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タイトルに負けない、キスに本気な作品

友達だったはずの同期への独占欲と優越感に向き合い、友達から踏み出して、恋人としてキスするまでの話。

第5話。
上野の「お前が安心できる場所が1つなくなるのが嫌なんだ」というセリフには彼の心の柔らかい部分が存分に表れていて、
その分だけ神田は友達に戻れない自分に気づかされる。
対する上野も、「ゲイじゃないと付き合えない」の真の意味に立ち返って腹を括る…
お互いの相手が上野と神田だったからこそ惹かれあったんだろうなぁという説得力がすごいです。

じわじわと伝わる心情描写の中で何度も重ねられていく2人のキス。
強引なキスや幸せを噛み締めるキスに朝の優しいキスまで、それぞれの熱のぶつかり合いや通じた気持ちが精緻な画面で直に伝わってきて、この作品のキスに向ける先生の本気度を感じます。

2人の人間性を知るのに不足しない綺麗な情報の回収がなされ、ベストタイミングで入る回想で互いの視点で経緯を見せるなど、1冊を通した展開が見事です。読み返し始めればいつも最高のタイトル回収まで一気読みしてしまう作品です。

原作ファンですが大満足です

SNS投稿の頃からこちらの作品を追っています。
今まで読みながら想像していた青くんや碧くんの声・作品のイメージが音声化で損なわれてしまうのではないか…と心配でしたが、杞憂でした。
原作既読目線でレビューを残します。


商業連載にあたり時系列順に整えられたストーリーに、青くん碧くんたちが歳を重ねる緻密な演技が乗っていました。年月の流れが掴みやすく、またドラマCDから入っても十分に満足できるかと思います。

青くんにも碧くんにも複数回挟まれるモノローグでは、募らせる想いや葛藤が、間の取り方や息づかいで手にとるように伝わってきました。BGMやSEも良い塩梅でエッセンスとなっていました。


碧くんは原作のテンション感に沿い、男前さと繊細で理想主義的な部分のどちらもが大塚さんの安定したお声でそのまま演じられて、作品の軸となっています。

青くんの「赤ちゃん」な部分は山下さんの可愛らしいお声とバブなSEで表現されています。嫌なあざとさはなく、コロコロと変わる青くんの表情と素直さが目に浮かびます。
いい意味で山下さんの雰囲気が入り込んできて、朗らかで優しい印象のお声が、温かなろじ先生の作品にドンピシャで合っています!ろじ先生の他作品も音声化されることがあったら、是非山下さんに参加していただきたいです。

印象的なシーンの1つは、原作2話48ページ 過去形のちぐはぐさが青くんの無理をしている感じ増し増しで、かと言って強調されすぎずさらっと流れる素敵な演技です。
他には、2人の間で時を超えて繰り返される「いいけど」という言葉。4話で重ねられる青くんの「いいけど」の変化も非常に楽しめました。


吉田を演じられた小松さんは、部活帰り、陸部飲み、碧くんによる花屋での報告、最終話の飲み屋での碧くんとの会話……どれも強く心に刻まれている吉田の登場シーンを、読者と同じくらい大切にしてくださったのが伝わりました。音声化でぐっと愛着が増しました!!

ありさちゃん(島袋さん)は原作さながらの青くん強火でした。
吉田、ありさちゃん、しまちゃんに高校時代からずっと見守られてきた2人の空気を感じて温かい気持ちになります。

鈴木さん演じる飯田は、碧くんをリスペクトしているワードで特に原作再現度が高く、大学での碧くんとのコミカルな問答も魅力的でした。


製作陣のみなさんの原作リスペクトと愛を感じ、「青と碧」をもう一度深く味わえる一枚になっていました!漫画と共に何度も聴いて浸っています。

ひろが笑っていればいい

特別養子縁組で0歳のひろを授かった2人の「パパ」が、家族とは? 親とは? を模索した1巻。
今作は、保育園のクラスメイトが発した「ママがいないの変なんだよ」ということばを発端に、
4歳のひろ達も、大人達も、家族の形や「違う」「普通」「変」について考える2巻でした。

今回焦点が当たっている1人・恵人の登場シーンで、「ぼくパパ」のキーフレーズだな…と思った台詞がありました。

「どんな親子だって親が勝手に始めるんだよ」

ぼくパパの親たちはみなうっすらとこの認識をもっているように感じます。
親子以前に、人間対人間として真摯に向き合い、対話し、考え続ける人でありたい。
クライマックスのひろの多幸感溢れる笑顔が、そんな2人のパパの想い=愛情を一心に受けていることを何よりも雄弁に伝えてくれていました。

「みんなちがってみんないい」は有名なことばですが、
今作は現代のどこかにいるかもしれないひとつの家族が出した、今の彼らなりの答えなのだろうなと。
そして、ろじ先生のあたたかい表現と解釈に浸れる、大切な2巻でした。(あとがき「お互いの〜」の一文に感動しました!)

家族の形に普通も変もなくて、ひろが笑っていればいい。
2巻も1巻に引き続き、心のまんなかに置いておきたいシリーズです。
3人のこれからを見られるのも楽しみにしております。

「そのままでいいよ」の説得力

奥手男子の陽翔に対して碧が告げた言葉。
過去の辛い傷を残した出来事に引っ張られ、必死に恋愛のステップを駆け上がろうと無理していた陽翔にとって、肩の力を抜ける的確な救済の言葉だっただろうなと感じました。

当の陽翔も、図書室で勉強中にとった咄嗟の行動(3話)にあらわれているような優しさが可愛らしくもかっこよくもあり、
バックボーン、言動からその結果まで丁寧で、二人の関係性に没入しやすかったです。

付き合い始めた当初は両想いどころかハプニングきっかけだったけど、互いの誠実さに惹かれ、過去の心の糸の絡まりがほぐされて、二人のペースで段階を踏んで距離が縮まっていく様子が心地よくて。
それでいてタイトル通り「ちぐはぐ」な後ろめたさが膨らんでいくのが、読み進めていくこちら側にもドキドキ感を味わわせてくれました。
後半で展開される碧視点の回収も見事でした。


大ボリュームの本編にとどまらず、描き下ろし+特装版小冊子でエンドロールのその後まで見せてくれるホスピタリティの高い作品でした!

