しぐれ西瓜さんのマイページ

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女性しぐれ西瓜さん

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紡いだ言葉で心が満たされる

小説家と、本が好きな文芸男子の組み合わせなんです。そこで、頭の中で考えている気持ちの部分が小説の一説に重なる様に表現されています。そして言葉選びがとても美しい作品です。作画も、その詩的な表現に合わせながらも、高校生らしい瑞々しい絵で描かれています。エロな感じはほとんどありませんが、人間関係が苦手で傷つきやすい男子の心情がゴリゴリと突き刺さってくるお話でした。
恋愛小説を書きたいという雪人に彼の小説の大ファンの日向が恋人のふりをして恋愛を疑似体験するという建前で付き合いだした二人でしたが、自分の作品(本)を宝物の様に扱って、小説の言葉を抜き出してメモまでしてくれている日向。雪人にとっては日向はかけがえのない理解者だと感じ始めているのに、日向は人間関係が苦手で、自己肯定感も低いので、あくまでも二人の関係は取材の為の協力関係だから踏み込んではいけないと思っていて。
しかし日向が抱えていた人間関係で失敗した過去を理解すると、いかに日向が雪人の小説からシンパシーを得ていたか理解できました。
この日向が失敗した人間関係というのが、とても嫌な感じの出来事で、正しいと思って声をあげた人が結果的に仲間外れになってしまうという。とても読んでいて辛かったです。だけどそのお互いの心の叫びを知ることで二人共にお互いが探し求めていた大切な相手なんじゃないかと、これが「愛」なのか?と。恋愛感情がお互いに芽生えたのがとても美しく描かれていました。雪人が吐き出した言葉(小説)を拾うことができたのは日向しか居なかったんですよね。
しかし、雪人は日向への愛を理解した途端に日向の前から消えてしまいます。このシーン
「取材の為にもう一回キスして欲しい」という言葉に対して、日向は「いいよ」って素直に承諾するんですが、、ここの日向の言葉がもっと別の言葉だったら、また雪人は違った行動を取ったんじゃないか?と、色々考えてしまいました。。
恋愛を知った雪人が書く新しいお話がラストに起こした奇跡を泣きながら読みました。言葉で傷ついてきた日向が言葉によって幸せになる、、とても素敵なラストは是非直接本で読んで欲しいです。

バカだけど真っ直ぐな攻めが良かった

九號先生の作品という事で手に取りました。
攻めの蒼佑がかなりバカでコミカルなキャラクターだったのですが、読み進めると従兄弟の穣のゲイとしての苦しみを理解し始めた辺りからとても蒼佑の良さが出てきて好感持てるキャラクターでした。
受けでゲイの穣さんは、最初は田舎の爽やか好青年だったのに、部屋で〇ナニーしてる姿がとても色っぽくしかも体格が良い(元野球男子)凄くこの場面の絵がエロかったです。
しかし、ゲイである事を隠しながら田舎に住んでいる事、高校教師と生徒の関係。色々と穣にとっては蒼佑は受け入れ難い存在なのが分かってくると、お互いにとても苦しそうでした。
それでも、二人には障害がある事を分かっていながら、それでも真っ直ぐに好意を伝えてくる蒼佑に振り回されて、結局は受け入れてしまいそうになる穣さんの表情がとても人間味溢れていて可愛かったです。方言がまた良いんですよね。それに、穣さんの全部を知りたい!って真っ直ぐに伝えてくる蒼佑が、女たらし返上のめちゃくちゃ良い男に見えてきます。
脇役として出てくる穣の弟の誠や、幼なじみの哲郎がとても良いキャラクターで、二人の良いサポーターになってました。誠の見た目はめちゃくちゃかっこいいです。
途中、どうしても蒼佑に自分を諦めさせたい穣が取った行動が(ズルい大人の振りをしてみせていて)みていて、穣にとっても悲しいし、蒼佑も可哀想で、なかなかハードな展開に思えました。しかし、そんなハードな展開でも、蒼佑の真っ直ぐでめげない楽観的なキャラクターのおかげで、さほど暗い雰囲気にはならず、
結ばれた二人の先には、色々な困難が待ち受けていると思えるのに、何故か、蒼佑と一緒なら大丈夫じゃないかな?という謎の安心感を感じながらハッピーエンドで読み終わりました。
九號先生のキャラクターの描き方が一人一人が皆魅力的で、その魅力的な所をキャラ同士で上手い具合にストーリーにはめ込まれていて、とても上手だとおもいました。そして、作画の力がよりストーリーを輝かせてくれている作品だと思います。

