不穏な夢から始まり、一転穏やかに見える二人の日常に自然に紛れ込むニュース記事…と第一話での引き込みのうまさに痺れました。
慶臣の見る夢はいわば予知とテレパスで、いやでも卜部の血脈を感じさせられます…。
今回慶臣と慎仁がかなり打ち解けていて嬉しいです。(この二人のバディが見られるとは…!)
仲良さげな二人の会話が気になってしまったり、基本的に他人に期待しなそうな紀人が、慶臣には自分を求めてほしい信じてほしいと思っているところにきゅんとします。
上巻で役者は出揃い、事件が動くぞ…!という良いところで下巻に続きます。
焦る慶臣と捜査のために連絡の取れない紀人はすれ違い気味ですが、慶臣の視線とか紀人の表情の揺れにお互いへの気持ちが感じられて…。
早く落ち着いてラブラブして欲しいなぁ。
2人の思いが溢れて結ばれる場面がもう本当に美しい。
モノローグは慶臣のだけれど、きっと紀人にとっても初めて遭遇する巨大感情だったことでしょう。
いつも余裕綽々な男の余裕無い顔最高でした。
一転、一時しんどい展開となりますが、絶望と諦めに呑まれそうになった時に紀人のことを思い出して生きる意思を見せる慶臣か尊かったです。
結局、呪いとは何だったのか、義臣に課された役割に意味はあったのか、三輪が一命を取り留めたのはどうしてか、等々明らかには提示されないのですが、色々と考察する余地が残されているのがむしろ好きです。
誰かと感想戦したいくらい。
紀人のストレートな告白も、描き下ろしの激重なモノローグもごちそう様です。
基本的に素直に感情表現しない2人のモノローグが読めるなんて、よくよく考えると美味しいポジションすぎますね。