丁寧な作品

デビューコミックスと知り驚いた、とても洗練されたタッチ。そしてコロコロと変わるくんの表情が魅力的で、画面が華やかです。

自分たちがいつの間にか失ってしまった新鮮な視点で心を貫くゆうくんの言葉、好きの意味が変わっていくくんの京くんへの想い…
1冊としてストーリーの流れや没入感が美しく終始楽しめました。

スーツ姿だけでなく、学ラン姿の京くんもとても刺さりました。
5話と6話の扉絵めちゃくちゃ可愛いです…!構図も細部の描き込みも素敵でした

ぜんぶかわいい

咲先輩のピュアで優しい愛らしさが、三澄くん視点で自然に描写されながら始まります。ストーリーが滑らかでありつつほわほわした雰囲気なので、終始内臓に優しい上質なキュンを摂取できました。
恋愛に対する価値観において咲くんに親近感を感じられて、コミュ強同士の軽快なトーク展開も含め変に引っかかるところがないとっても素敵な作品です。
ときめきを学ぶうちに三澄くんに本当にときめいてしまう咲先輩があまりにもかわいい…
予備情報はあまり入れずに、真正面から楽しんでほしいです。

激ヤバ特典が幻とならずに本当によかった!!!

褪せないきらめきの本編・装丁・新規描き下ろし等、新装版としてこれ以上ない1冊になっています。表紙の蒼生くんが初恋すぎる。

カラーイラスト3ページ目と新規描き下ろし「学校ではほどほどに。」が特にお気に入りです。みんな大好き輝人くんと勇志くんの初出し要素もあります!

最大の衝撃は新装版から収録された、雨宿りカフェの過去特典です。
これ、やばいです。
みんた先生による(公式の)IF幻覚を覗けてしまいました…!!
想像上でキュー雷をもう1冊読んだかのような満足感です。
自分は雨宿りカフェ時にBLと出会っていなかったので、遡って旧版キュー雷を読んだだけでは得られない感情に出会えました。

新装版にして完全版、まさに永久保存版です

追撃を読んでほしいから

以前出版されたキュー雷の内容に加え、カラーイラストや以前の特典、新規描き下ろし等と盛り盛りの2冊になっており、こちらはその1冊目です。
初読時のときめきが蘇る感覚、今のしんあおを見られる感覚でレアな体験ができました。

新規描き下ろしの「心理戦」がとーってもかわいいです……
以前からの可愛らしい絵柄から更に磨き上げられたタッチの、まさに恋の表情!な慎吾くんの装丁も素晴らしいです。紙書籍推奨。

もちろんこちらも充実した一冊なのですが、2冊目の「追撃」の新装版が新規コンテンツ含め最高なので一緒に読んでいただきたいです。

人生の一冊

年を重ねるだけじゃ、大人になんてなれない。親にだって、なれない。
家族とは? 親とは? ひろくんの成長を追いながら2人の「パパ」が自分たちにとっての答えを模索する話です。
3人が築きあげる「愛(Love)」と「家族」が詰まっています(R描写はないですが奈央くんと愛くんのパートナーとしてのラブもあります。あまーい。)。家庭環境で苦しんでいる自分には奈央くんに感情移入しすぎてしんどい部分もあります。でも愛くんが考えを巡らせて必ず奈央くんを救ってくれる。ラストは涙が零れ、じんわり温かい気持ちになります。
そして終始言葉選びが100点満点です。2人が常にひろくんの気持ちファーストなのも素晴らしい。
自分に子どもはいないけど、迷いなく人生の指針にしようと思った作品です。

好きってなに? 恋人ってなに? BLってなに?

「好き」だから「恋人」になる。「好き」だから「同棲する」。 …本当に?

自分の好意に従いド直球アプローチする湊と、恋愛観を拗らせに拗らせた結果彼のようにできない航の物語。考えさせられる要素もありますが、あくまでも爽やかでコミカルかわいいラブコメ。おもに航視点。

かわいいし面白いしそこを具体的に挙げていったらキリがないので、航の恋愛観についての感想をば。
好きな相手に好意をぶつけて相手に見返りを求めることができない人って、決して少なくないと思うんです。でも、航がもがきながら・時には周囲の人生の先輩(時々バブ)からヒントを得ながら、自分で自身の航への気持ちに気づき整理し答えを見つけていく姿が、人間くさくて、そして立派できらきらしていました。自分も自身の気持ちと今一度向き合ってみようと決意できた、かけがえのない一冊です。
そしてこの深く難しい話題を軽快に読めるラブコメへと落とし込む技量たるや。決して難解な話でも、薄味な話でも、また極端に現実離れした展開もありません。航も湊も違和感なくただかわいいです。

そしてR描写はなし。個人的に、ただやってるだけでストーリーのない作品や、ラストで一件落着エッチ且つそこに至る経緯があやふやな作品はBLの皮を被ったエロ漫画だと思っているので(そういう作品も好きですよ、エロ漫画として。)、エロの有無に関わらず、丁寧に2人の心情や関係が紡がれている今作は紛うことなき傑作BLです。みなさんはどうなんですかね…。

自分にとって「好き」とはなんなのか、「恋人」とはどんな関係なのか考えながら、2人だけの恋模様を何度も何度も大切に読ませていただきます。