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中立作品

マスターレビューアー 「BLアワード検定」合格証 ソムリエ合格

女性みざきさん

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余白を咀嚼して楽しめるかどうか

練も楓の物語もついに完結かあ…と、少々寂しい気持ちになりつつ読み終えたこちらの作品。
萌えたか萌えなかったかで言うと、萌え要素はちょっぴり薄かったです。
全3巻の中であれば、私は1巻が1番好みだったかも。
ただ、番としての…そして個人の成長物語だと思って読むとまた味わいが異なるかもしれません。

うーん、なんと言ったらいいのだろう。
あえて描かない余白の部分を読み手が想像をしながら楽しむ作品かなと思います。
分かりやすくこうだよ!と導きながら描いてくれているわけではないので、そこを自分でじっくりと咀嚼することを楽しめるか楽しめないかで読み心地が変わるかなと。
最終巻でこの2人の何が、どんな姿を見たいかによっても評価が分かれそう。

萌えどころとしては、糸という形で見える今まで知らなかったなにかと、初めての感情だらけの状況に戸惑う人間1年目の赤ちゃんのような練の姿がなんだかとっても微笑ましくて。
楓を意識するたびに、わたわたと忙しなくなる自分自身の思考と心臓に振り回される様は非常にかわいらしく感じました。
…と、少しずつ心が育つ攻めをゆっくりと追いかけられる作りと世界観は好みだったのですが、いかんせん2巻から続く電灯開発の話が長く、最終巻の内容としてはややインパクトに欠けるものだった気がします。
彼ら番ならではの、グッと萌えられる要素が詰まったお話が読みたかったのかもしれません。

ぽっと灯った光が、この先ももっと明るくなっていくのだろうなと想像したくなる結びはすごく素敵だったのです。
でも、どちらかというとほんの少しだけ描かれている先祖返りしてしまった彼らの方に目がいってしまった自分もいます。
これはまた別のお話になってしまうのでしょうけれど、ここにも深いドラマがありそうですよね。
野暮だとは思いながらも、あとがきに書かれていた内容をもう少しだけ見せてほしかったな、2人の恋や愛をもっと分かりやすく読みたかったなと、評価に迷いながら星3寄りのこちらの評価になりました。

もどかしすぎる

ハイテンションな炎上系配信者にあまり良いイメージがなかったものですから、はたして私はこの元気すぎる受けを好きになれるのだろうか…?と思いながら読んでいたはずが、気がつけばなんだかすごくいじらしい子に見えてきてしまうのです。
読めば読むほど印象が変わる受けかなと思います。

攻めと受けが配信者という設定に令和っぽさを感じつつ…
蓋を開けてみれば題材はとってもシンプルで、高校時代の気持ちを拗らせた2人による長くもどかしいすれ違いが描かれていたかなと。
突然関係を絶たれても基春とまた関係を持ちたい一心で踏んばる玲央の一途で必死な姿に切なくなり、絶望的に不器用すぎる基春に頭を抱えました。
うーん、今回は受けの方が好みだったかも。

と、もどかしさたっぷりの受けの切ない心理描写はすごく良かったのだけれど、普段あまり読み慣れていない配信者ものだったからか、そこまでどっぷりとはのめり込めずでした。
晒す晒さないその他配信ものならではのやり取りに微妙な気持ちになってしまったのかもしれません。
玲央の良さはしっかりと伝わってくるだけに、基春の良いところももう少し見たかったかな。
かなり焦ったかったので、どかっと萌えられる要素もほしかったなと今回はこちらの評価になりました。

エピソード不足が悔やまれる

上巻ではあまり萌えられず、下巻ではどうなるのだろうかと、ワケアリそうな2人を追いかけたくてここまできました。

結論から言いますと、上下巻というボリュームに対してエピソードが足りず、萌えきれないまま読み終え今に至ります。
爽やかな青春ではない薄幕をはったようなほの暗い雰囲気も、じわじわと少しずつ育つ感情と関係性の変化も好みのはずなのですが…
うーん、これは現在と過去のエピソードのバランスがいまひとつだったように思います。

ワケアリだった薬袋の「世界」になった人。
やはり、そう語られるミステリアスな奈良崎との関係をじっくり読みたいところじゃないですか。
しかしながら、痒いところに手が届かずもどかしくなってしまうんですよ。
薬袋が奈良崎へどう想いをつのらせていったのかに関しては、多感な時期の揺れ動く気持ちが描かれています。
けれど、ちょっと奈良崎側の気持ちがよく分からなかったのが残念。
トラウマめいた部分の描き方と、不安定だった薬袋の成長が見られる作りは好みだったので、もっとこれ!というなにか決定的なものがあればなと…

