Sakura0904
これまでに輪をかけて韮沢が可愛く思えてきます。こんなに一途に、ただ1人を命を懸けて愛し、尽くせる人はなかなかいない。狂おしいほどの加賦への愛。ひとたび彼に捨てられるかもしれないと聞けば、立場を忘れて逆上し、無理矢理犯して手中に収めようとするほどの激情。でも、なんだかんだ一番たちが悪いのは、そんな韮沢の重たい愛をいつも振り切れず、最後には受け入れ彼を可愛いと思ってしまう加賦なのかもしれません。
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やはりヤクザものは抗争の渦中、銃をぶっ放してやり合うシーンに痺れますね。それぞれが己の守りたいもののためにぶつかり合う銃撃戦。それは利益だったり、矜持だったり、組や部下達だったり、親友だったり、愛している人だったり。一度寝返ったキャラが再び寝返ったりもして、二転三転する相関図が非常に読み応えありました。コウキと叔父貴が、ただ軽薄なだけではない人物だったのはすごく嬉しかったですね。やる時はやってく…
◆媚の椅子(表題作)
極道ものをそこそこ読んできた感覚からすると、若頭のような幹部に就いているキャラって最初から相当腹が据わっているキャラが多い気がするんです。余程のことがなければ、周りに対して一分の隙も見せないような。でも、加賦の場合はちょっと違う。もちろん幹部として上に立つ素質は十分備えていながらも、韮沢を前にした時彼は割と呆気なく感情を乱すんですよね。そこが面白いなぁと。こんなに厳つい顔…