M+M
いろんな波乱を乗り越えたカップル達の、甘い後日談をこれでもかと読めるのは幸せですね。収録されているカップルのバランスは良いとはいえず、玄間×氷見が多め。この2人が人気のようなので、読者の声に応えた形の選択かと思います。私は守夜×隆成が特に好きなので、この2人の話ももう少し多かったらさらに満足度が高かっただろうなぁと思いました。玄間達に比べて、酒の匂いが濃くロマンチックさのないセックスが多いですね…
今に繋がるかつての言霊師や紙様達の関係性が紐解かれるのが興味深いのと同時に、10巻以上も続く長編でありながら、今までほとんど掴み所のなかった和記というキャラクターをこの最終巻でようやく理解できたことが嬉しかったです。真鉄と力一との間で複雑に揺らぐ彼の感情。一見、どこまでも力一の紙様として生きる真鉄を見て、力一に嫉妬しているように見えるけれど、実は彼は力一にも恋をしていた。2人に同時に置いていかれ…
三刀家がどんな風に今のような状態に落ち着いていったのか、その始まりの歴史を知ることができて、とても興味深かったです。力一の言霊や精神力の強さは、他に類を見ないほどだったんですね。和記が特に突っかかることもなく、彼のどんな言動も穏やかに受け入れていたのが印象的でした。力一の紙様となった、阿沙利、彰伊、そして真鉄。1人の紙様と関係性を築くだけでも大変なのに、3人もの紙様を持った時点で、力一の凄さが分…