他生徒にも認知されているような間柄の2人ですから、下巻ではきっと萌えさせてくれるはずと期待をしていたのです。
それゆえに、現在の関係性部分の深刻な情報不足が非常に残念でなりません。
肝心なエピソードがまるっと存在しないまま終わってしまい、なんて勿体ないのかと本当に惜しいです。
もう少し今も見たかった。これに尽きます。

王道の良さと気になる点

産まれた時から知っている仲という、超絶長い期間を幼馴染として過ごしてきた2人だったけれど…と、THE・幼馴染もの!な1冊でした。
受けのことが好きで好きで仕方がなく、溺愛と執着を隠そうとしない年下攻めによる猛アタックの日々を追いかけられます。

側から見れば幼馴染の距離感ではないよなと思えるくっつき具合の2人。
円の押しっぷりがすごいものですから、序盤の時点でこれはくっつくに違いないなとついつい想像をしてしまいますが…
そこを流され受けな環が絶妙に焦らしてくれるんですね。
円の気持ちを知りつつ、まだ子供だからと線引きをする。
しかしながら、そんなことで引くような円ではないのです。
なにせ長い時間をかけて熟成されてきたどでかい気持ちを持っているのですから。

忠犬のように待てをしながらも、じっくりと時を待っていた円の想いの爆発はやはり気持ちが良いです。
はじめは無自覚だったけれど、徐々に真っ直ぐに自分だけを見つめてくる円を意識し始める環の図も、王道の流れではあるものの感情の波が見えてこちらも良かった。
普段はどこか淡々としているように見える円が、環の前限定でちょっぴり年相応なかわいらしい表情を見せるのも微笑ましいです。
ただ、幼馴染の恋愛もの定番と攻めの執着は味わえたのだけれど、よくあるお話でおさまらないようなこちらの作品ならではの見どころはもう少しほしかったかなと思います。
円の執着っぷりは見事でしたが、進路その他すべてを環中心に考えてしまっているようにも見えて、今後の彼にも自分の意思はあまりないままなのかなー…と少々残念。
「ずっと一緒にいたい」でも、そこまで一緒だと自分の萌えとは違ったかなと萌寄りのこちらの評価になりました。

1番大事な要素が薄かった

六畳一間にヒモとサラリーマン。
この組み合わせと幸田先生作品というだけで、何かドラマが生まれる予感がしたのです。
したのですが、あまり萌えられないまま読み終えてしまってこちらの評価になりました。

クズヒモ攻めとお人好しの素朴なサラリーマン。
そして、決して広いとは言えない六畳一間のアパート。
こんなにも良い材料は揃っているはずなのになぜなのか。
やはり、恋愛に発展するまでの流れがすごく浅かったことが大きかったかなと思います。

毒を飲まず、とても綺麗な水で育ったようと言いますか…
本当に心配になるくらいの素直さを持ち、人を疑うことを知らないピュアすぎるうみくんの素朴でかわいらしいところには惹かれたのですけれど…うーん。
ノンケのクズなのかと思えばそうでもなく、ヒモ攻めとしてもカイのキャラクターが中途半端だったように感じます。
いわゆる攻めざまあ展開がドカンとくるわけでもないですし、うみくんへの恋愛感情の自覚も唐突感が否めませんでした。
SNSでの公開告白も盛り上がるシーンなのだとは思うのです。
けれど、なんだか冷静になって読んでしまっている自分がいて乗りきれず。
カイのビジュアルは好みだっただけに、恋を知るまでと知ったあとを掘り下げてほしかったですし、もっともっと必死になってうみくんを追いかけてほしかった。

カイはとても誠実とは言いがたいヒモ生活を送っていたようなので、BL作品をきっかけに役者として成功したとしても、その後週刊誌に女性から過去を暴露される危険な未来が待っていそうな気がしてなりません…

すごく読みやすいのだけれど

ごく普通のいわゆる一般人の大学生と芸歴の長い二世俳優の組み合わせ。
これはおもしろそうだと手に取り、ページをめくってみれば一度も躓くことなくするする〜っと最後まで読み切ってしまっていた状態になるのはさすが。
話運びと言葉選びが上手いので本当に読みやすいんですよね。

