月村先生の初期作品を思わせる、こんな作品を待ってました!また読めて嬉しい〜!
最初に読んだときは良かった…!とただただ感じ入ってましたが、二巡目読んだときにはシーンの一つひとつから登場人物の想いが伝わってきてもう泣けて仕方なかった。
ミシンの音、料理の音、レモンの香りなど、丁寧な暮らしの中で物語が紡がれるのもたまらなくいい。『すみれびより』を思い出しました。
リオンが攻の無骨な優しさに触れて、誰かに気に入られるためではなく、自分の恋心と想い人、何よりも自分自身のために立ち上がるのがイイ。
リオンだけでなく攻の大我、攻の元妻、お得意様の夫人、登場人物皆が傷を抱えていて、それでも前を向いて生きてゆく姿に号泣。
月村先生の著作『それは運命の恋だから』で、ロマンス小説好きの受が「カップルだけでなく、家族など周囲の人達を含めて丁寧に紡がれる物語が好き(うろ覚え)」と述懐していますが、それは月村先生のポリシーでもあるんだろうなと思っていて、本作は正にそれを体現するストーリーでした。
世界に二人きりじゃないからこそ抱える痛みもあれば、二人きりじゃないからこそ得られる喜びもある。
読後、登場人物達の幸せな気持ちがしみじみとこちらにも伝わってくる、文句なしに素晴らしい作品でした。
転生ものやファンタジー設定で面白い作品はたくさんあるけれど、やっぱりこういう現代設定の小説が何度も読み返したくなっちゃうな。
月村先生の過去作品もまた読みたくなった〜!
読めば読むほど味わい深くなる前作が大好きでした。その後の二人が見られて嬉しい〜!続編ありがとうございます!
特に大きな事件が起こるわけでもなく、テンプレのように当て馬や嫉妬が描かれるわけでもなく、それでもここまできゅんきゅんできるのはほど先生の表現力があってこそだと思います。
同級生ながら先に社会人になった攻と大学生の受の、暇があったらいつでも会いたい!という感じがリアルな若い恋人って感じでほんとカワイイ。
フロムヘブンヘブンの二人を見ていると、BLはもう互いが互いを大好きでいたらそれでいいじゃない!という境地に至ります。
ラストは思いがけず切ない展開もありましたが、そこを乗り越えた二人の同棲生活も絶対に読みたい!続刊お願いします!
このシリーズ、あまりにも長くて正直怯むんですが今回も良かった。
前シリーズでも何度か触れられていたか弱いステラ兄様と騎士の、おとぎ話のような関係が王道だけど切なくて良かった〜!プラトニック愛を紡いできた二人の今後の褥事情が気になるw
このシリーズでは私はロシェとイスハンが一番好きな組み合わせなので、ロシェが格好良かったのも嬉しかったです。今回、ロシェを何度もエウェストルムに行かせて裏でめちゃくちゃ我慢しただろうイスハンとのエピソードも気になるなあ。
4作目ともなると脇役のキャラも立ってきて、イドとカルカのかけあいも楽しい。
ロシェが体を取り戻す話(失った経緯も)、絶対に読みたい…!次作はぜひともアイデースメインでお願いします!
文句なしに読み応えのある作品でした。
異国情緒溢れるストーリーは私の語彙力は褒め称えられないほどの描写力。出てくる料理や民芸品をググったりして、現地の景色を想像しながら読むのが楽しかった〜!
特に好きだなと思ったのは、ジャレスの元恋人の女性の描き方。
BLだと『過去に付き合った人はいるけれど、こんな気持ちになるのはお前が初めて…』的な描写が定石かと思うんですが、そうではなくて、過去に誰かを愛した経験があるからこそジャレスがルカに抱く感情も愛なのだと分かる…という表現が切なくて優しくて、二人の関係に説得力を持たせていてすごく良かった。
ルカに恋人のことを訊かれて、『元』恋人な、とジャレスが返すのも、彼の優しさを感じられてきゅんときました。
何もかもが初めてなルカにジャレスが惜しみなく注ぐ愛、『こんな気持ちは初めて』がこれからたくさん起こるだろうその後の彼らを妄想するのも楽しい。
最近砂原先生は同人誌出してない印象ですが、アフターエピソードがあったらぜひ読みたいなあ。
楽しかったー!雑誌で読んだときからあっという間に世界観に引き込まれて、単行本化を楽しみにしていました。
この作品はとにかく、受が攻のことを大大大好きなのが可愛い!
パワハラで精神を病んでいた受が攻の講談に救われ、自身も講談の世界へ。
敬愛する攻の下でメンタル快復した受は、実はイケメンで人を惹きつける陽キャ君。
これに対して、攻は関西にありがちなさっぱりした顔立ちなのかな?の講談一筋の陰キャくん、という取合わせが面白かった。
陽キャな受に押されがちな攻、でもいざというときは受を守ったり傍についてやったりしているのが『カッコエエ』。
惜しむらくは、二人の初夜が描かれなかったこと。童貞?素人童貞?の攻がそれなりに経験のある受を頑張ってリードして、受がめろめろ〜(絶対なってそうw)になってる姿が見たかった…!
