奈良千春さんのレビュー一覧

愛していいとは云ってない 小説

中原一也  奈良千春 

あいつはただの金蔓だ…克幸x湯月編、第2作

冷酷ヤクザx美形バーテンダーのシリーズ2作目。
前作「愛しているはずがない」の後、一度は裏切ったが克幸の元に戻った湯月の日常から始まります。
戻った、とは言っても、克幸への愛だの恋だのが芽生えたわけではなく、あの傲慢な帝王の這いつくばる姿が見たい、という気持ちが湯月を支えているわけだけれど、そんな思考とは裏腹に躰の方は克幸の嬲り方に馴染み悦ぶ。
再び克幸への反感が膨らんだ頃、10代の頃に共に…

1

騎士の祈り 小説

夜光花  奈良千春 

堂々の完結編

『少年は神』シリーズのスピンオフ、『騎士』シリーズ3作目にして完結編。『少年は神』シリーズで、健気な当て馬さんとして登場したランスロットを攻めにした作品です。

序盤に今までのあらすじが書かれているので前作未読でも理解できないことはない…、と思いますが、でもできれば読んでいた方が分かりやすく、何より面白いです。もっと言うと『少年は神』シリーズも読んでから読んだ方が、ずっと面白く読めます。

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白銀のオオカミと森のお医者さん 小説

中原一也  奈良千春 

オヤジー! 格好よすぎるだろーーー!!

人間社会に疲れた青年が始めたのは、様々な獣人達が暮らす森での「動物のお医者さん」でした。

と、メルヘンチックなストーリーになります。
いや、ストーリー自体はおとぎ話を思わせる可愛さなのに、ここに中原流捻りが大量にきかせてありまして!
もう爆笑ものなんですよ。
いちいちこれでもかと細かいネタがブッ込まれていて、もう完全に笑わせに来てるでしょー!!と。

あと、終始コミカルだったり痛快…

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愛しているはずがない 小説

中原一也  奈良千春 

克幸x湯月編開幕!スピンオフ第1作

この作品は、ドヤ街でのワイルドオヤジと意地っ張り医師の物語「愛してる」シリーズのスピンオフです。
主人公CPは、冷酷なヤクザ幹部・斑目克幸(ドヤ街の斑目の異母弟)と、克幸の愛人でバーテンダーの湯月。
こちらは、スピン元の人情味とコミカルテイストな世界観とはガラリと変わって、ヤクザBLの王道、傲慢な帝王のような攻めと、過去を持つ美しい受けの紆余曲折がダークに、ハードボイルドに描かれています。

0

騎士の涙 小説

夜光花  奈良千春 

私も妖精王に好かれるランスロットが好き!

王都に戻った樹里の決意とランスロットの誓いのシーンがものすっっっごく良かった。

王都に戻った樹里。
久しぶりにアーサーの寝室に入ると自然と涙が溢れて来ます。
これまでアーサーの死に実感が湧かず泣くに泣けなかったのですね…ひとしきり泣くとふと、アーサーなら樹里に何をして欲しいかに思い至ります。

子供の事、王国の事、逃げることばかりに囚われていたけど、王妃として国を守るのが使命かもしれ…

5

騎士の誓い 小説

夜光花  奈良千春 

一人の男>騎士なランスロット

冒頭のランスロット視点。
樹里やアーサーの事を率直に語るのでなんだか秘密の日記を覗いているような気分になります。
というのも私のランスロット像はまさしく聖人の様な人物!だったから。
そんなランスロットの樹里への想いが案外ドロッとした物をはらんでいて、まあそうだよなーと思うと同時に知りたくなかったって気分にも少しだけなります。

そうなのです、ランスロット編のランスロットは騎士として、より…

1

愛とは与えるものだから 小説

中原一也  奈良千春 

出会えて、よかった…シリーズ第6作、斑目x坂下編完結!

ドヤ街で、日雇い労働者と医師が恋をする。いよいよ完結です。
内容は前作「愛に終わりはないけれど」の続きで、貧困ビジネス叩きから生活保護そのものを叩く風潮、そして坂下が生活保護を斡旋している悪徳医師だと誹謗中傷されて、診療所の存続の危機、という展開に。
診療所がそんな状態で、斑目は離島に行ってしまうのか。
行かないで、いつまでも側にいて。
言葉にするとなんとも弱々しく、ただ斑目に寄りかかって…

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白銀のオオカミと森のお医者さん 小説

中原一也  奈良千春 

モフモフあり、笑いあり、でもそれだけじゃない

作家買い。

ここ最近、中原作品はどれを読んでもハズレがなくて萌えと爆笑に包まれつつ読破していますが、今作品も面白かった!

中原さんと言えば、「オヤジ」をイメージしますが、この作品もそのイメージを覆すことのない男の色香ダダ洩れの「オヤジ」が登場します。が、この「オヤジ」がただのおっさんに非ず。

狼です。
モフモフです。
組長です。

カッコいいのに、クソ可愛い。
これが両…

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白銀のオオカミと森のお医者さん 小説

中原一也  奈良千春 

この世界観『天国』としか言いようがない

『梟は烏を~』は『鳥政界』のお話でした。
今作は『動物任侠界』ですよ!
中原さん、お得意の世界をとことん詰め込んだ感じの1冊です。
モフモフと漢、自然の摂理と人情が満載されています。
つまり、癒されて惚れ惚れとし、人間社会への批評精神を感じ取った後にジンと来るという大盤振る舞いなのです。
これだけてんこ盛りなのに詰め込んでいる感じが一切せず、エンタテインメントとして笑わせながらさらりと読…

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愛に終わりはないけれど 小説

中原一也  奈良千春 

先生のアソコ、見せてくれよ…シリーズ第5作

元天才外科医→今ドヤ街の日雇い労働者と、日々奮闘する貧乏医師の育む愛、「愛してる」シリーズ第5作。
1作目は斬新な設定と攻めの斑目のワイルドセクシーな魅力、ヤクザも出てきて〜という展開だったけど、巻を重ねるごとに「ドヤ街」という場の設定を生かしての社会問題のようなものも問うような物語になってきた!
さて、5作目。今回は「貧困ビジネス」がテーマ。
個人がもらうべき生活保護費、それをホームレス達…

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