褪せないきらめきの本編・装丁・新規描き下ろし等、新装版としてこれ以上ない1冊になっています。表紙の蒼生くんが初恋すぎる。
カラーイラスト3ページ目と新規描き下ろし「学校ではほどほどに。」が特にお気に入りです。みんな大好き輝人くんと勇志くんの初出し要素もあります!
最大の衝撃は新装版から収録された、雨宿りカフェの過去特典です。
これ、やばいです。
みんた先生による(公式の)IF幻覚を覗けてしまいました…!!
想像上でキュー雷をもう1冊読んだかのような満足感です。
自分は雨宿りカフェ時にBLと出会っていなかったので、遡って旧版キュー雷を読んだだけでは得られない感情に出会えました。
新装版にして完全版、まさに永久保存版です
年を重ねるだけじゃ、大人になんてなれない。親にだって、なれない。
家族とは? 親とは? ひろくんの成長を追いながら2人の「パパ」が自分たちにとっての答えを模索する話です。
3人が築きあげる「愛(Love)」と「家族」が詰まっています(R描写はないですが奈央くんと愛くんのパートナーとしてのラブもあります。あまーい。)。家庭環境で苦しんでいる自分には奈央くんに感情移入しすぎてしんどい部分もあります。でも愛くんが考えを巡らせて必ず奈央くんを救ってくれる。ラストは涙が零れ、じんわり温かい気持ちになります。
そして終始言葉選びが100点満点です。2人が常にひろくんの気持ちファーストなのも素晴らしい。
自分に子どもはいないけど、迷いなく人生の指針にしようと思った作品です。
「好き」だから「恋人」になる。「好き」だから「同棲する」。 …本当に?
自分の好意に従いド直球アプローチする湊と、恋愛観を拗らせに拗らせた結果彼のようにできない航の物語。考えさせられる要素もありますが、あくまでも爽やかでコミカルかわいいラブコメ。おもに航視点。
かわいいし面白いしそこを具体的に挙げていったらキリがないので、航の恋愛観についての感想をば。
好きな相手に好意をぶつけて相手に見返りを求めることができない人って、決して少なくないと思うんです。でも、航がもがきながら・時には周囲の人生の先輩(時々バブ)からヒントを得ながら、自分で自身の航への気持ちに気づき整理し答えを見つけていく姿が、人間くさくて、そして立派できらきらしていました。自分も自身の気持ちと今一度向き合ってみようと決意できた、かけがえのない一冊です。
そしてこの深く難しい話題を軽快に読めるラブコメへと落とし込む技量たるや。決して難解な話でも、薄味な話でも、また極端に現実離れした展開もありません。航も湊も違和感なくただかわいいです。
そしてR描写はなし。個人的に、ただやってるだけでストーリーのない作品や、ラストで一件落着エッチ且つそこに至る経緯があやふやな作品はBLの皮を被ったエロ漫画だと思っているので(そういう作品も好きですよ、エロ漫画として。)、エロの有無に関わらず、丁寧に2人の心情や関係が紡がれている今作は紛うことなき傑作BLです。みなさんはどうなんですかね…。
自分にとって「好き」とはなんなのか、「恋人」とはどんな関係なのか考えながら、2人だけの恋模様を何度も何度も大切に読ませていただきます。