一、二巻ともにストーリー展開(外的要因による波乱の起こり方)はあまり好みでは無いのですが、主人公に好感が持てるのでなんやかんやで楽しく読めている作品です。
明るくポジティブかつ包容力のある主人公です。
壁にぶつかった時には悩みながらも一人で突っ走らず、周りを頼りながら前に進んで行くので読んでいて安心感がありました。
主人公とパートナーの対話や、監督などの友好な関係を築いている人物と関わるお話はとても良かったです。
しかし、ストーリー展開の苦手な部分は一巻よりも苦手でした。
特に終盤の攻めの兄が関わる展開が不快で読後感やや悪くなってしまいました。
評価迷いましたが、主人公の好感度は一巻よりも上昇したのでキャラの好みを重視したうえで差し引きしてこの評価になりました。
あらすじから受けのコピー能力をファンタジー的な特殊能力の類いと思い込んでいたのですが違いました。特にそういった設定は存在せず、受けがスタントマンとして活動する上でのルーティーンや強迫観念的なものでした。
コピーのために触りまくるという設定で(その流れでキスまでする)ちょっと受け入れ難かったです。
受けのキャラがすごくわかりやすい強気キャラで面白かったです。
冒頭、攻めの営業スマイル挨拶に受けが「胡散くせぇ」と返すシーンがあってちょっと感動しました(王道すぎて逆に見ないやり取り)。
その他にも街中でファンを撒くなど王道のシーンがちょこちょこ登場して面白かったです。
しかし、場面転換や話の流れが読み難く、それなりに急展開のなので話について行くことが大変でした。
人間(厳つい男)になった飼い猫に求愛される飼い主のお話。
細かいことは気にせずゆるっと楽しめるラブコメでした。
猫の行動範囲がほとんど屋内で、とても狭い範囲で纏まっているお話です。
多少シリアスな展開もありますが、悪人は登場しません。
二人の生活など細かいことについては何も説明されませんが、深刻なストーリーでは無いのでサラッと楽しく読むことが出来て良かったです。
あらすじの時点で分かりきっていることなのですが、飼い主×飼い猫(人間の姿)です。
人間の姿かつ飼い猫から迫っているとはいえ、子猫の時から知っている飼い猫相手と思うと若干の忌避感がありました(読み始めた時は何とも思っていなかった)。
一応耳の数が気になる方もいると思うので書いておくと、猫耳状態で人間の耳が見える描写はありません。四つ耳を許せない人でも読めると思います。
オメガバース世界で元ヤン子持ち男カップルの馴れ初め過去回想ラブコメ。
子育て要素は殆どなく、学生時代のラブコメがメインでした。
過去回想部分のストーリー展開に目新しさは感じませんでしたが、見どころはしっかりとありました。
攻め受けどちらも作中に見せ場があり、二人とも恋愛感情に気が付いてからの行動が迅速果断で読んでいて気持ちよかったです。
子持ち設定自体はそれほど活かされていなかったような気もしますが、未来が見えている安心感はありました。
ヤンキーもので暴力表現があることと、チンピラキャラに受けが捕まるシーンがあるので、そういった展開が苦手な方は注意が必要だと思います(どちらもそれほど過激では無い)。
一巻だけでもキリは良かったです。
オメガバースで同級生の再会もの。
タイトルから運命の番の話かと思いましたが違いました。
オメガとかアルファとか関係無いところで最初から共振していたということなのでしょうか。
互いに自分の気付かぬうち相手の支えになっている、とても素敵な関係性の二人でした。
お互いにとって良い存在であることがしっかりと伝わって来たのでとても応援しやすかったです。
作風ですが、全体的にモノローグの多い作品だと思います。出来れば絵で魅せて欲しかったなと思うシーンが幾つかありました。
しかし、詩的なところが魅力の作家さんだと思うので、こればかりは個人的に作風があまり合わなかったというか、まだ慣れていないといったところだと思います。