今出来る最大限の距離

とても詳しくレビューしている方はがたくさんいらっしゃるので、私は自分で印象深かった点を書きます。
百目鬼が矢代は自分にしか身体を反応させていないと知った時の顔がやばかった。なんというか、俺で良いんだ!という、目に光が宿ったかのような顔が何とも言えなかった。そして、今まで矢代に言われていた、やりたいからやる理論で何度も矢代を訪れる展開はもう単なる忠犬では無くなった関係を思い知らされました。
でも、そんな欲望理論を持ってこないと、二人が身体を合わせる事は絶対に出来ない関係になっているので。現状出来うる最大限の二人の接触なんですよね。
それでも、百目鬼には矢代の身体を心配する場面があり、私も安心しましたが…どこまで矢代の目が悪くなるのか?も気になりますね。でも矢代の周囲もみんな気づいているので今後の展開どうなって行くかな?と思います。
そして、矢代も多くの読者もじわじわと心を痛めていた百目鬼とママとの関係。これは、どうやら恋人関係ではなさそうで、結構安心した部分ではありましたが、弱い女の人を助けてあげるのは百目鬼らしい行動ですね。多分ママも何かしら助けを欲しがっていた人なのかもしれないと思いながら読んでいました。
百目鬼は矢代に執着はあるけどヤクザの自分に執着はなさそうなのに、スミまで入れたのは綱川に命じられたんでしょうね。綱川は娘の命の恩人であっても百目鬼を信頼しきっていなくて執拗にヤクザの世界を百目鬼に与えていたんじゃないかな?と、思っていました。
二人に「愛し合う」感情が許されるのか?それはどういう状況になるのか?二人の心の中では熱いものがあるのに、それを態度には出せない許されない苦しさがラストの矢代をみていて切なくなりました。矢代の人生に無縁だった感情にこれからどのように目覚めていくのかは見ものだとおもいます。
しかし、二人のこんなシーンの後には戦争がやっぱり来るのでしょうね。辛くても見守りたいです。

紅椿 コミック

三田六十 

言葉が分からない関係なのにしっとりと泣けた

人里離れて一人で暮らす佐吉と、佐吉が拾って育てた鬼の子アカの物語です。
赤ちゃん時代そして小さな頃のアカがとても可愛いくて、特にふっくらした顔の頭についている角が、アシンメトリーなのがとっても可愛いです。最初、佐吉が何故人里離れて一人で暮らしているのか分かりませんでしたが…目と髪色が違った佐吉、そしてその母親はかなり悲しい過去がありました。その場面を読んでいた時はとても苦しい気持ちになりました。その後、アカが泣き崩れている佐吉を慰めようとして佐吉に触れようとしたのに、自分か触れると鋭い爪で佐吉を傷つけてしまうと思って、どうしたら良いか分からずに佐吉と一緒に泣き出してしまう場面はとても悲しくて、こちらも一緒に泣いてしまいました。
佐吉はアカを10年育てたのに、肉食を好む様になったアカとは一緒に暮らせなくなって、別れのシーンもかなり切なかったですが、その後何年経っても別れた時のままのアカの面影を忘れられずに生きている佐吉の姿が見ているだけで泣けました。言葉を解さない発しないアカだけど、育てた子供は可愛いですよね。この辺りは二人の深い親愛を感じました。
その後更に時は流れて、成長したアカと山で再会するのです。角の向きでアカだと分かりましたが、小さい時とは見違えるほど美しさを持っていました。
私は育てた親の立場の人がその子が大きくなったら手を出すという展開は普通は好きではないです。しかし、この人間と鬼という設定では、鬼のアカは野生の本能も備えていて、アカから佐吉に求めていく展開はすんなり受け入れられました。佐吉は美しいアカでも、アカから迫らなければ、そういう関係にはならなかったんじゃないかな、、と、想像しています。一方、アカ視点では描かれていないので、アカがどんな気持ちで佐吉に求めたのかは分かりませんが、幼い頃は佐吉に優しくしようとしても爪で傷つけてしまうと諦めていた事が、成長して爪を上手く扱える様になって、佐吉の古い傷跡を見て癒しあげたい気持ちや、大切にしたい気持ちで佐吉に触れにいったように感じていました。(唾液で傷跡を治すのは動物的な感覚もあるかな)
ラストで二人が危機に陥った時はどうなるのか?となりましたが、ラストまで読むと最後まで読んで良かったと思える締めくくりになっていますし、三田先生のあとがきを読んだ後に、再読すると、初回に読んだ時よりも更に泣けてしまって、また読み返すループになってしまいます。
ほとんどが佐吉目線の語りで描かれた漫画だけと、二人の心がこんなにもひしひしと伝わってくる三田先生の表現がとても素晴らしいと思いました。
日本昔話の様な世界で描かれる奇跡的な二人の物語。大切に読み返したいと思います。

