朝南かつみさんのレビュー一覧

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

落ち着いたハピエン

凪良はコミカル系から入ったので、シリアスは初読。もともとヒューマンな感動物語は苦手なのです。
が、やはり文章力でしょうか、ぐいぐいと読ませますね。サスペンスの趣もあり、ストーリー展開が気になって一気読みでした。

雑誌掲載の中編に続編をつけたような構成。1つ目はハピエンで、これで物語としてはいったん終わったように思います。

恵まれない境遇で詐欺師となった受けを、純朴でまじめな医者が癒や…

2

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

どんぴしゃりな題名ですね

この作品とイラストがほんとぴったりでした。
じわりじわりと積み重なっていく感じが伝わってきて、
とても素敵です。また再読決定です。

1

闇の底で千の祈りを捧げ 小説

バーバラ片桐  朝南かつみ 

吸血鬼の領主と訳あり祓魔師の耽美な世界

吸血鬼、触手というキーワードに惹かれない私には積極的に読みたいジャンルだとは思いませんでしたが、朝南さんの描く美麗な領主とクールビューティな神父様を拝見したくて思い切って手に取りました。

過去の出来事で出世の道を断たれた司教(現在は祓魔師)が悪魔払いのためにやってきたトランシルバニア地方で出会った美貌の領主フィレンツ。

神を信じ日々精進していたのに信じられない目にあって司祭としての身分…

1

俺と奴の対峙する関係 小説

義月粧子  朝南かつみ 

大人の恋愛ドラマ

これぞ自立した大人の男性同士の恋愛ドラマだと思います。いや~面白かったです。朝南かつみさんのイラストがまた素敵でうっとりしました。特にエロティックな描写が強調された物語ではないのに、男の色気たっぷりでドキドキしながら読みました。

攻も受も仕事にプライドを持ち、お互いに弱さや隙を見せるまいとする矜持があり、同情ではなく尊敬の気持ちを持って相手に接しているのがとても良かったです。志岐はツンデレな…

4

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

まず表紙が美しい

凪良ゆうさんの作品には毎回泣かされています。また、タイトルも秀逸で読んだ後に“あぁ、これはそういう意味なんだ”と納得させられます。
ただ重ねただけの積木は、ほんの少しの衝撃で崩れてしまう。幸せをひとつひとつ積み上げていっても明日になれば、崩れてしまうかもしれない。そんな不安を抱えながら、これから先も透は生きていくのかなぁ。
透が出所した後に勤めてた定食屋の夫婦、いずれは透のことを受け入れてくれ…

2

忘れないでいてくれ 小説

夜光花  朝南かつみ 

人の記憶とは

他人の記憶を視れる能力を持つ守屋と、彼に惹かれた刑事の秦野が主人公のお話です。
先生お得意のサスペンス作品で、話の展開もさることながらそれぞれのキャラクターの人物描写も上手でした。

例えば、守屋と秦野はどちらも犯罪を嫌っていても、守屋は「犯罪者は私刑でもいいから懲らしめるべき」、秦野は「犯罪者は法によりきちんとした刑を課すべき」と相反するスタンスなんですが、これがある意味最後までぶれないん…

2

ワイルド&セクシー 小説

高岡ミズミ  朝南かつみ 

人間味あふれる攻め

非常に面白かった。淡々と、変にひねらない文章が心地よい。

組織の人間で謎だが”ワイルド&セクシー”な男と、恋愛に臆病になってはいるが不幸な境遇にもめげず自分の店を大切に仕事に打ち込む美麗な一宮。
お互いが、自分の仕事に対して真摯に向き合っているのがよい。その上で事件と2人の仲が密接に絡むという、私的にものすごく好みな展開で、しかもストーリーに無駄・無理がなく、満足した1冊でした。

最…

5

神に弄ばれた恋 ~Andalucia~ 小説

華藤えれな  朝南かつみ 

生と死と情念の世界

華藤さんの闘牛シリーズ、記念すべき第1作目。
故・朝南かつみさんが挿絵を手掛けられた貴重な一冊でもあります(続刊の挿絵は葛西リカコさんが担当)。

「魔王」と呼ばれるヒターノ出身の闘牛士・サタナス(年上攻め)と、彼のパトロンで元貴族のアベル(受け)の主従・下克上モノ。

物語は、ある事件で刑務所に入っていたサタナスが出所したところから始まり、その後アベルとサタナスの子供時代へと遡ります。…

6

つる草の封淫 小説

沙野風結子  朝南かつみ 

めくるめくエロスの世界

もの凄く熱い感想書いたのに、全部消えてしまい心が折れたので色々省いてお送りします。

表紙買いです。
正直そんなに期待していなかったというか、タイトルからしてただのエロエロ中身無し系かなと思ってたんですが土下座して謝りたい気分でした。
エロじゃなくてエロスでした。
好き嫌いは激しく分かれると思いますが、私は大好きです。

江戸時代に忍者だとか特殊能力だとか、なんちゃって戦国風になんち…

5

忘れないでいてくれ 小説

夜光花  朝南かつみ 

塚本スピンオフ読みたい!

本作品と、スピンオフの『サクラ咲ク』あわせての感想です。
受けの清涼の分析系ツンデレキャラ、攻めの秦野の武闘派系直情型不器用キャラの両方ツボりました。
結構、好きな感じかも。
サイコメトラーというトンデモ設定も違和感なく、自然に溶け込んでて気になりませんでした。

脇キャラも、いい感じ。
サスペンス要素は、今回、それほどでもないかな。
もちろん、ちゃんと、最後まで引っ張ってくれます…

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