水原とほるさんのレビュー一覧

氷面鏡 小説

水原とほる  真生るいす 

表紙を見ると複雑な気分に

電子新刊だが旧作?試し読み一行目からリバ要素を匂わせてくれる親切設計だった。
水原さんはたぶん初読みだが、文章がとても好み。リズムが心地よく、徹底した一視点で視点主以外の描写に適度な中立性が保たれている(たぶん)。感情移入して読むのが苦手なため、客観視しやすいこうした文章がすごく好き。

ストーリーは単純明快、双子の片割れが呪縛から逃れ恋を知る話。
登場時の見城は、自身を傷つけてまで郁を引…

1

面影 小説

水原とほる  タクミユウ 

母没後に実父を探す物語

母子家庭で育った主人公、瑞希。
親戚の付き合いもなく、母が独りで働いて育ててくれていたが、母が癌で死亡。
母の死で抜け殻のようになった瑞希、葬儀も大家の御婆さんが仕切ってやっと終える。
家賃を払う時、大事なものをいれる引き出しの中から古い母の日記を見つけて、実父と思しき男性の名前と写真を二つ見つける。
瑞希は、とりあえず、父を探す事を今後の生きがいにする。
名前と日記にあった場所を頼りに…

1

正体不明の紳士と歌姫 小説

水原とほる  yoco 

大人の真面目なラブストーリー

イラストはyocoさんの大人同士のおしゃれな恋物語。最近の水原作品の傾向です。受けは顔は良いけど性格や趣味が地味でイマイチ女性にモテない30代の平凡な会社員。攻めは受けより2歳年下の30代だけどクォーターで容姿端麗、何だかお金持ちそうな謎めいた人です。友人付き合いが深まっていくと共に自然に恋愛感情も生まれ…さほど大きな障害もなくカップル成立。

少し前に年下の御曹司の攻め×会社員受けの話も読ん…

2

小説の登場人物と恋は成立するか? 小説

水原とほる  サマミヤアカザ 

意外に受けの性格がつかみにくい

優秀な研究者でビジュアルも麗しく、ファッションや日常生活も丁寧系で
文才もあって、陶芸にも手を出しちゃう趣味人で、だけど友達少なめって、むしろ孤高じゃん?
単4電池とか陶芸展の件とか、全て鈍感で片付けるんじゃない、お前はもっと出来る子のはずだ、と思ってしまう。
性格はともかく表面上は出来る男のカズと、これまた嫌味なくらいの釣り書きができそうな攻め様で、むしろ萌えは生まれなかった。

そし…

1

夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

憎んでも反発しても。でも求めずにはいられない

傲慢な若きやり手の画商と、経済的に困っている画家志望の青年。
画商は、道端で絵を売る青年の美しい顔と磨けば光る才能を見出し、パトロンになる代わりに俺の愛人になれ、と。
も〜うベタすぎる設定ではある。
青年は嫌悪や恐怖や色んな事を考えるんだけれど、結局はどうしても絵を描きたい、と画商に抱かれるわけだ。
画商は少しサディスティックだけど、約束通りにカネも時間もくれる。
そのうち青年も画商の心…

3

見初められたはいいけれど 小説

水原とほる  ミドリノエバ 

結局セレブは羨ましい

愛を知らない頑なな男が、年下のセレブに愛されて、心の殻を破っていく…
…というようないい話だと思ったんだけど…

2人の恋がどうもピンとこなかった…
特にセレブのジョッシュがいつ/なんではねのける澄人に運命まで感じたのか?
澄人もあれほど反発してたのに寝たら急に?みたいな展開で。

主人公は桐島澄人。
子供の頃に両親が事故死し、その後理不尽で不公平な人生。ひとり努力と我慢と信念で今…

4

悪党 小説

水原とほる  水名瀬雅良 

悪の持つ温もりは…

あら、レビューが無い…

経営コンサルタント、その実態は闇の「かぶり屋」と、若き実業家だったが脱税で全てを失った男、のあれこれ。
かぶり屋っていうのが社会の実際の呼称なのかは知らないけれど、企業が脱税する時にダミーを使って、架空の取引をしていいところで全てをかぶって先に倒産し逃げる役割、のようです。
そんな「かぶり屋」稼業の大城に目をつけられたのが、自分の興した会社に査察が入り、全てを失っ…

2

小説の登場人物と恋は成立するか? 小説

水原とほる  サマミヤアカザ 

やっぱり上手いなぁ

水原先生のお話ってたまに性癖に突き刺さって来るんです。


今回のこの作品はですね、読みながらこの主人公の一彬って頭大丈夫?って思いながら読んでいました。
だって自分の創作した小説の登場人物が実在したとか思っちゃって。
まあアニメや漫画の好きなキャラクターに実在しているか如く恋している方もいるから否定はしませんけどね。
でも「ミヅチ」って自分が創り出したってのは確実なんですよ。なのに水…

4

愛ってどこにある? 小説

水原とほる  水名瀬雅良 

心の空虚が惹きあう

友人に恵まれ、仕事は順調、家族も健在、だけど恋愛だけ空虚…
そんなサラリーマン・貴生が主人公。
愛はどこにあるんだろう…
なんとも言えない淋しさを感じていたある日、美しい男と出会う。

貴生はノンケですから、はじめから恋愛どうのこうのでは進みません。
ただ、あのひとは男なのに、と思いながらも貴生の抱える淋しさを見抜いたバーテンダーの樹に対して、会うごとにどんどん感情が動き、高ぶり、コン…

3

小説の登場人物と恋は成立するか? 小説

水原とほる  サマミヤアカザ 

現実か?それとも?

「小説の登場人物と恋は成立するか?」というタイトル。
見ただけで気になる吸引力の高いタイトルに見事にするっと吸い込まれて購入。
読みながら、これはファンタジーなのか現代ものなのか?
なんて、日常との境目が分からなくなるような面白さと、ちょっとミステリーものっぽい要素もあったりして。
ストーリーが面白かったです。

水を操る特殊能力を持った主人公が奇々怪々な事件の数々を華麗に解決していく…

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