奈良千春さんのレビュー一覧

黒帝は穢れた魔物に愛される 小説

沙野風結子  奈良千春 

孤独な魂が幸せを手に入れるストーリー

『帝は獣王に降嫁する』→『神子は奴隷王に繋がれる』に続くワダツミ三部作の三巻目にして完結編。『帝は~』は長男・シキのお話、『神子は~』は末っ子ナギ、そして三巻目に当たる今作品は次男・キリイのお話。

一応、今作品でも読める造りにはなっているのですが(作中、前作のざっくりとした説明はあります)、このシリーズはぜひとも『帝は~』から読んでほしい!前2作で撒かれた伏線が、これでもかと生きています。

6

黒帝は穢れた魔物に愛される 小説

沙野風結子  奈良千春 

運命の歯車が廻って

ワダツミ皇国三部作の完結編です。
1作目、2作目で兄(シキ)と弟(ナギ)を謀で窮地に追い詰めたワダツミの現帝、キリィが主人公。
この人、前のお話では悪い人なんですけれど、どうも只の『悪い奴』と言って良いのか悩んでしまうほど謎が多い人でした。だから私はこの完結編をとても楽しみにしていたんです。

なーるほど、そういう事だったのね。
ここは重大なネタバレになっちゃうので書きませんが、前作でキ…

10

梟はなぜ烏を黒く染めたのか 小説

中原一也  奈良千春 

鳥界のスーパー攻め降臨!

ザ・エンターテイメントですね!
しかも鳥の世界で政治家と秘書!

政治家のお話は政党や政策、難しい言葉や登場人物が必然的に多くなりちょっと敷居が高いのですが、今作はそこまで難しくなく楽しく読めました。

鳥の設定にどこまで理解と共感ができるかも大事かも。

中原作品にまたまたスーパー攻めが新たに登場しましたね。大人で男振りが良くて逞しく政治家としても一級で、しかも子供の頃からの執着攻…

2

君だけが僕の奇跡 小説

千地イチ  奈良千春 

世界が一変する奇跡

カラフルな表紙が目を惹きます。
沢山のお花や星が散りばめられていて鮮やか。
読後にこの表紙をジックリ見返すと涙腺が緩みます(;///;)

表紙の鮮やかさに反して、ストーリーは色のないモノクロの世界。
けれど時折極彩色がブワッと舞うのです。文字の中に。
その瞬間に色のある世界に生きていられる幸せを噛みしめました。

歌手と絵描き。
色を持たない者と持つ者。
弱さを抱え息を潜めて…

2

誘惑 小説

藤代葎  奈良千春 

傲慢攻めが好みだったら…

藤代さんの作品を初めて読ませていただきましたら
こちらがデビュー作だなんて素晴らしい!
奈良さんのイラスト効果もあってとてもセクシーでしたし
「あれ??あの人あんな事言っていたのに??」という伏線も
事件があっさり解決したように見せかけての展開でしっかり回収され楽しめました。

警備会社に勤める、主人公の咲坂が麗しいお顔で
危険にも立ち向かえる腕の良い警備員というギャップが非常に好ま…

2

ディープフェイス ~閉じ込められた素顔(下)~ 小説

秀香穂里  奈良千春 

そんなぁ……

下巻冒頭からいくら夢だと思い込んでいたとは言え
あまりにもえっちにメロメロになってない…??
あの気の強い貴志が快楽には弱いという面ではギャップですけど
事件追ってる身でそんなに感じちゃって大丈夫?と思ってしまいました。
ピンチに助けられて気持ちよくされたら情も移るのかもしれないし
リョウがただの鬼畜ではないのもわかりましたが
なんたって上巻の暴力がアレだったもので
そこまで愛せるも…

2

ダークフェイス ~閉じ込められた素顔(上)~ 小説

秀香穂里  奈良千春 

レーベル色が濃い感じかも

ヘビーなお話なんだろうなとつい積んだままになっておりましたが
ようやく読ませていただきました。
ある事件に突進していく記者・貴志が危なっかしくてハラハラしましたね…。
そういう気質でなければ深くまで事件を追えないのでしょうけども
命を落とすことになると脅されているのに
首突っ込む無謀さになんとも複雑な気持ちになってしまいました。
主人公だから簡単に死ぬわけはないだろうし
こういう貴志…

1

夜空に煌めく星の下 小説

松田美優  奈良千春 

辛い恋

私が松田美優さんの本を始めて読んだのは、松田さんが原作をした『かなしいどうぶつ』の連載終了後。
松田さんの作品って、原作も含めて全部で6冊だけなんですよね。
この作品も既に10年前のもの。なので、背中に風神雷神の彫り物を背負っている前科持ちの秋成も、慰謝料をふんだくるためガン付けられてわざと殴られるやんちゃな高校生の智鶴も、微妙に古い。
でもねぇ……何故か惹かれるんですよ、松田さんの小説に。…

3

愛炎の檻 小説

バーバラ片桐  奈良千春 

表紙のイメージとちょっと違ったかな

表紙のイメージよりはマイルドでした。
バーバラさん×ラヴァーズ文庫の組み合わせなのでゴリゴリの快楽責め苦で攻めてくるのかとばかり…w

というのも、嗜虐的な趣味は一切ないけれど、誤解と食い違いから関係が捻れてしまい調教チックに発展するだけで、そこに至るまでの経緯にはそこはかとなく流れる甘さがあるのですね。特に攻めは表紙のような冷たい人ではなかったので不器用な可愛さを感じる部分も。

10…

2

華麗なる紳士のウェディング 小説

ふゆの仁子  奈良千春 

愛情と、畏怖と、憧憬

シリーズもののスピンオフで関連作品が沢山ありますが、
未読のまま予備知識なく単体で読んでも大丈夫だと思います。
より話しの流れをスムーズにするなら「密約はスーツを脱いで」をチョイスして下さい♪

攻めも受けも学生時代は天使と呼ばれた美しい男たち
パブリックスクールからの関係
表紙のような美しい挿絵 etc.が楽しめます。
特に奈良さんの線の細い繊細な挿絵は素晴らしかったです(;///…

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