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凪良ゆう 高階佑
maruchan
過去に読んだのだけど、今はもう手元に無いものとか、家のどこかにはあるのだろうけど……という本を電子版で買い直して読むことがちょくちょくありますが、これもそういった本のひとつ。…と言っても過去に読んだのは旧版の方ですが。めちゃくちゃ好きな話というわけではないのですが、ふと「読み返してみよう」と思うものではあったということですね。心がザワッとします。 前半は、重い過去と歪みを抱えた人たちが引き寄…
凪良ゆう 小椋ムク
夏の海を核にした愛の物語……なのに、はじけるような明るさと太陽の匂いではなく、夕暮れより後の暗くなりかけた浜辺の少し滞った磯の匂いと、テトラポットの太陽の当たらない面の気配に満ちた作品でした。 ファンタジーかもしれない、でも現実かもしれない……という少しあやふやなところを残した空気感に、描かれている事実(ストーリー上の、ですけどね)の厳しさ、切なさ、痛さもぼんやりと曖昧になってきます。 …
凪良ゆう 草間さかえ
「こう来たか! やられた……」と呟かずいられなかった一冊(しっかり目尻を涙で汚しながらね)。 ジャンルで言うとSF。BLとしての条件も押さえてはいるのですが、読んでいるうちにジャンルとかはどうでもよくなりはします。 設定は今より未来で、それなのにあまりにも普通な現代との地続き感のある風景から物語は始まり、途中ディストピア物のような展開も見せます。だけど根っこは壮大な理念とかなんとかよりも個…
凪良ゆう 小山田あみ
関連作を読んだ流れで久々に再読したのですが、やはり良い……。 後書きで「編集さんにはBL的にはこのエピソード入れない方が良いのでは?という助言ももらったけど、実はこれが一番書きたかった」とあった巻末SS。これは私もここが一番キモだな、と思う派です。 それぞれに色々なものを抱える二人が、遠回りを重ねて結ばれる涙腺決壊間違いなしの切ないストーリー……だけでも十分に素敵なのですけれど、人生の…
凪良ゆう 穂波ゆきね
「恋愛前夜」でちょっとアレな憎まれ役だった少女マンガ家のヤコ先生(本名・貞行)が主人公のスピンオフ作品。切なさ満載の本編とは違い、コミカルなタッチで描写されているのに、世界観・キャラ造形に齟齬がないのがさすがだと思いました。 あちらでも、お邪魔虫の憎まれ役でありつつもイヤなだけの人ではないぞ……という感じの片鱗を見せておりましたが(恋のライバルなんだよな…と認識しつつナツメの面倒を見てしまう…
読んでみてコミックなのでちょっと驚いた「恋愛前夜」の番外編……というかその数年後。 本編の方を電子書籍で読んでいると、イラストは表紙だけですので登場人物のビジュアルは脳内イメージがメインになるのですが、コミックの方の絵もイメージが大きく外れることはなくしっくり来るものでした。 二人が適切な距離感でうまくいっている様子がうかがえるほっとするショートエピソードでした。キリキリとつらい思いをして…
ふわりとした穏やかなトーンなのに、実際に描かれていることはかなりディープ。 大きな事件や事故とか血塗れになるような派手な展開があるわけじゃないのに、ドキドキしてツラくてしょうがない。 ……そんな感じの作品でした。 登場人物たちには、それぞれ優れたところも欠けたところもあって、みんなやるせない思いや自分自身でも制御できないカラダを持っている。……要するにすごく人間らしい。 凪良さんは…
てるてるせぶん
ネタバレ
『恋愛前夜』『おやすみなさい、また明日』にも登場していたヤコ先生が主人公ですが、こちらは打って変わってコメディ色の強い作品でした。 おネエだけど男気のあるヤコ先生が攻め、強面だけど実は少女漫画好きなオトメン編集者が受け。そこにギャップ萌えできるかどうかがこの作品を楽しめるかどうかの鍵になるかと思います。残念ながら、私はどちらのキャラにも萌えませんでした。 お話としては、終始笑えて、…
凪良ゆう 藤たまき
雀影
なんとも可愛らしい、桃ファンタジー。 表題作は、天の桃が地に落ちてきて人間と恋に落ちるおとぎ話を、天寿を目前にした男が自分の後を託すと決めたこどもに語り聞かせるスタイルだったので、「お伽話のあとで」で二人のその後が語られても、その先の話はもっと人間界寄りで展開するのかと思ったら、後半の「虎と桃」からは舞台はガッツリ天界へと移り、天に住まう白虎の神様と天の桃のお話が展開。 ちゃんとサブタイトル見…
凪良ゆう 笠井あゆみ
ダークミステリーというジャンルになるのでしょうか。 凪良先生の作品の中で、泣ける話や好きな登場人物達はもっと他にいるのですが、作家としての先生の筆力を一番如実に表しているといるのは、この作品だと思います。 前世の記憶に足元を掬われ、絡み取られるように、ずぶずぶと光のない深遠へと引きずり込まれていく気分です。痛くて、苦しくて。それでも、彼らの最期を見届けることが、この本を手に取った自…