軍服の劣情に堕ちて

軍服の劣情に堕ちて
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×23
  • 萌10
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
6
得点
72
評価数
19
平均
3.8 / 5
神率
31.6%
著者
バーバラ片桐 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
朝南かつみ 
媒体
小説
出版社
ワンツーマガジン社
レーベル
アルルノベルス
発売日
価格
¥857(税抜)  
ISBN
9784862960054

あらすじ

華族出身で陸軍きっての美貌の持ち主・花房俊香大尉はスパイ容疑で囚われの身となる。『青い薔薇』というコードネームが花房だと上官の栗原中佐が証言。独房で部下から淫らな拷問を受け、そこにかつての忠実な部下・インテリでどこか影のある牧野中尉がやってくる。
花房は助けがきたと喜ぶが、牧野は口を割らせにきたと手錠で拘束し、花房の身体に淫らな拷問を与え凌辱する。花房は屈辱と快感の渦に巻き込まれそうになっていくが…!?

表題作軍服の劣情に堕ちて

副官
陸軍の大尉

レビュー投稿数6

限界を超えて頑張る力を勇気というんだ

泣けました(:_;)
こんなに切ない展開に持っていかれるとは思ってもみませんでした。

スパイ容疑をかけられた花房(受)にかつての優秀な部下である牧野(攻)が拷問役としてやってくる。
口を割らせるために花房を凌辱する牧野ですが自白してしまう直前でそれを遮り、自分の性奴隷になれば助けてやると持ち掛けます。
その後、牧野に抱かれながら花房は牧野の時折みせる意思のこもった眼差しや本人から語ろうとしない過去に疑念を抱きつつ軍での生活を送っていきます。
拷問・凌辱をうけた花房の気持ちが動いて自覚するのは話の終盤頃です。

その終盤に牧野の正体が明らかになるんですが、花房への想いを募らせつつも伝えられない牧野の心情が辛くて、本当に切ない‥。
始まりは酷くても牧野の愛は純粋でした。
ラストはハッピーエンドですがたどり着くまで胸が苦しかったです。
苦しかった分ラストで結ばれた二人の話をもう少し読みたいなぁと思ってしまいました(´`)
想像して浸りたいと思います。笑

そしてなんといっても朝南かつみさんのイラストが!
ストイックな軍服姿が逆にエロくて素敵です。
すごく好きな作品になりました!

4

軍服の麗人は身も心もうるわし。

軍服ものといえば、拷問かな~ということで、冒頭の快楽攻め拷問は長かった・・・実に25ページ。
更にエロシーンだけでこの本の半分以上を費やしているという。
しかし、それだけで終わらずに、内容もしっかりしていたのがすごいです。

華族の出の花房大尉は、濡れ衣のスパイ容疑で投獄されるのですが、そこへ尋問官としてやってきたのが、かつての副官で、信頼をおいていて、その才能を買っていた牧野。
快楽攻めで、吐かせようとするものの、花房はその凛とした心は失わず、また牧野もそっと優しさを見せる様子も。
そして、自分の妾になるという条件で花房の放免に奔走し、同じ近衛隊所属になります。
またもや上官と副官という関係に、官舎まで同じというから、エッチし放題で・・・だからエロシーンが長くなっていまうのね。
花房はとても家柄がよく美形でなので、逆に恨まれたりとか好色な目で見られたりすることが多いのですが、だからこそ強く自分を持っているのですね。
牧野が、彼にに目を掛けている上司の娘との縁談もあるという噂。
そしてノモンハンなどの中国侵攻が始まった軍の動向に関してのスパイ潜入の噂。
牧野が気になりだした花房は、、、
牧野は自分のことは一切語らずに、花房の話ばかりを聞きたがり、過去の花房の厳しさを誉めたりと、自然に牧野の気持ちが読者にもわかるように挿入されているのがわざとらしくなくてよかったです。
また牧野がスパイの実行犯で捕えられ、最後の別れをするシーンは本当にラブロマンスの王道な切ないシーンになっています。

ただの凌辱・強姦でいつの間にか好き、という流され形式でなくて、それぞれが、それぞれを想いを抱えて近づいていく心の機微がきちんと織り込まれており、また花房も牧野も、自分をしっかり持った確立された人間であったことが、この物語をしっかりしたものにしているようです。
ラストの再会がよかったですよ!

太平洋戦争突入前夜なんて、物騒で色気のない時代物を、直接戦闘に関係ない"近衛"といううまい逃げ口で設定したバーバラさん、苦労したでしょう。
やっぱり、朝南かつみさんの色気絵が萌えを倍増させます!

