竹美家ららさんのレビュー一覧

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

現実とファンタジー

同棲している恋人からセックスを拒まれて、不満があるのにどうしようもできないでいるセックスレスの男と、
好きな男と一緒に住んでいて「好き」という言葉は返してもらっているのに、自分を束縛するように側にいるのに片想い状態で抱いてもらえない男。
背景に、セックスレス、射精障害などの精神と肉体の問題を提示してやけにリアルを置いているのに、主人公達の結末はファンタジーだ。
この差がどうにも自分的にしっく…

20

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

緊張感溢れる傑作

WEB小説マガジン「FleurーBlueLine」から、文庫が創刊。
その第一弾二冊のうちの一冊。
WEB連載はずっと読んでいたので、ストーリーは知ってっていたが
書き下ろし&王道コンビの竹美家先生の挿絵も期待できるし、
何よりも紙で縦書きで読みたい!(昭和の子なのでw)と楽しみにしていた。


一顕(かずあき)は、雨の音がうるさいマンションで恋人と暮すサラリーマン。
恋人のかおり…

42

Tiny Boat 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

佐伯密という人物

一穂ミチさんの新聞社三部作が、とりわけ『off you go』が格別好きです。
それはひとえに佐伯密という人物が好きで堪らないため。
辛辣な言動の影に見える情の細かさや、危うさを孕んだ強さから目が離せない。
なので、こうして番外編シリーズが続いていることが本当に嬉しいです。


『ハイファイ・ローファイ』
新聞社見学に来た少年に、良時の面影を見る佐伯。
ボロカスにけなしつつも、懇切…

7

赤ずきんとオオカミの事情 小説

杉原理生  竹美家らら 

スピン元の事は

もうすっかり忘れてて、っていうか、おもちゃ屋の奥手な兄ちゃんと年下攻めの話ってくらいしか記憶になくて、スピン元の作品に出ている二人の存在は全く思い出せないまま読んだのですが、
それはそれで、よかったみたい。
素直な気持ちで、
「臆病で言葉が足りなかったばっかりに無駄にすれ違っちゃったけど、ちゃんと言葉にして口に出せば、大丈夫、うまくいくよ、だって、言葉は言霊だもの」
って、よかったねって、…

2

Tiny Boat 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

時の河を共に渡る……

夏コミ新刊、「off you go」「ステノグラフィカ」番外編。

表題作は、作者のブログにこの春アップされていたSSに加筆したもの。
他に二編、合わせて三編のSSが納められているのだが、
たった30ページの冊子とは思えない読みでがあるのは、
今までの作品を通して、彼らの存在が確かなものとして
読み手の心に息づいているからだろう。



『ハイファイ・ローファイ』
誰からも佐…

7

赤ずきんとオオカミの事情 小説

杉原理生  竹美家らら 

太一のキャラが・・

前作が好きだったので楽しみでした。
真紀の印象がかなり違うので前作既読だとちょっと戸惑うかもしれません。
でも、見た目と中身のギャップが可愛かったので途中から気にならなくなりました。
楽しめたのですが、ちょっと惜しかったなあと思うところがあったので以下よりネタバレです。




二人のすれ違いはやきもきするのですが、途中で攻めの太一の気持ちが予想できて、
着地点が見えてしまうの…

2

赤ずきんとオオカミの事情 小説

杉原理生  竹美家らら 

このもどかしさが堪らない

『羊とオオカミ』の続編スピンオフで前作の攻めの従兄弟と受けの弟が主役です。
受けになる真紀が赤ずきんで攻めの太一がオオカミという雰囲気の話ですが、
真紀は赤ずきんと言うよりビクビクウサギさんにも見えます。
真紀の従兄弟で太一の友人と言う亮介の一応紹介で付き合い始めた二人ですが、
ホンの数か月で真紀から付き合いを解消してからのお話です。

真紀ちゃんは見た目クール美形で大人っぽい雰囲気な…

3

アイランド 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

アラシの不思議な旅

浜辺で出会う若い男と島の娘、という
まるで映画の一シーンのような場面から幕が開く。

え?これは一体誰?……嵐……じゃないよね?と思いながら
ページをめくると改めてタイトル、そして話が始まる。

ある日嵐が家から持ってきた砂時計が一つ、前触れもなく壊れる。
落とした訳でもぶつけた訳でもなく、まるで勝手に破裂したかのように。
不思議なことだと、製作者の父親に訊ねてみようと思っていると…

4

赤ずきんとオオカミの事情 小説

杉原理生  竹美家らら 

美人だけど不器用な受けが愛しい!

とっても好みの作品でした。

表紙の雰囲気とあらすじに惹かれて購入したのですが大当たりでした〜!

元カレの太一に「友達として仲直りしよう」と言われ、承諾した真紀。年上の余裕を見せねばと、素直になれず意地を張っているが、恋愛経験のほとんどない真紀は太一の『友達』としての行動に戸惑うばかり。

最初の恋のトラウマからなかなか素直に自分を曝け出せない真紀と、素直に思ったことを口にする太一が…

4

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

初めて読んだBL小説

友人にお勧めされて読みました。
私はそれまでBLに触れる機会がなかったのですが、この作品を切っ掛けに変わりました。
失礼ですがBLといえばエロが中心で、内容なんてないんじゃないかという偏見を持っていました。
(ごめんなさい!過去の私を殴り飛ばしたいです。今はエロも大好きな立派な腐女子になりました)
『 雪よ林檎の香のごとく』は私の固定概念を見事に打ち壊してくれました。
優しくて綺麗な文章…

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