木原音瀬さんのレビュー一覧

嫌な奴(文庫版) 小説

木原音瀬 

最後の最後であれはズルい

嫌な奴、この主人公って嫌な奴だよな、と思いながら読み進めた。でもこれも人間らしさだよな、とも思う。本編のほとんどを和也視点で語り、最後の最後でチラっと三浦視点を見せてくるのはズルい(良い意味で)。読後は三浦のことで頭がいっぱいになってしまった。

和也は外面が良く、嫌いな三浦とも表面上は仲良くしているが、陰では悪口三昧。子供時代はそんな態度も分かるけど、大人になっても三浦を怖がり、不自然にこだ…

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パラスティック・ソウル love escape 小説

木原音瀬  カズアキ 

ヨシュアが愛おしい!

久しぶりの再読。やっぱりめちゃくちゃ良い…!
ヨシュアがとにかく可愛い。ピュアで健気で、顔が見えないまま一生懸命ケインに話しかける姿にやられます。特に「ベイビー」って呼ぶところ、最高すぎて本当に好き。
ケインは心が強いっていうより、環境に押し潰されて感覚が鈍ってしまった人なんだろうなと思う。でもそんな彼がヨシュアに少しずつ心を動かされていくのがまたグッとくるんですよね。
木原さんの作品ってハ…

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惑星 小説

木原音瀬 

読み終わって数日経っても、ふと彼らのことを思い出してしまいます

他の方も書いていらっしゃるのであらすじは省略させていただきます。

まず第一に読後感が唯一無二の作品に出会ってしまったなぁという感じでした。(もちろんとてもいい意味で!)自分はハッピーエンドよりも、メリバとか仄暗く今後の展開を考えさせられる系の作品が好きで、今回も主人公が報われないという前情報だけで読み進めたんですが、本当にとことん報われなかったですね…。もちろん作中ずっと暗い訳ではなくて、心…

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アオイトリ 小説

木原音瀬  峰島なわこ 

行く末が心配すぎてアカン。

これから何人産むことになるのか…
発情期の度に妊娠がツラすぎる。ツラすぎますよ…。
私は自分の妊娠出産経験を踏まえてしまうのか、どうしても気になります。

女性と違い妊娠中の体型変化などはないようですが、産後の肥立ちや妊娠出産に関わる体の内側の変化も少ない設定なのかな?育児のノイローゼはあったけど、その辺りは言及がなかったかと思うので…。

妊娠出産はとても大変です。もし男性Ωゆえの前…

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無罪世界 小説

木原音瀬  よしながふみ 

無題

思っていたより萌は少なかった。ワイルドというより動物的。二人のどちらにも感情移入しにくかった。彼はずっと帰りたがっていたけど、帰ったところでどうやって暮らしていくつもりなのだろうか…。やはりある程度知性を感じさせるキャラじゃないと、感情移入しづらいなと思った。だからこそ人間社会で生きていくのは大変だろううし、なんだか可哀想にも思えてきた。彼を取り巻く環境も劣悪で、人々の思惑もあって、果たしてその愛…

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薔薇色の人生 小説

木原音瀬  ヤマシタトモコ 

クズと堅物の行き先は…

木原先生の作品は2冊目です。
1冊目の「箱の中」の文庫本で心を鷲掴みにされたので、次はどれを読もう、と調べてました。
ヤマシタトモコ先生の漫画が好きで、挿絵と表紙がヤマシタ先生ということで、あらすじを読んだらなんか重そうだけど、読んでみたいぞ!とビビりつつ読み進めました。
いや、こんなに満たされるお話とは思わず!

攻めのモモはすごくクズでだらしないです。
読み始めからおいおい、と呆れ…

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箱の中(文庫版) 小説

木原音瀬 

ふたりにただただ幸せに過ごしてほしい

基本的に漫画しか読みませんが、こちらの作品がふと目に留まり、読み終えました。

まず、痴漢冤罪で捕まり、自分の無実を貫いたが故に刑務所に入ることとなった堂野が受けです。
この時点で胸糞なのですが、犯罪をやってない堂野は刑務所の中でもなじめず、理解者を見つけたと思ったらあれだったり、つらい現実が襲い、まわりを信じられなくなります。
彼が懲罰を受けるところは読んでいてしんどかったです。
そん…

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アオイトリ 小説

木原音瀬  峰島なわこ 

苦手設定ですが⋯

そもそも子育てBL、オメガバースが非常に苦手で避けがちなのですが『木原先生だから読むか、でも先生ならオメガバースじゃなくても良くない?』くらいの気持ちで読み始めました。が⋯面白かったです(笑)というか読み応えもしっかりと物語が進み、感情描写が木原節でオメガバースがそこまで気にならなったというのが感想です。また苦手ではありますがオメガバース設定の良い部分はえちが濃厚なところだと思います。こちらも先生…

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牛泥棒 小説

木原音瀬  依田沙江美 

和風ファンタジー

ありそうでなさそうで有りそうなお話し。タイトルに「ん?」と思ったのですが、読み終えると納得できますよ。不思議なタイトルですよね(笑)
時代背景や受攻の関係など、この物語の大事な要素になっていて、不可思議なことが起きてもすんなり入ってくる感じです。私がもともと妖怪系やちょっと不思議な出来事や特別な能力とか好きなので。
その他の登場人物(人物?じゃないのも)も、物語を更に引き立ててくれているように…

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美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

さすが!

このノンケ男子ふたりが付き合う、付き合わない、の話だけで上下巻。木原先生、さすがです。
もうふたりの心理描写の細かさが秀逸で
胸が苦しくなりましたよ。
寛末さん、もうほんといい加減にして!!!
って何回思わされたかしれません笑
他のBL作品ではなかなか見られない、ただひたすらに葛藤が綴られることで生々しさ、リアルさを突きつけられたというか。
寛末さんの最後の告白もひどすぎて逆に心に残り…

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