凪良ゆうさんのレビュー一覧

初恋の嵐 小説

凪良ゆう  木下けい子 

入江め~~~!

 初恋は実らないと言いますが。男同士の初恋がこんなにも厄介とは…。

 17歳で出会ってから4年。悪徳弁護士への道を邁進していた超鈍感男な攻めの入江が、ダメ父の死をきっかけにようやく受けの蜂谷への気持ちを自覚し、アクシデント的に初めて二人が結ばれるのですが…、なんと!そこですんなりとはくっつかないのですね。仕方のないこととは言え、これまでの4年間、勉強とバイトを優先させて恋愛をおざなりにしてき…

4

2119 9 29 小説

凪良ゆう  草間さかえ 

タイトルの意味を知ったとき涙が止まらなかった。

「ショートケーキの苺にはさわらないで」のスピンオフ作品。
先に前作を読んでからの方が感動が増しますのでおススメ。

今回のドールである高嶺は、前作のシンちゃんと対照的なツンデレさんで、なぜ反抗的な性格になってしまったのかという背景を知るとせつなく、物語の最高のスパイスとなっています。
そんな斜に構えているドールちゃんが、優しい阿部ちんと出会って少しずつ心を開いていく過程が丁寧に描かれていま…

18

まばたきを三回 小説

凪良ゆう  円陣闇丸 

切ない系ファンタジー。

何度かのどんでん返しがある切ないけど、救いがないわけではないラブストーリー。少々お泪ちょうだいトーンが強い気はするのですが、さすがの筆致で読ませてしまう凪良さんマジックでした。

初読みの際、粗筋などを全く見ずに読み始めたので楽しく(と言うと語弊がありますが……)読み進めることが出来ました。

正直「あざといぞ!」と言ってしまいたくなるような箇所も多々ありました。しかし鼻に付く程にはならな…

1

散る散る、満ちる 小説

凪良ゆう  海老原由里 

たまに読み返したくなる感じ。

確かに王道。完成されたBLというフォーマットに則った上で、凪良さんらしい一工夫や繊細な描写が胸に迫る素敵な作品ですね。

寂しさを内に秘めてサバサバと大人らしく振舞うことに慣れた20代後半のサラリーマン・如月と想い人である部下・里見、そして幼馴染を取りまく物語です。
色恋沙汰には慣れているそぶりで露悪的にふるまう癖に隠れて泣く主人公とか、酒の勢いでうっかり身体を繋げてしまうけどセフレのように…

2

初恋の嵐 小説

凪良ゆう  木下けい子 

じれじれの初恋。

明るい方の凪良作品。安定のクオリティですね。
脇も含め魅力的なキャラを設定し、生き生きと動かせたという感じかな?

マンガちっくなほどデフォルメされた人物造形なのだけど、ただのギャグにするのではなく「切なさ」をうまいこと潜ませる具合がさすがです。

今回は二人が「恋」を自覚するまでも長いのですが、その後「両片想い」状態になってからも、それぞれが「恋を告げたら、友情すら失ってしまうから言…

1

愛しのいばら姫 小説

凪良ゆう  湖水きよ 

あったらいいな、の物語。

「365+1」のスピンオフ。あちらは「うん、わかるわかる」と思うところが多いタイプの作品ですが、こちらは、華やかなフィクションらしさ満載の作品。同じ世界できちんと繋がってはいるのだけど、全体の印象はだいぶ違います。

しかし、「フィクションらしい」とは言っても、荒唐無稽であり得ないほど突飛なストーリー展開というわけではありません。地に足はついていて、心理描写が丁寧。才能に恵まれた選ばれた人の物…

3

365+1 小説

凪良ゆう  湖水きよ 

どっちの気持ちも覚えがあるよ。

またも凪良先生にやられたなー…!という感じ。自分にとってはもうすっかり忘れかけていたような、もしくは慣れきって麻痺してしまっているような焦燥感を思い出しました。

都会で自分の限界を感じ、でも虚勢を張ってしまう気持ち、そして如何ともしがたい理由はあったとは言え地元で燻りつつも、諦めることに慣れてしまうような気持ち。どちらも分かりすぎる。

自分が登場人物たちと同じ年代でこれを読んだとしたら…

2

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

崩れても積み上げて。

正反対なんだけど、だからこそ共通する部分もあり、惹かれあってしまう…そんな二人が出会って、もつれたりほぐれたりしながら、「恋」を積み上げていく物語。

それぞれの心情描写の繊細さを堪能する作品です。ストーリーそのものを言えば、そもそも「男相手の恋愛詐欺師」なんてショーバイが割に合うとはあまり思えないし、フィクションだからね、という部分は多々あります。
しかし、欠けた部分のある者同士が出会い、…

1

薔薇色じゃない 小説

凪良ゆう  奈良千春 

さじ加減が絶妙

色々と身につまされるラブストーリー。
若い頃に出会った二人がつきあい、一度別れて、また出会い…というのが粗筋です。

それにしても、この作品での一度別れる場面への流れって多くの夫婦の間でもありがちないさかいすぎて本当に胸がギューッとなります。よくある明るいBLではうまくスルーされている「結婚生活に類する生活になった時の生活スタイルや家事負担に関するあれこれのズレ」、ありがちだけど永遠のテーマ…

5

天水桃綺譚 小説

凪良ゆう  藤たまき 

桃みたいにふんわり甘い。

デビュー前の投稿作であるお伽話めいたお話を改稿したという物語と、今回書き下ろしの関連するエピソードをまとめた一冊。

ストレートでかわいいファンタジーです。前半の天から落ちて来た桃の精・モモと人間の青年のピュアな恋物語の王道な展開は心が洗われるようなかわいさだし、後半のみそっかすのコモモと神・白虎様とのなかなか交わらない物語も切なくもキュンとしました。

確かに今の凪良さんだったら選ばない…

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