8

言えない気持ちがもどかしい。

軍人にスパイ容疑者といえば凌辱的拷問から芽生える愛ってのがBL的にはオーソドックスかと思いますが、この作品はそれだけじゃなかった。

元副官・牧野×スパイ容疑の大尉・花房俊香(29)

花房はスパイ容疑で捕まり毎日暴力的な拷問を受けていた。
自白すれば楽になることはわかっていたが、自分がやってもいない容疑を認められるはずもなく、どうにか誰か頼れそうな人物はいないかと考えていた。
そこへ以前自分の副官として働いていた牧野が訪れる。
助けに来てくれたのかと思った牧野はそうではなく新しく拷問係としてやってきたのだった。
牧野はそれまでの暴力行為ではなく凌辱的な拷問を花房に行う。
そして、ある日、自分の言いなりになるなら助けてやると言いだして…。

元上官が部下に屈辱的な行為を強いられるというわけですが。
軍人なので、というわけでもないでしょうが、やはりそういう行為は同意でもないと屈辱の方が激しいわけで。
感じても耐えて耐えて耐えて。
その耐える姿がステキですよね☆

花房はその行為に耐えかねて自白(当然嘘だけど)しようかとも思うんだけど、それはすんでのところで牧野に唇を奪われる形で止められたり。
牧野の気持ちが見えないから余計にそれは恐怖にもなって。
それほどまでに自分は憎まれていたのかと考えてみたり。
そして、こんなことをする牧野を憎んでみたり。
でも、時々、不意にそれだけではないような感じも感じられて。
それが花房を不安定にさせる。

花房はなかなか自分の本当の気持ちにも辿りつけなくて。
本当の最後の最後でようやく「失いたくない」と自分の気持ちに向き合えるんだけども。
それは、もう本当に牧野とのギリギリのところで。
花房はかなり鈍感な部分があるんだけども、それまで幾度となく抱き合うことで言葉にはしてなかった牧野の想いもちゃんと汲むことができてよかったなぁと。

牧野の正体についてはちょっとびっくりもしました。
途中でこういうことなんじゃない?と思ったりもしましたが、その上を行かれました。
うーん、なるほど。

逆転に次ぐ逆転で面白かったです。
あと、最初の凌辱が長かったよー(まあ、いろいろ織り込んではあるがざっと25ページ!)

7

拷問と純愛

故朝南かつみ様のイラスト推しと、軍服ものの名作ということでお勧めをいただきました。
バーバラ片桐さん作品は、初読みです。

冒頭から、高貴な美貌を持つ花房大尉が無実のスパイ疑惑で拷問を受けるシーン。
そして過去の忠実かつ一種特別な部下であった牧野が現れるが、牧野は花房を助けるどころか他の憲兵の見ている前で、性的に嬲る!
これが冒頭から50ページ以上延々続きます。
花房は性的には淡白というかどちらかというと嫌悪しているタイプで、生理的反応として躰では快感は感じるけれど、心はそんな状態の自分を絶対に許さず、屈服もしない……
牧野と、牧野の人形・性奴隷になる、という取引をし放免となってからも心では屈しない花房。
ほとんど終盤まで、全く恋情の伴わない躰だけの強要された関係としての牧野x花房が描かれています。ラブ要素はほとんど無く、ひたすら痛く苦しく悲しい。(…に反してエロは濃い)
ところが!そこから急転直下、物語が動くのですね…
ある疑惑が持ち上がり、今度は牧野がスパイ容疑をかけられる。その真相は?
私の感想は、「そうきたか!」でした。想像していた展開とは違っていて、それはどこか小気味良いほどの裏切られ方。
全てが明らかになった時の牧野と花房の吐息だけのキスは、間違いなくBL名場面でしょう。
最終エピソードは、賛否が分かれるかもしれません。私の感想は…読むたびに変わる、と言っておきましょう。
おすすめとおり、朝南かつみさんのイラストは大変美しく、素晴らしかったです。

4

軍服ものはこれ

こちらはネタバレしない方がよいと思いますのでがんばってみます。

結構前に読んだので細かいところは忘れてますが、今も印象深い作品。軍服ものはいくつか読みましたが、中でもこちらがピカイチでした。

美人受けの花房。スパイ容疑で囚われ、まさに絶体絶命。昔の厳しさを思えば、抜け穴などないように思えます。そこへ取り調べのためにやってきた、かつての部下、牧野。まっすぐな好青年のような雰囲気が文章から感じられるのに、花房を罪人と決めつけ淫らな折檻を繰り返す。

読んでいる方も、牧野が敵なのか味方なのか確信が持てない、巧いストーリー運びです。牧野の中に光明を見いだしたい花房と読者ですが、だんだんと希望が持てなくなり、つらい。。

しかし、意外なラストへ。

せつない気持ちのままカラダを開かれてしまう濃いエロの部分と、時代と設定故に自由にならない二人の関係を楽しむ、秀作だと思います。

2

受けの忍耐力に脱帽!最後に意外な展開が

ちるちるさんの記事を見て購入しました。
しょっぱなから受けがカナリ痛めつけられていて、イタタタでした。
みんなから羨望を浴びてる美貌で孤高の陸軍大尉って響きだけでも萌えますね。
対する攻めは冒頭からドS全開でなかなか鬼でした。
後々それは色々な理由があったからだと分かりますが、それにしてもそれ元々持ってた本性では?というほど鬼気迫るものがありました。
そして後半にかけてあっと驚く展開が。
確かに伏線は色々張り巡らされていたので薄々は感じてましたが、そーくるか!という展開。
元はと言えば受けがあんな酷い目にあったのも攻めのせい?!と思うと、冒頭自分のことを棚に上げてよくあんなこと言えたなとちょっと呆れました。
とはいえ別れのシーンはとても切なく、もしかして本当にこれで終わり?!とハラハラしました。
最後はアッサリでしたが、やっぱり戦争は嫌なものだと違う意味で思わされました。
人間の醜さ、ズル賢さや、逆に全く輝きを失わないものがあったりと、人間臭さを感じました。

2

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