うーん…今作も没頭して読めたのだけれど、あまりヒットとはならずでした。
業界ものと青春ものの良いところがミックスされた設定は好みだったのです。
しかしながら、読んでいて攻めと受けになにか強い感情を覚える前に小さくまとまって終わってしまったように思います。
決して面白くないわけではない。でも何かが足りないのです。

もう少しだけ濃い味付けだったのならきっともっとおいしいはずなのに、主に恋愛面の調味料が薄めがゆえに萌えられずこちらの評価に。
碧が拓斗に淡い恋愛感情を抱くのはわかるのですが、その逆がちょっとしっくりきませんでした。
あっという間に恋愛関係になり、あっという間に丸く収まった。
そんな印象が強いまま読み終え、最後まで読ませてくれる力がある作家さんなだけに、これはなんだか惜しいなあと消化不良気味に。
2人の関係性が最悪の状態から自然と良いものになっていく描写は好みでした。
メインCPよりも、どちらかというとサブキャラクターの黒木が気になりましたね。

読みたかったところが読めず惜しい

非常におもしろかった上巻から引き続き下巻へ。
義兄弟BL、読み応えのある上下巻で良かったのですが…
うーん、本音を言えば上巻の方がまとまりが良かったように思います。
下巻で読めるのかなと期待をしてしまっていた部分が描かれていなかったり、明かされると思っていたセリフが明かされなかったりとすっきりしないことが多く、萌と悩んで2.5寄りのこちらの評価になりました。

というのも、下巻で明かされる圭の拗らせっぷりと不誠実さと自分勝手さがあまり刺さらなかったから。
結婚にこだわる理由が理由なだけに、ここは睡眠障害を患うほど圭の心に大きなトラウマを植えつけた母親とのエピソードをきちんと描いてほしかったところ。
これがあるかないかで大分感じ方が違うと思うんですよね。
そして、圭の身勝手さによる作中での瑠璃子の扱いがあんまりで、よっし!くっついた!良かったね!とはとても思えず…
義兄弟ものも、ぐるぐる遠回りをした末のゴールも好みのはずなのですけれど、下巻でメインどころである受けへの好感が薄くなってしまったのが惜しかったです。

しかしながら、圭が何年もかけて何重にも巻いた本心を隠すための繭をザクザクと容赦なくひん剥いていく春の姿は気持ちが良かった。
髪を切ってまで説得を試む執着心も、涙を流す攻めの図もすごく好きでしたし、終盤の受けの前でだけ見せる甘さもとってもおいしい。
だからこそ、下巻では2人揃って好感が持てるキャラクターになってくれていたらなあ…!
もしかして秋は春の想いを知ってしまったのか?と、秋と春の言い争いの内容にわくわくしていたものですから、この辺りも明かされていたらもっとうれしかったかもしれません。

雷々来世 コミック

野白ぐり 

もう少し掘り下げてほしかった

出版社によるあらすじを読み、このお話をあの美しい画で見られるのかと心惹かれ、期待値大で手に取りました。
結果、とてもきれいなお話ではあったのだけれど…没頭して読めたのか?と思うと残念ながらそうではなかったです。

忘れられない思い出と苦みに囚われ、何度生まれ変わっても記憶に残り続けるあの人との再会だなんて、すごく胸躍る設定だと思うのです。
現世と前世を交互に描きながら、一緒にやりたかったことを学生である現世で叶えていく構成も微笑ましく読めました。
でも、なんだろうか。
現世にも前世にも盛り上がりきれず、本の厚みはあれどさらりと終わってしまった感じがして非常にもったいなく感じます。

断片的に挟まれる前世のエピソードはどれも微笑ましく、時に苦しく、そして美しいです。
ただ、そもそもの2人がどこの何者で何がどうなって惹かれ合い、時を越えてもこれほどまでに強く囚われ合っているのかが分からず。
特に受け側の気持ちが伝わりにくかった。
断片的がゆえに読んでいて思い入れが薄く、身分違いの悲恋の切なさは伝わってくるのですが、詳しい状況が不明なためドカンと切なくはなれませんでした。
前世の攻めが受けへの想いを抱えたまま、その後をどう過ごしたのかが気になりますし、過去の欠片から関係性を読み取るよりも、もう少しページを割いて詳しく描いてほしかったのかもしれません。
2人の過去の関係性が濃厚に描かれていたのなら、現世での想いの成就にもっと盛り上がれたのではないかなと惜しいです。

