草間さかえさんのレビュー一覧

どこにもない国 コミック

草間さかえ 

漫画から熱が伝わる

第二次世界大戦時の日本が舞台の表題作、戦争をBL漫画で扱うって相当難しいと思うのですが、描いた草間さかえ先生も編集の方もすごいと思う。
台詞で多くを表現せずに、漫画の流れや空気で読み手に訴えかけてくる作品です。直接的な性描写がなくても淫靡さを感じさせたり、人間性を感じ取らせたり。

草間先生はまた、そういう作品しか描かないのではなく、学生同士の恋愛やワンコ攻め漫画も描かれるのがより一層いいで…

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夢見る星座 コミック

草間さかえ 

漂う色気

草間さかえ先、絵のタッチが大好きで、ミステリーっぽい展開のストーリーも大好きな作家さんです。お話に謎が仕掛けてあることが多くて、読むたびに新しい発見がある。

バラエティに富んだ短編が5つ収録されています。短編集であっても草間先生の単行本は満足度がかなり高いです。落ちるところで綺麗に話が落ちる。もちろんもっと読みたいな〜とも思うのだけれど。
エッチシーンはあまりないですが、草間さかえ先生のス…

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真昼の恋 コミック

草間さかえ 

久々に読んだら更に好き

作家買いしている草間さかえ先生の作品の中でも特に好きな一冊です。
小説ショコラで4年掛けで掲載されていた作品が1冊になっています。付き合っている2人の短編が5話も見られるのとても嬉しい。
草間先生は短編の中の起承転結が鮮やかなんですよね〜

かつてはしっくり分からなかった正午(リーマン受け)の「誕生日って後で知ったら落ち込む」と岡崎(年下攻め)の「言わなくても泊まってくれたから10倍嬉しか…

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災厄のてびき [新装改訂版] コミック

草間さかえ 

ショタ受け注意

商業デビュー作ということで、絵が違うことにまず驚き。
草間先生と言えば大人同士の恋愛、年下わんこ攻めというイメージで、エロのイメージもショタもののイメージもなかったのですが。
表題作の受けは中学生。なのに、出会ってすぐにすることしちゃってて驚きました。こんな作品を描かれていたとは!
草間先生の作品でこんなに修正が必要なのって、あまりないのでは。

攻めはバツイチの売れない小説家。
個人…

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すみれびより 小説

月村奎  草間さかえ 

慈しみに溢れている作品

ボロボロ泣ける!みたいな派手な感情は引き起こさないんだけど、心のやわらかい部分にじわっと沁み入っていくような、そしてそれにつられて涙がじわじわ滲んで、しかもそれがなかなか引かないような感じ。

とにかく受けの芙蓉がいじらしくて、俯きぎみながらも健気に頑張っている姿には読んでてたまらない気持ちになるものがありました。
母親から育児放棄されて育ち、薄汚い風貌ゆえにクラスメイトからも疎まれて、「芙…

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どこにもない国 コミック

草間さかえ 

触れてもいないのに達してしまいます

【どこにもない国】
戦時中。どこかの国の森の奥深く。海軍の隊長と隊員の話です。

皆の前で自分を殴れ、と促す隊員の早川。建て前は小器用だと揶揄され舐められがちな隊長竹内の威厳を皆に示すため、ですが、本音は想いを寄せる隊長を近くに感じられる気がするから。

爆撃で耳が聴こえくなった竹内の身の回りの世話をする早川。好きな男の裸体を前に興奮を隠せないシーンの官能的な事!一糸纏わぬ背中に両手を這…

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魔性の男と言われています 小説

中原一也  草間さかえ 

魔性とたらしのダブル男前!

これは優しい中原さんv
面白かったです!

左官職人という設定も面白いですが、
それをここまで色っぽく昇華してしまう
中原さんの筆力が素晴らしい!

このお話はとにかく出てくるキャラクター達が皆愛おしいv
魔性と言われながらも、素直で努力家の名波に、
とにかく漢気溢れて懐の大きなたらしの比嘉。
そして老いも若きも比嘉に傾倒する名波の同僚の面々!

中原さんのお話には、
こ…

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魔性の男と言われています 小説

中原一也  草間さかえ 

男が惚れる男×魔性の男

「男を狂わせる魔性の血を引き継いでしまった青年」という設定が面白かったです。
地味な容姿なのに、なぜか男に恐ろしいほどモテてしまうという青年・名波(受け)が自分をめぐる出来事に絶望し、自殺を図ろうとしていたところ比嘉(攻め)に助けられます。

その魔性っぷりが半端ないです。
一目惚れ系ではなく、時間を過ごすうちにじわじわ作用して気づいたら相手が狂ってるという超厄介なタイプで、次第に周囲の男…

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未完成 小説

凪良ゆう  草間さかえ 

攻の成長がいい!

教え子と教師。
大好きだけど、バレるのではないかと読んでいてハラハラ。阿南(受)は、教師だからと一線引いているのに、瀬名(攻)はまだまだ子どもで、自分の感情で突っ走るタイプ。
もう、痛々しくて見ていられないくらいです。
でも、そんな瀬名が自分の未熟さに打ちのめされ別れを決めてからが、たくましい!かっこいい!
自分の土台を作って、誰からも咎められないようにし、阿南と幸せになろうとする瀬名。前…

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檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

ストレートなBLでないけれど、泣きに泣きました。。。

最後に収録された「なつやすみ」まで読んで、漸く不朽の名作と言われている事に納得しました。
それぐらい「なつやすみ」が素晴らしく、もともと創作物で涙するタイプの人間ですが、この作品には泣きに泣かされました。。。

表題作の「檻の外」も冒頭を読んでいた時には、予想もつかなかった終盤展開が待っていました。怒涛の展開でありますが、わざとらしくなく、淡々と話が進みます。話的には堂野家族の話が中心な…

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