映画を観ているようでした。絵も凄くていねいで。アランは幼い頃に牧師から酷い仕打ちを受け、狂信的な両親の元、難病もかかえて自分をどんどん追い込んでいく。ヘイデンもDVの父を母が毒殺し、母も壊れていき、止められなかった自分の罪に苛まれる。でも2人とも子どもで、何ができるというのだろう。どうにもできない。大人の所為なのに、ずっと心に咎を持って生きてる。でもそんな自分を許せずにいながらも、真面目で純粋に生きようともがいていたと思う。報われない心を持つ2人が出会えたのがせめてもの救いか。読んでて凄く苦しくなるけど2人で旅していた日々が幸せそうだけど、切ない。読み終わって、初めに出てきた「雲間から海にふりかかる光と陰のカーテン」がとっても心に残りました。