キャラクター設定と題材、保護者のように無意識に受けを甘やかしてしまう攻めの図はすごくかわいらしかったです。
野白先生作品は大好きなのですが、もっと強く萌えてすっきりしたかったなと今回は2.5寄りのこちらの評価になりました。

わくわくからの急降下

受けが言う「もういきたくない」は3度の飯よりおいしいものがあるよなあと、あっという間に敦くんをとろけさせていく日高の見事な手腕にわくわくとしながら読みました。
ベッドでの口調がまたずるいんですよね。
べたべたに褒めて甘やかしながら、確実にハマらせるように快楽を教え込んで囲い込む。
この攻め、なんてえっちなんだ。
よしよしされる受けの図がお好きならたまらないのではないかな。

ゲイバーで配慮がない生意気な口をきいた大学生が、危険な色気を持ったえっちなお兄さんに分からせられてしまうお話。
しょっぱなの敦くんのあの発言はどうかなあといったものだっただけに、嫌というほどの快楽と甘やかしによって、あっさりとごめんなさいと口にするちょろすぎる姿にすっきりします。
そもそもが最低からのスタートだったからなのか、読めば読むほど印象が悪かった敦くんの根っこの素直さと愛らしさが自然とじわじわ染み出してくるのが上手かった。
ふと気づけば、かわいくないがかわいいに変わってるんですね。
これはくれの先生マジックかな。

どろりと濃厚な性描写も、読めない顔で心を翻弄するずるい攻めも、そんな大人にハマっていく青い受けもよかったのです。
でも、うーん。
初めに感じていたわくわく感が後半に進めば進むほどしぼんでいくというか…これは萌えなのかなと疑問に思う自分もいて評価に悩みます。
敦くんの発言は確かに悪いものだったとは思うのだけれど、説教部分をここまで引っ張ってしまうとバランスが悪く見えました。
ゲイ集団のやり取りも男性的というより、どちらかというと女性社会にありそうな陰湿さを感じて、私はBLにこういった流れを求めてはいなかったので、上がっていたテンションがやや下降気味に。
自業自得ではあるのだけれど、ここまで謝り通しな受けを見させられるとわくわくはしなかった。
日高が最後まで敦に対して上から目線だったのも対等じゃないんだなと気になってしまい、完全には萌えきれずこちらの評価になりました。

フェチ的な部分は◎。続きが気になる度も◎。
ただ、途中の展開がモヤつきが残るものだっただけに、最後はもっとガツンと萌えさせてほしかったです。

面白いのに後半が惜しい

傷付いた他国の捕虜の世話を命じられた、おちこぼれの宮廷魔術師のリナル。
国単位でものを考えれば敵同士である2人。
そんな2人が心を通わせ合うというのは、定番ながらやはり秘密の関係めいた背徳感があります。

リナルが暮らす帝国の領土拡大のやり口があまり気分が良いとは言えないものばかりなのもあって、他の者のように前にならえ精神がないリナルのまともさには好感が持てました。
言語不通なイトゥルへの献身的とも言える寄り添い方も美しい獣にそっと手を差しのべるかのようで、少しずつ地下牢で育まれていく名前のない信頼関係が素敵。2人だけの秘密って良いですよね。
お互いの国の言葉を教えあったりと、2人の距離感の縮まり方は好みだったのですが、個人的には早めに流暢に話せてしまっている気がして、もう少し言語不通のままの方が面白かったかもしれないなあなんて。
イトゥルのあの一言がより効いてくる気がします。

リナルの嘘に関しては、序盤からなんとなく匂わせているなと感じていたからか、やっぱりそうだよねと思うところもあり…うーん。
嘘が明らかになってスカッと気分爽快になれそうでなれなかったのは、同時に彼の迂闊さとやや爪が甘い部分が見えて決め手に欠けたように思えたのかも。
面白くは読めたのだけれど、ものすごくハマったかと考えるとそうではなかったかなと。
あともうひと息盛り上がりのある展開がほしかったですし、あれほど執着を見せていたサグーダの引き際が小物すぎてちょっと勿体ないです。
掘り下げたら面白そうなんだけどなあ。
後半の展開に期待を膨らませるも、駆け足気味で終わってしまったのも惜しかった。
どっぷりとはハマりきれず、今回は2.5寄りのこちらの評価になりました。