孤独で粗暴な攻めが救われて行く様子が良い

SF的な設定が面白い。人間兵器として、どんな化学兵器よりも強い力を持っているイキガミ。イキガミの数=その国の軍事力になっていて、そんなイキガミは普通の治療では傷は治らなくて、唯一ドナーが治癒する事出来る。
最初はドナーの唾液や血液やそういう物が薬となれば怪我が治るだけだと思ってました。イキガミにとっては、ドナーの存在が唯一治癒を与えてくれる大切な存在だと思うと、お互いに信頼関係が築けている様な関係性だとおもったのですが。。実際はドナーはイキガミの為に目、皮膚、内臓。あらゆるものを提供するための素材の様に考えている人達がいて。そしてイキガミさえも、戦争兵器の道具としてしか見られていなくて。おもった以上に過酷な〈カミサマ〉でした。
そんなイキガミの鬼道が自分のドナーとしてやって来た高校教師の吉野を最初はぞんざいに扱ったりしていましたが、元から人恋しかったんだと、吉野と過ごすうちに一緒に過ごす人がいる事を幸せに感じてくる鬼道がとても可愛いとおもいました。
そして、だんだんと懐いてくる鬼道に絆される感じで吉野も鬼道を受け入れてあげてるのが良かった。家族に言わば見放されてセンターで暮らす鬼道を哀れみもあっただろうけど、教師という職業柄からも、鬼道を放っておけなかったのでしょうね。
一巻では鬼道が吉野を大切にしたいと思うようになって、(吉野を誤って怪我させた後の鬼道のストーカーじみた行動が可愛い)これからの鬼道の戦いがとても気になる所で終わっていますが、二巻は更に二人の関係も戦いも進んでいくので、必ず読んで欲しいとおもいました。

吉野の優しさと、鬼道の可愛さに泣く

一巻から更に二人の仲は進んで、鬼道は付き合っていることを隠さないくらいに吉野にべったりになっていました。吉野は鬼道が可愛くて仕方ない感じだし、鬼道は今まで感じた事の無い愛情、それも家族的な感情まで吉野に感じているのが微笑ましくて見ていて温かな二人でした。吉野の写真を部屋に飾ってしまう鬼道。どういう気持ちで飾っているのか無自覚な鬼道が可愛い。鬼道にとってはとっても吉野が大切で、更には他の人にも感謝の気持ちを表す事が出来るようになったり。鬼道の心の成長が読んでいて嬉しくなります。しかし、二人は常に命の危機に晒されているという。

そういう、二人の将来的な事が読んでいて不安になりました。
お話の中でも、吉野が学校で出した宿題を鬼道にも与えるんです「10年後の自分への手紙」この手紙は吉野も自分で書くのですが、吉野は鬼道と二人で生きている未来をとても幸せな気持ちで綴っているんですよね。こんな未来が本当に来たら良いな。って気持ちで。でも、あまりにも幸せな未来すぎて読んでいて泣いてしまいました。でも、吉野は優しいからやはりこういう手紙になったんだろうなぁと。分かるけど、読んでいて切なかったです。
それとは対称的に鬼道の手紙は白紙。鬼道の心の中にはまだ自分の幸せを考える様な心は生まれていないんだなって。こんなに吉野とラブラブなのに、イキガミの業の深さを思い知りました。
中盤からイキガミの今後を左右する重要な事実が明かされて、二人はある決断を迫られるんですが、同時に敵国からの一斉攻撃が始まり…
大規模な戦闘の後鬼道と吉野はどうなったのか?戦闘兵器としてのイキガミにどのような未来がやってきたのかは伏せておきますが、とても感情が揺さぶられるクライマックスでした。無感情に仲間を助ける鬼道が見ていて涙涙でした。
人の感情が乏しい鬼道が心優しい吉野を好きになってどんどんワンコになっていく様子があの手この手で描かれていて、萌の感情が溢れました。

