木原音瀬さんのレビュー一覧

パラスティック・ソウル unbearable sorrow 小説

木原音瀬  カズアキ 

完結

本編の解釈に大きな影響がある話を本編に収録しない商売の仕方には常々憤りを感じるということは表明しておかねばならない。

シリーズ完結。様々なビルア種の身体をのっとっている間、ずっとカリカリしていた彼が、最後は穏やかな生活を手に入れたのは良いとして、引き換えにした命は多過ぎるんだよな、と思う。間接的な大量虐殺犯なんだよな。それもかなり自己中心的思想の。ただただ無力のまま傷をつけられた存在もいたわ…

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パラスティック・ソウル love escape 小説

木原音瀬  カズアキ 

「甘い」という触れ込み

これだけ読むことは出来なくはないけれど、感慨深さは無いし、面白みも薄れるだろうというシリーズ5作目。あとがきでは番外編と書かれてましたね。納得。むしろこれだけ読むというよりは、これだけ読まなくてもシリーズの理解に支障はない気もする。
あとがきに完全完璧なハッピーエンドとも書かれていました……木原先生との感性の隔たりを感じる。

自分は非常に正直なところ「そうはならんやろ」と思うところが多くて…

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鈍色の華 小説

木原音瀬  ZAKK 

主人公は・・・

この作品は舞台は同じなのですが、全体を通しての主人公という主人公がいなくて、各章ごとに三者三様に物語が進んでいきます。
視点が変わるごとにその人物が相手に対してどのように思っていたのか、よりわかるのが面白いなと思いました。

【鈍色の華】【鈍色の果実】
40代後半でルックスも冴えないおじさんが、よくここまで魅力的なキャラクターになったもんだと感心してしまいました。最初はお遊びの接待だったは…

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Don't Worry Mama(新装版) 小説

木原音瀬  志水ゆき 

読み始めてからあっという間!

受けの設定“デブ、性格悪い、マザコン”の三拍子が受け入れられず、読み始めるのに時間がかかりましたが…
【読み始めてからあっという間!】でした。

あんなに嫌だった今蔵さん(受け)が、どんどん可愛くなっていくんです!(読む前は考えられなかった)
今蔵さんは作中でどんどん痩せていって、すべすべもちもちお肌の青年になり、性格悪い点も色々あって改善されますし、マザコンも何とかなります(笑)

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鈍色の華 小説

木原音瀬  ZAKK 

No Title

とにかく大変官能的です。
枯れたおじさんが二人の外国人によって性の欲望を覚えていく様はなんとも薄暗く仄暗く、気になってページをめくるのが止まらず、ラストがどうなるのか気になり一気に読んでしまいました。
タイトルの続編が、またラストの回収が見事で。恋愛や性行為すら無駄で自分には不必要と思っている兎河が最終的に受けにはまってしまうところ、受けが愛ではなく性欲のために愛を囁き、囁く愛は嘘をつくもので…

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こどもの瞳 小説

木原音瀬  街子マドカ 

No Title

あらすじを読んでから本編を読んだのですが、想像よりも早い展開であっという間に読み終えてしまいました。とにかくすごいです。
何重にも層になっているような感覚に陥ります。
まず子供時代の記憶、早逝した妻、冷たい兄と本音の部分。そして成人男性の6歳児。
大きい姿に6歳の状態は本当に愛おしくなってしまい、胸がいっぱいになり、思わず涙がこぼれてしまいます。最後はあっさりと終わり、その後どう過ごすのか余…

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秘密(文庫) 小説

木原音瀬  たえ 

どうしようもなさがとてもリアル

衝撃的な始まりからどうなることかと思ったら、読み終わるころには最初の衝撃など忘れてしまうほどに、杉浦のことで頭がいっぱいになっていた。実は三者視点で語られる杉浦充の物語だったんだろうか。ラストはめちゃくちゃ泣いた。

「秘密Ⅰ」は啓太視点で、冷凍庫に殺した死体が、という驚きの展開。でも決定的な場面になると描写が曖昧になり、啓太が本当に殺人犯なのか、確信が持てないまま緊張感を持って話が進む。

1

恋愛時間 小説

木原音瀬  紺野キタ 

どうしようもないもどかしさ

四編構成・四者視点の一冊。最初の二編でハッピーな結末かと思いきや、わだかまりを残しながらも一緒にいたいという話になり、モヤモヤの残る終わり方。ただ、これ以上の追求は藪蛇感があり、どうしようもないもどかしさがあった。

ノンケ男が同性の部下に告白されるところから始まるお話。有田は過去の経験から元々ゲイへのマイナス感情があり、だからこそ広瀬を過度に気にして心を乱され、絆されていったと思う。自身の恋…

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吸血鬼と愉快な仲間たち 7 コミック

羅川真里茂  木原音瀬 

もう、それは愛だよね

巻末、木原先生の小説、キエフとアーロンのお話を読んで今、
胸がいっぱいです。

回り回って、巡り巡って、運命に導かれたかのような奇跡的な再会に
泣き出しそうになりました。涙腺、弱くなっているのかな…
本当に、心を揺さぶってくれる作品ですね。出会えて、読み始めて良かった。。

飛行機のハイジャックという、超危機的状況に瀕したアル&暁。
小説未読で結末を知らないため、きっと助か…

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COLD FEVER コミック

麻生ミツ晃  木原音瀬 

胸が痛くなりすぎる

3部作の3作目。

記憶喪失であり、いつ記憶が戻るかわからない透のことをなかなか受け入れられなかった藤島が、ようやく覚悟を決めて恋人同士になり幸せな生活を送っていたのに、ついに透の記憶が戻ります。

荒れ狂う、という表現以外にしっくりくる言葉が思いつきません。
記憶が戻ってからの透は、荒れ狂い続けます。
言葉で暴力で、藤島を痛めつけ、苦しめ続けます。
そんな透のすべての言動を黙って受…

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