身勝手なレビューなのは承知ですが、同じような人がいた時のためにレビューしました。ストーリーは確かに執着攻めのお話で、最後もハッピーエンドで二人の会話には萌えるところがありました。
しかし好きな執着攻めでも、最初から最後まで攻め視点なのが思った以上に苦痛でした。ここに書かれているレビューから攻め視点のお話ということは知っていましたが、普段全部攻め視点の話を読まないせいか最後までうけつけなかったです。これに受けの心理描写がもうちょっと深く書いてあれば違ったかもしれません。
自分は受けに自己投影してBLを読んでいるのかなとは思っていましたが、これを読んでそれがはっきりしました。
受け視点と攻め視点がバランスよく書いてある話が私にはあっていると思わせてくれる本でした。
全体としてしっとりした雰囲気だと思います
シリーズ全4巻を通して前半は現在の話、後半は高御堂との出会いから佐竹が五係に移動する理由になった事件の結末まで描いています。
この1巻目では前半は移動してきた黒岩視点中心、後半の過去の話は受けの佐竹の視点で書かれています。
なので攻めの心理描写が欲しいと思う私としては物足りないところはありましたが、逆に攻めの心理描写が深く書かれていないことがストーリ全体をミステリアスな雰囲気にさせていると感じました。
佐竹の能力が今後どうストーリーに関わってくるのか、どういった経緯で今の高御堂との関係に至ったのか、気になるところがいっぱいですが、それも嫌なもやもやではなく、続きを読みたいと思わせるようなお話で、お気に入りの作品になりました。