とても素敵なコミカライズ。二人の表情がとても楽しめる。

海野幸先生の同名小説をコミカライズしたもの。挿絵を担当された八千代ハル先生が作画を担当されているというとても豪華なコミカライズです。八千代ハル先生は初めてのコミカライズ挑戦だったそうです。
そして、巻末には海野先生の小説描き下ろしと、八千代先生の二次創作漫画がついてます。
小説は既読です。最初に巻末の小説と漫画の話をしてしまうのは変ですが、二人の先生がこの作品に対する想いを込めて巻末に入れたお話が、、読んで頂ければ分かるのですが、とても先生達の気持ちが重なっている、微笑ましい描き下ろしになっています。この先生達の想いからもこの作品に対して二人の先生が正嗣と清を大切にしている事がうかがえます。
八千代先生の作画がとても素晴らしくて、小説の挿絵の時には正嗣の顔が正面からガッツリと見ることが出来ていなかったので、正嗣の顔をまじまじと拝めたのが嬉しかったです。そして清の顔が可愛くて、不安で泣きそうになった顔、嬉しい顔、驚いた顔、色んな表情を楽しめます。手が最初の頃はあかぎれてひび割れている様な所も良く表現されてるなとおもいました。
そして二人で出かけた際の雨宿りの場面はとても美しかったです。金平糖のシーンはとても幸せそうで清の温かな可愛さが溢れていました。
明治時代の建物や軍服と和服、少しだけ入ってきた洋装が好きな方にはとても刺さると思います。様々な場面で清のその時の心に添えられる色々なお花が背景に描かれていて、とても気分が上がります。正嗣の背景に使われているお花は月下美人(多分)なのですが、これが正嗣のイメージにピッタリだなーと、思いました。昼間な堅い軍服に身を包んでいるのに夜はふっくらと、艶があって良かったです。

この1冊を読めば小説の内容を最後まで楽しめるんです。しかし、小説の方が圧倒的に清の心の中がよく分かります。そして正嗣の家庭の事情や、途中清がトラブルにあうシーンなどのハラハラ感なども詳しくわかります。小説も読みたくなったら是非読んで欲しいです。
小説を読んだ時よりも、清と正嗣の表情が圧倒的に良くて、小説を既に読んだ方が読んでもとても楽しめると思いました。

本格パブリックスクールが舞台

表紙絵に惹かれて手に取りました。
外国の伝統のあるパブリックスクールものです。小説ではパブリックスクール舞台のもの読んでましたが漫画では、海外の舞台はあまり見てなかったので、とても背景美術なども楽しめて世界に浸れました。
観葉植物がたくさんあるサンルームでの2人だけの交流、厩舎での騎乗シーン、猫脚のバスタブとか。そしてなんと、射撃場での練習まである学校なんです!こういう場面の雰囲気だけでも垂涎ものです。そしてそういう場面の二人が美しい。
話は、優等生で一途に勉強を頑張っているノアと、学校一の問題児で御曹司のエヴァンスが同室になった事から始まります。
まだ一巻では、二人がお互いを友達以上の感情で意識し始めたあたりで終わっています。なのでストーリー的にはまだこれから進展する感じです。誰もエヴァンスの声すら聞いた事ないのに、ノアだけが二人きりの時に普通に話せるとか、思いがけず手が触れたり近くに感じるとドキドキしたりの萌えシーン(小鳥の場面)はとても美しい絵画の様でした。エヴァンスが嘘ついてまでノアの口元に触れようとしたり、それでエヴァンスに触れられたノアがたまらずトイレに駆け込んでしまったり、そしてラストにもかなりドキドキなシーンが盛られていて、これからの展開に期待が高まります。
更にはノアを絶対に狙ってそうな監督生の今後の行動にも注目したいです。エヴァンスはかなり嫉妬深そうな素質を感じました。
活気ある若さの中にも、家柄に対する嫉妬や偏見、抱え込んだ闇がありそうで、そして同年代の男子だけの閉塞感からくるまさにパブリックスクールでしか描けないような雰囲気たっぷりのお話でした。

