ただ一点において嫌悪感。それに捕われて楽しめなかったです。
「後継は弟に決めている。お前には向かない」
という受けの父親の言葉が冒頭の方で出てきた時点で、結局淳平は反発しつつも最後はほだされるパターンだと予測できて一度読むのやめました。間をおいて思い直して読んだんですけど、結局予想を裏切ることはなくてがっかりでした。
息子に自分らしく仕事をさせてやりたかったっていう親心ってことなんだけど、仕事ができないって言うんだら仕方がないけどそうじゃない。本当に息子のことを思ってるんならそれで息子がどれだけ傷つくかわからない訳ないと思うんです。
長男が自分から継がなかったって言うんならともかく立派に働いているのに弟に継がせたら周りが何て思うか。変に勘繰られて陰口叩かれたり仕事できないと思われたりで仕事しづらくなるんじゃないかな。
跡を継がせる前に一度離れて見直させてから判断するならまだわかるけど始めからお前には継がせないっていうのはどうしてもおかしい。本人の意思は?それで淳平がいずれは自分で企業も考えてるなら兄弟でライバル会社になるってこと?弟の方が明らかに大手で。
考え過ぎかもしれないけど仕事にプライド持ってる男性が好きなのでどうしても引っ掛ちゃって…
悠は若干ヘタレの年下攻で好みなんだけど、イケメン扱いの淳平があまりイケメンに見えないし表情もあまり可愛く見えなかったのが少し残念でしたが繊細でゲイであることを受け入れられなくて悩んだりで恋の進展がゆっくりなのは良かったです。
「刺青の男」があまりに救いがなくてどうにも読後感の悪さに気持ちの持って行き方がわからなかったんです。ただ逆に「喜劇は恋で進化する」「ミスターコンビニエンス」は結構好きでした。
だから購入前に内容を吟味してレビューをチェックして大丈夫か確認して…という慎重さなんですがこれは良かった。
短編だけど全部繋がってて…ホントーに繋がってる。
だから短くても物足りなくない。1話読み進める毎に理解が深まっていくというか納得するというかホッとするというか。
だから登場人物全員(女子のヨーコまで)可愛くなるし。
普通にBL読んでてただの間男だったりあて馬や悪役だってホントは傷ついてたり苦しんだりしてる。いつもそういう当て馬のその後が気になって仕方がなくてスピンオフが好きなんですけど、また更にあて馬出てきたりして。
これはそんな欲求を満たしてくれる作品でした。
これも続き出てるんですよねー気になるし買っちゃうなー
女の子みたいってレビューもあったけど、男の子ならではの可愛さがあると思います。見た目もだけじゃなく中身が可愛いし男前だし。
女の子の可愛さにはわたしはあざとさを感じてしまうことが多いので。
BL関係なく年齢問わずこういう可愛い男の子好きです
(おっさんにも可愛さを見つけるの好きだし)
だから可愛いと口には出来ずバレないように悶えてる開人と一緒になって悶させてもらいました。
開人がいつも母のように見守ってるのにHになると色気を出すのとかもイイ。
何か一歩を踏み出すのって凄く勇気がいるけど、人と出会ってその言葉や存在が後押しをしてくれるのって素敵だなぁと思います。本人狙ってるわけじゃなくただ伊介の事を想ってしてること言っちゃってることでちゃんと気持ちが伝わってるんだなぁと。
この2人がこれからどんな風に大人になっていくのか見ていたいです。
攻めの腹の括り具合とか、攻めの将来を案じる受の健気さとかに胸を締め付けられました。
2冊目中盤まではとにかく徳永の可愛さ先行だったのが2冊目の後半からシリアスへ。
取引先との一件は、理不尽に思えるけど現実はこんな事の繰り返しかもしれないと思いました。
ただそれを支えてくれる職場がある。そしてその職場の環境があるのはこれまで徳永が頑張ってきたからでそれを支えてきた古谷さんの存在があった。
やっぱり大きいなあ、古谷さん。
3冊目のすれ違いは高梨がどう考えてるのかは描かれてなく自分で追い込んでいく徳永の姿がただただ痛々しかったです。
半年後高梨が帰ってきて真実が分かっても(それがほぼ予想できたものであっても)徳永に感情移入しずぎていたので速攻めでたしめでたしでは納得できなかったかもしれません。
でも、すっかり疲弊してしまった徳永の心に高梨が焦ることなく時間を共に過ごしてくことでまた寄り添っていく様子が静かに描かれていたので読んでる私の高梨への勝手なイラつきも解消されていってストレスなく二人を祝福できました。
そして徳永の両親に高梨が言った言葉は本当にグッときました。