はらだ先生のファンで、迷わず作家買いした者です。
あらすじを見た時点では「エロを全面に押し出した内容か…どんなエグい作品なんだ!?」と、恐れ慄きながら楽しみにしていました。
しかし!恐れることは何もありませんでした。
面白すぎます!!!
深夜ページをめくりながら、何度も大声で笑ってしまいました。終始アダルトな内容なのにエグいどころかむしろ爽やかな読後感は、さながら生搾りのオレンジジュース。濃厚さを失わずに喉をすっきりと駆け抜けていきます。
これほど官能から離れて官能の世界を描くことができるんだ、と感動しました!
見た目は薦めにくいのに、読むと誰かに薦めたくなる作品です。そして、自分はやはりはらだ先生が大好きだなあ、と実感する作品でもありました。
前作「MODS」も持っていたので、今回スピンオフが出るということで迷わず購入しました。
ヤクザモノの良さが濁らずに表れています!正直、MODSのラストは優しい世界になりすぎていて、おとぎ話のようだと感じてしまいました。しかし!今作ではいい意味で期待を裏切られました!!囚われたまま逃れられない、大人の世界。これぞ求めていたヤクザBLです。所々涙さえ滲みました。
「MODSを読んだことがあって、全体は好きだけど幸せなラストだけはファンタジーのように感じて納得いかなかった」という方がもしいらっしゃいましたら、購入をおすすめしたいと思います。また、MODSは知らないけれどヤクザBLが好きという方も楽しめると思います!
舞台は音楽業界!ウノハナさんの作品は読んだことがなかったのですが、バンドマンBLに目がないのでこの度購入いたしました。
初めから2人は付き合っている状態で物語はスタートします。しかし馴れ初めは見られないのかな?と思いきやそうではなく、途中から回想で描かれる2人の出会いがメインになってきます。
この作品で最もいいな、と思ったのは、麻生(攻)が椎名(受)に対して抱いている感情の複雑さです。それは確実に特別なもので、椎名が麻生のオンリーワンであることには変わりありません。しかし、純度100%の「好き」ではなく、椎名の才能への嫉妬、天才・椎名を独占していることへの優越感なども渦巻いています。音楽など才能が左右する舞台の一般作品ではよく見られる心情ですが、BLの世界では珍しく感じました。ここに、バンドマンBLならではの良さが表れています!
バンドマンや音楽の世界を味わいたい方におすすめしたい作品です。