としおさん頑張った

あらすじを読んでいたので、妹の存在をとしおさんが知ってしまう展開にどうなってしまうんだろう?と、色々不安を持ちながら読み始めました。
妹との写真を発見する前にも、近所のえみちゃんとの話がなかなかハードでした。えみちゃんのお母さんが結構辛辣な母親でしたね。きちんとした母親ヅラしているけど、頭の中身は下世話な想像しかしてなさそうで。言葉がスラスラとは話せないとしおさんを偏見でしか見てなくて。
進藤は自分をできた人間じゃないって言ってましたが、私ならばもっと言い返してやりたいくらいでした。進藤はとても偉いです。大人の対応。
まあそれでも、記憶のないとしおさんにとって、妹が居たという事をえみちゃんの存在から微かに匂わせる為のえみちゃんの登場だったんでしょうね。髪の毛をやったことないのに綺麗に三つ編にできたり、「また会えるよね」で、瞬間的に何かデジャブを感じていたとしおさん。

としおさんが妹の存在を知って、何も手につかない状態になってしまったのが見ていて痛々しかったです。
妹に会いに行ったのかどうかは実際に読んで見た方が良いと思うので伏せますが、
妹との事がとしおさんの中で心に折り合いをつけた後に、としおさんが進藤に言った言葉がグッと来ました。
進藤がいるおかげで毎日楽しく暮らせる事への感謝と、そして生活していくと嬉しい事ばかりじゃないこと、進藤にとって大変な苦労もある事の気づき。それでも、進藤を好きって伝えたシーンは感動でした。
是非としおさんが一生懸命に自分の言葉で伝えるところを読んで欲しいです。
としおさんの事ばかり書いてしまいますが、ほんとに進藤の話し方とか、冷静で感情があまり表に出ないところとか、そういうのがとしおさんの魅力を更に引き出していて、久間先生の人間を描く上手さだと思います。そしてたまに進藤からとしおさんへの愛情を表現しに行くのがグッとくるんです。
巻末の描き下ろしはお嫁さんごっこかな?進藤がとても美しい。可愛らしくて優しいお話。末永く幸せであれ!って思いました。

温かい心に感動の涙が止まりませんでした

ほのぼの巻だと思って手に取りましたが、ちょっとした事なのに進藤と、としおさんが尊過ぎて涙脆くなっていて、感動しっぱなしでした。
時系列でとしおさんの誕生日、クリスマスや初詣、そして進藤の誕生日祝いなど二人の生活が語られるんです。そして、1話で進藤から貰った絵日記帳にとしおさんが出来事を書いたものが各話のラストに入ってます。
そのどのお話もとしおさんが進藤を好きな気持ちが溢れていて、そして、としおさんの言葉もだんだん漢字も言葉も多くなっていき、としおさんの成長、ここがとても萌えポイントなんです。としおさんにとっては進藤と一緒にいたい、役に立ちたいって事で様々な努力をしていることが絵日記帳からもうかがえます。。言葉の練習、漢字の勉強、お料理もかなり上手になりました。そして進藤への好きな気持ちや、優しく思いやる気持ち、その気持ちを持てる自分が嬉しい気持ち。とっても純粋で真っ直ぐな心に触れる事で、読んでいるこちらも、久しく忘れていた温かい心を思い出すのです。
としおさんはサイボーグとして、とても醜い感情に溢れた環境でしか過ごせていなかったところからの、進藤との生活での美しい心を発見してそして優しさに満たされている姿がひたすら尊いです。
心がやさぐれた時に読むと、精神が浄化されると思います。何度も読み返す作品になるだろうな。
個人的にどのお話も好きなんですが、一番をあげるとしたら、としおさんが進藤を水族館に招待したシーンです。あのシーンは何度見ても見た瞬間泣いてしまいます。
ラストのちょっとだけ踏み込んだ関係になりたかったお話がとっても可愛らしくて、素敵な締めくくりでした。