艶っぽい濡れ場を描かれる作家さんなので、えっちシーンももっと長く堪能したかったです。
作中に出てくる講談をググりながら読み進めましたが、実際に講談を聴いてみたくなりました。特に怪談の講談!
講談という文化を継承していこうとそれぞれに努力する二人の姿も眩しく、続編出ないかな〜と期待してしまう作品でした。
攻の方も初恋をこじらせぐるぐるしていて、これが新鮮で楽しかった! これ、月村先生の作品としてはかなり珍しというか、初めてじゃないですか…?
「誰とでもできるセックスを受とはしたくない」みたいに言うの、すごく傲慢かつヘタレなようでいて、受への拗らせた執着心が伺えて大変ゾクゾクしました。
受の方もこれまでの月村先生の作品に登場するタイプとは少し違っていて、自分なんか…と卑下しつつも、(もしかして攻は自分のこと好きなのかも?)と前向きになる部分もあって、そうだよ〜!気付いてえらい!と拍手したい気持ちでした。
いつも優しい作風で安心感がありながら、時々こうして寄越される変化球にやられているファンです。
私は小中大豆先生にはラブコメばっかり書いていてほしいという、多分マイナーなタイプのファンなので本作は文句なしに面白かった!
童貞魔王様ナタン×童貞異世界社畜伊折のピュアな主人公カップルはもちろん、召喚勇者おじさんヴィンセント×年下王子様ユリのラブラブサブカップル(こっちもスピン読みたいぐらい好き)、可愛い訳アリ四つ子たちにネコおじさんケルディと、キャラクターの配置が絶妙で読んでいてずっと楽しかった〜!
ネコおじさんがモフレ(?)されるシーンとか、闇落ちする勇者とか、「羽のように軽いな」のスパダリ発言とか、読みながら思わず吹き出しちゃうぐらい面白かった。
コメディ路線の小中作品はほんといいです。
寿命問題も解決しそうだし、伊折がこの世界に召喚された意義も感じられて、優しいラストでした。
魔界が復活する続編読みたいなあ。
前作の『バイオリニストの刺繍』は微ツンな響さんの感情が分かりにくい(これも今となっては、孤独な世界で生きる彼の処世術だったのだと分かる)ので一読目はさらっと読了した記憶があるのですが、砂原先生の巧みな表現力もあって、読み返すほどにズブズブとハマっていき…続編にあたる本作の単行本化をものすごーく心待ちにしていました!
収録内容は、響さんが東京に出てきて二人以外の人間と交わることで、恋人である新良との距離を感じてしまう『オリオンは恋を語る』と、すっかり盤石な関係を築いた二人が、人生としても次のステージへ歩もうとする『シリウスは愛を奏でる』。
聞こえない耳に伝える「好き」と「愛してる」が天才過ぎて、新良に令和の包容力年下攻アワードを受賞させたい…。
タイトルとモチーフである一等星のストーリーへの絡め方がもう、センスの塊ですよね。
シリウスを恋人の左手薬指に贈る新良、贈られたシリウスを見たくて夜更かししていた響さん、二人とも最高にロマンチックで可愛い~!
話が進むにつれて響さんが饒舌に、そして素直に自分の感情を伝えるようになっていくのですが、作中でも語られるようにそれがきっと本来の性格なんだろうなと思います。
恩師を亡くして弱った姿も、よれよれの口話もさらけ出せる関係になった二人が愛おしい…彼らの新たな旅路を祝福したい気持ちで、読後はうるっときてしまいました。
砂原先生が本当にバイオリンお好きなのが読んでいても伝わってくるのが、この作品を読む楽しみの一つです。
新良がソリストを務めるコンサートを見てみたいというのは前作から幾度となく思いましたが、彼が弾き振りしてる姿が一番見てみたいかも…!若い演奏家たちを生き生きと導く姿に、響さんはまた惚れ直すんだろうなあ。
もう一つ本作で印象的だったのは、響さんと母親との関係。
育つ環境の中で屈託を抱えてきた響さんが己の中の劣等感に向き合い、母親に刺繍を生業としていることを明かそうと思えるほどになったのはやっぱり新良の影響が大きいんだろうな。
新良は響さんの『心』に音楽を響かせることで、母親の深い愛情にも気付かせたんですよね。
ピアニストの瑠音さんや響さんの家族、二人の関係が二人だけで完結しないことにそれだけ絆が進展したのだと感じられて嬉しかったです。
新良が響さんの家族に対面するお話(母と姉がコンサート行くほどのファンなのですごい大荒れしそう)を絶対に読みたいので、続編希望です…!
ドラマチックな展開がなくとも、この二人の物語はいくらでも読めるし読みたい…砂原先生、どうかお願いします!