恋愛が分からない男が運命の相手に出会って初めて人を好きになる!みたいなお話はBLの定番でよく見かけますが、この作品では恋愛感情を持たない指向であるアロマンティックをそのまま尊重して描かれているのが素晴らしいと思います。愛の種類は沢山ありパートナーとの関係性もそれぞれ違っていい。否定されるべきではないというのが話の幹になっていて正に令和のBL!!
そしてアロマンティックと並んで作品のテーマになっているのが宗教2世について。教団側、信者側それぞれの苦しみが描かれていてBLにはイチャラブだけ求めてる!という方には向かないかもしれませんが、お互いの存在や友人達が救いになるストーリーが非常に美しい作品です。
前作と合わせての感想です!
私、本来は喧嘩カップルもの苦手なんですよ。
BLに求めてるものは甘々溺愛ハッピーライフ!みたいな内容重視なので...仲良くないシーンってストレス感じちゃうというか...
前作「運命の番がお前だなんて」が安くなっていたので期待せず読んでみたら、なんだこの2人!ふたりとも素直で可愛い部分と素直じゃない部分のバランスが最高!!距離が近づく前の喧嘩っぽいシーンも声出して笑っちゃう内容で百点満点!即こちらの作品も購入しました!
今作は前作に比べてお互いの内面に踏み込んだ内容で、すれ違いそうになりながらもお互いが相手を大切に思っているのが伝わってきて2人とも!いや登場人物全員一生幸せになってくれ!!それを一生見守らせてくれ!!と願わずにはいられない内容でした。
(お兄さんのことももっと知りたいので是非続編を何卒!)
年初になんて神作品が出版されたんだ!という衝撃で初レビューです。
あらすじはいろんな所で読めると思うので割愛して、星名さんのズルい誠実さに心がぎゅうううってなりました。
これ、10代、20代中盤までの人が読むのとアラサー以上が読むので感想が違ってくると思います。
きっと若い子は、もどかしい!!別に年齢差あっても早く手出しちゃえばいいじゃん!!!って思うはず。
けど大人ってやっぱり若い子の前ではちゃんとした大人でいたくて。でも諦めきれないから色々ズルい事言っちゃって...
この先何百回も読み返すだろうなって思える神作品でした。
本当に夏野寛子先生の作品は素晴らしい!
すごく美しく完璧な終わり方なので続編は期待出来ないのかもしれないけど「25時、赤坂で」の世界の中でも良いので...どうか!