水原とほるさんのレビュー一覧

夏陰 -cain- 小説

水原とほる  高緒拾 

"痛い"水原作品の原点

自分はよく水原さんの小説のレビューで「痛い」と騒いでいるが、その由縁となるのがこの一冊なのだ。
2003年刊、再読。
どうして当時新刊で平積みになっていたこの本を手に取ったか不思議だが、未だに手放さずにいるのもまた不思議なのだ。

何せ冒頭から初対面のヤクザ者にレイプされ、有無を言わさずに囲い込まれて同居を余儀なくされ、強引に周囲の者達にバシタ(ヤクザの奥さん)として認知されていく…
痛…

0

防人の男 小説

水原とほる  兼守美行 

自衛官×検事の重くて硬めのお話

美作は、捜査していた事件が大臣に罪が及ぶ可能性が見えた時権力に阻まれ捜査員は左遷され無罪判決が出た夜、自棄酒を飲んでそのお店で出会ったガタイのいい男 大守と一夜をともにすることに。
その後、自衛官の情報漏洩事件の調査で訪れた駐屯所で対応に出たのが大守陸准尉だったことから公私を分ける努力をすしつつも、あの夜の熱を思い出しては複雑な思いをしてしまうのでした。。

検事や警察官といった職業はお馴染…

0

名前も知らず恋に落ちた話 小説

水原とほる  yoco 

お仕事トラブル描写のほうが印象に残ってしまった……

「彼は優しい雨」が良かったので、積み本の中からこちらを選んでみましたが、あまりピンとこないまま終わってしまいました……

恋愛描写があっさりと淡々としていて、この二人はどうなるの?みたいなワクワク感も特になかったというか。
なにかが足りない感じというか。

最初の引っかかりは、ノンケの受けが早々に攻めとキャンプで触りっこをしたシーン。
いくら自然の中の開放感&酒の勢いとはいえ、早くない…

3

彼は優しい雨 小説

水原とほる  小山田あみ 

しっとりした大人ならではの恋

全編通してしっとりとした雰囲気が漂っていて、良かったです。
東欧文学をきっかけに知り合った二人が、少しずつ少しずつ距離を縮めていく様子が丁寧に描かれていました。

いいなと思ったのは、まったく知らなかったものに出会って興味を惹かれたことにより、自分の世界がさらに広がるといったものが描かれていたところ。

受けはデザイナーで、雨に降られて時間つぶしのために大学の東欧文学の講義に潜り込むんで…

3

見初められたはいいけれど 小説

水原とほる  ミドリノエバ 

小さな幸せに気付けるか

かなり久しぶりに触れた水原とほる先生作品でした。
水原先生といえば痛い系作品が多いというイメージがあったので、作風の変化にまず驚き。
ヒューマンドラマのようなラブストーリーでした。

海外大企業の御曹司・ジョッシュと、そのお目付役に選ばれた天涯孤独の会社員・澄人。
正反対の境遇で生きて来た2人がひょんな事から出会い、関わり合っていく内に徐々に心惹かれていく。

澄人のバックボーンが重…

5

見初められたはいいけれど 小説

水原とほる  ミドリノエバ 

苦労人の受けが初めて愛を知る話

水原さんと言えば前は受けが不憫で可哀想すぎてイタタタタ!なお話が多かったですが、最近は自立した大人のおしゃれなラブストーリーみたいなのが多いイメージです。今回もスタイリッシュなイラストなのでそっち系なのかと思っていました。

しかし意外と受けの過去が重かった所が昔の水原作品っぽかったです。その辺あまり生々しくはなかったですが。受けの澄人は幼少時に両親を失い、思春期・青年期に過酷な苦労をして大学…

4

見初められたはいいけれど 小説

水原とほる  ミドリノエバ 

先行き不安だけど

タイトル通りのお話しでした。

御曹司に見初められたはいいけれど、前途多難って感じです。

ジョシュは天才だけど実家を継ぐ気はゼロで、後継者にしたい父親と揉めています。最後もまだ和解しないまま日本に戻って来ていました。前妻との間に兄がいるのに、父親はその子には財産を渡したく無いって流石はアメリカの大富豪だと思いました。

そして桐島はジョシュに何らかの影響を与えたのではないかと、世話係…

3

見初められたはいいけれど 小説

水原とほる  ミドリノエバ 

”素直なひねくれ者”同士

2020年刊。
初期のヤクザもの痛い系インパクトの強さから、既に様々なトーンにシフトチェンジしている感のある水原さん作品。

攻めのジョシュアがセレブ両親の権威を笠に着ずとも、飛び級する程の秀才でふらりと世界各国の旅に出られる行動力の持ち主だというのに好感を覚える。
会社命令とはいえ、世話する相手、得意先オーナーのお坊ちゃんがいくら切れ者だろうが振り回されるのは御免だと思っていたお目付け役…

4

呪い宮の花嫁 小説

水原とほる  サマミヤアカザ 

タイトルに”花嫁”と付く謎

2015年刊。
残念ながら自分には、今回のタイトルに”花嫁”と付いているのにピンとこなかった。
先にネタばれを出すと、女系一族の四之宮家は婿を迎えて成り立っているし、馨も無事に家業を継いで切り盛りしていく訳だから家を出る訳でもない。
花嫁ものというよりも、馨の家系・四之宮家の中で男性がことごとく短命だという謎がメインだと思うのだが…

背景は格のある家名、何百年も昔の芸術品、蔵、呪いと横…

1

見初められたはいいけれど 小説

水原とほる  ミドリノエバ 

朝起きた時に隣にいるのは嬉しい

「名前も知らずに・・」が好きだったので購入。じわっと来たけど万人にクルか?というと?なので萌2より萌にしました。現代日本舞台で年下大型わんこ攻め、しっとりじわっとくるタイプのお話が好きな方には超絶おススメしたい。本編230P+あとがき。

10歳の時に両親に先立たれ、苦労して大学を卒業、一流企業に就職した澄人。ある朝部長から呼ばれて頼まれたのが、「超優良顧客企業の御曹司ジョッシュが日本の大学院…

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