
弱肉強食のヒエラルキーでは明らかに最上と最下の組み合わせなのに、予想と違って泣き虫で幼い路彦こそが、ヤクザの信二を「守りたい」と思うのが面白いです。
おかげでどっちが受け攻めなのか、読みつつやきもきしちゃいまし…

5

恋愛時間 小説

木原音瀬  やまかみ梨由 

恋愛時間

これまで即読の木原作品が、わりと濃いというか、心臓的によろしくない作品ばかりだったので、今回もちょっと深呼吸して読み始めたんですが、まったくナチュラルというか、初心者さまにもやさしいゆるいお話でしたw
お話は、男である有田が、部下で後輩の男である広瀬に告白するところから始まります。男である自分が男に告白され、迫られるという頭の中で想定し得ない場面、そして実弟が男と~な過去現在。
有田ははじめ拒…

1

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

ションベンタレの弱虫は力強い家族になりました

木原作品が痛いからといって、構えた自分がバカでした。
家族にこだわり、一番大事なものを守りたい気持ちにこだわり、不器用なヤクザが、何年もかかって本当に大事なものを見つけた。
そんな話だったのだと、上下巻読んで思いました。

中学時代いじめられっ子で、ションベンたれと呼ばれ、弱かった路彦は、身体も心もすっかり強くなり、信二に甘えている部分もあるものの、きちんと自分で考えて、行動力のある賢くて…

7

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

まだ序章、これからどうなっていくの!?

今回は上・下巻と長編の作品です。
まず、上巻を読み終わって不思議な感覚に囚われています。
木原作品に大体登場すべき痛い人々はいずこ?
確かに、ヤクザが登場して(だが派手なものでなく地味で弱小なのが現実味を帯びている)、いじめだの、人が死んだりと、暗い要素があり、主人公の少年は、どこか欠如しているような、でもこんな子いるかもしれないと思わせる人間だし。
いじめのシーンにしても、こんな感じだよ…

7

夜をわたる月の船 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

殺してくれないか

ボリュームも読み応えも抜群の一冊。もちろん明るいお話じゃないので、苦手な方にはNGだとおもうんですが、今回も楽しく読ませていただきました。
始まりは、ひとつの取引。行きたいと願った企画部への異動と引き換えにしたのは自らの身体。年上の上司は、自らの腹の上で自らのものをくわえ込み腰をくねらせる。恨み・憎しみ。そして時を経て再会した先に・・?!
殺伐とした雰囲気から、どう恋愛に進展するのだろうと、最…

16

情熱の温度 小説

木原音瀬  深井結己 

激しい思いは一歩間違うと・・・

 深井先生が描かれてる表紙のものがどうしても欲しくて、でももうどこも絶版扱いで手に入らないかーと思っていたところ、先日、ついに手に入りました(嬉)
 木原先生ではお馴染み?の死にたがりの受け、きました。
 
 高校生の吉川×高校教師の泉野のお話。
吉川は、今時のルックスがよくて、周りのみんなよりもいろんな意味で進んでる男子です。あるとき、吉川の彼女が、同じ高校の教師、泉野に告白され、吉川か…

4

The drop of summer 小説

木原音瀬 

For Adults Only

For Adults Onlyと印字された表紙。
『恋について』『12hours』『NOW HERE』3つのお話の
濃厚なLOVEが詰まってましたーv

恋人同士になっても
恋人同士だから?底知れぬ相手への思いを
セックスに乗せて書いてあるといったかたちでしょうか。

『恋について』は
お風呂でえっち。

『12hours』も
お風呂でえっち。

『NOW HERE』は…

3

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

攻めが好きになる3作目

子どものときから愛情をまったく与えられなかったため、トラウマだらけである反面、
スマートで器用、要領が良く、パティシエや写真家という分野で才能を発揮する男が透で攻めです。
裕福で、人が羨む類の家の一人息子だが、実は両親は不仲で、複雑な環境、異常な母親に支配されて育った男が受けで藤島です。

コールドフィーバーとは木原さんの造語なのでしょうか。
COLDシリーズは三巻あり、書名の意味を知り…

17

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

予定調和

妻は悪役だけど彼女のような人間はどこにでもいる。堂野は信じられないくらい優しい人間だが、情熱的な愛情を持てる人間ではない。女がものたりなさを感じるくらい。だから妻が浮気をしたのもわからないではない。それが殺人事件にまでなってしまったのは運が悪いと言う彼女の言葉もわかる。私が嫌いなのは妻の浮気相手ぐらいだ。ただ堂野の優しさを受ける資格はない女だろうが。といって圭が受ける資格があるかというと、前作の檻…

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