自分に自信のない先輩受け(北見くん)と、そんな先輩が一途に好きな後輩わんこ攻め(藤浪くん)です。
北見くんが酔っ払って家に帰れないところを自宅に呼び、最後までは未遂だけど手を出してしまう藤浪くん。
その次の日気まずくなった北見くんは逃げるように家を飛び出しますが、その後も藤浪くんは先輩好き好きオーラ前回でその晩のことは謝罪し構い続けます。
最初はなんだこいつ……という目で見ていた北見くんも、自分は持っていない藤浪くんの一面を見て羨望や温かさを感じ絆されていきます。
ずっと藤浪くんから告白や行動で愛を受け取っていた北見くんですが、気持ちを返してからは若干の照れやツンがありながらも言葉や態度で愛を伝えていってるのが何ともかわいくて最高でした!
山あり谷ありというよりは、気持ちや心の移り変わりを追いかけて見せてもらっているという感じで、特に描き下ろしは甘々で可愛くて最高でした!
帯に書いてある言葉「孤独な2人の、交わらない両片思い」。
まさにこの言葉がしっくりくるような2人のお話でした。
受けの巴は大きな会社水敷家の息子の1人。出来る兄の航と比べられ本家とは離れた場所で暮らしている。そのお世話係が南雲。
出会ったのは11年前で、その時からずっと一緒。出会った当初は距離感がつかめなかった間柄だったけれど、共に過ごすうちにお互いを知っていき……というお話です。
南雲も巴も、2人とも健気なんです。お互いのことを大事にしたくて、だからこそ手放したくて、でも離れたくない。
南雲のことを思って巴は1人身をひそめるシーンがあるのですが、その間4年。
どれだけの思いで、どれだけの気持ちで、相手のことを思って身を引いて、11年もの間一緒にいた時間を何度も思い出しては泣いてしまった夜もあったんだろうな。とうるっときました。
南雲は南雲で、いなくなった巴のためにきっと探そうとしたし手を尽くしただろうけれど、たとえ見つけても自分のためを思って身を引いた巴のことを躊躇してしまう自分もいて。でもそれすら自分のエゴのように感じて気持ちががんじがらめになっていたのかも…と思うと、お互いを思い合う気持ちが強すぎるゆえなのかなと重ねてきた時間の重みを感じました。
やわらかい絵柄に優しいお話が重なってとても素敵な作品です。
出会えてよかったと心から思った作品でした。
人外!両親がおらず村で養ってもらったものの生贄にされかけた少年!(黒髪!)性的な搾取は受けていないピュアっ子!一生懸命!自己肯定感爆低!竜×人!最初の方はそこまでラブの要素感じずゆっくりすすんでいく物語が心地よかったです!
竜はすみかを決めるとそこに番人=番になる人間をおきます。その番人に自分の生命力を分け与えて同じ時を過ごせるようにし、だから成長も緩やかになるし1000年近く生きることになります。
攻め様の失恋相手というのが他の竜の番人で、竜は綺麗!好き!ってなったら手に入れたくなってしまう性分らしく手に入れようとしたけど結局元の番の相手の竜に負けちゃったらしく。でも今は友人だからと穏やかに過ごすシーンも良かったです。
攻め様が、受け様に他の人から聞いて嫌な気持ちになるくらいなら自分から言うけど、失恋相手は友人で恋愛感情はないから!もうそういう風に思ってないから!っていうのがめちゃめちゃ可愛くて!受け様がかわいいのはもう、そらそう!って感じなんですが攻め様もめっちゃめちゃかわいいんですね!
受け様は受け様で、失恋相手さん綺麗でいい人ですね、攻め様が好きになるのも分かりますって言うて君は聖人か…?となるくらいのピュアっ子。ちょっとくらい嫉妬してもええんやで…?でも嫉妬する隙もないほど愛されてんのか!かぁ〜っ!これは1本取られましたな!!って感じでした。ほんと、どこまでもかわいい…!
そしてなんと言っても発情期!竜って動物なので!春と秋!発情期がくるんですって!!でも竜の攻め様は1週間ほど止まらない性欲を人間の受け様に吐き出すのは体力的に申し訳なくて魔法でできる限り眠るようにしていて。でも自然の摂理としては発情期には交尾するのが普通なので、人間の受け様は自分以外に番人を持ったほうがいいのでは?って思っちゃって。実際竜の世界では番人を複数持つのは結構当たり前なことで、竜の性欲を1人に吐き出してたらそら人間は参っちゃうよねという。で、受け様がそういうことを言うから攻め様は自分は君のことを愛しているしだから君一人しか大事に出来ないけど、そう思ってたんだねって2人の距離があいてしまって…受け様も自分以外の人と交尾してほしくないんだけど、でも攻め様に無理はして欲しくなくて、元々孤児で読み書きも出来ないくらいだったから上手に言えなくてどうしようってなっちゃう受け様の可愛さ!!!
でも大丈夫!攻め様は受け様が上手に言えないのをちゃんと言葉を待っててくれるしラブラブなのが最っ高でした!かわいい〜!!!
いい意味でオメガバースが脇役な世界でした。
新人教師α×ほのぼのカウンセラーβ。αは過去にβにお世話になっていて、教師になりたいと思うきっかけをくれた人です。そしてそれが初恋でもあります。
恋愛要素でキュンキュンさせてくれるのはもちろん、αが教師として成長していく姿が見れて、頑張れ…!と思わず応援したくなる作品でした。
小学校で初めて性が発露してしまったΩの生徒を助けるαの先生。初めてのことにどうしたらいいのか分からず、生徒なのにαとΩというだけで発情してしまいそうになるのを抑えつつ何とかその子を救うことができます。
けれど本来ならば1人で解決しようとせず、Ωのフェロモンに強いβの先生を呼ぶなり方法があったと後から深く後悔します。生徒に欲情してしまった、生徒の目に自分はどんな風に映っていただろう、怖くなかったかな、と。
他の先生からも諭され、実りのある反省なら一度で十分ですよ、と言葉をかけてもらうのですがかなり凹んでしまって。けれどその言葉をくれた上司もいい人で、説教くさかったかな、励ましたかったんだけど…と後から難しいなと頭をかくおそらくアラフィフくらいのおじ様教師で、とてもいい人だなぁと思いました。
困った時にカウンセラーのβが話を聞いてくれて、ああすれば良かったこうすれば良かったと悩むαの話を聞いて言葉をかけて。
優しいだけじゃないけど、優しい世界で、一生懸命生きていて、失敗も次に変えていくような人達を見ることが出来て良かったです。大変素晴らしい作品でした…!
恋愛の方も恋の自覚の仕方がかわいかったり、お酒飲んで色々言ってしまったりとすれ違いながらも幸せに向かっていくお話です!
素敵な作品でした!!
笑いながら読みました。ギャグ路線強めの甘いほのぼの本です。
白蛇になっちゃう希少種の受け様が主人公で、ガチの箱入り息子なので家出しちゃうぞ!と近くの公園までドキドキで行った先で出会ったのが攻め様です。
攻め様は爬虫類オタクで、それがきっかけで2人の距離は縮まるのですが、受け様がそれはまあ素直で…。キスされても友達とのキスは普通だが?と言われてそうなんだ…!すごい、知らない世界だ…!とドキドキしちゃう。心配になってしまうくらいです。そしてその心配の仕方がマジガチなのが受け様のお兄さんとお父さん笑 もはや推しに対する気持ちの如く受け様の身を案じ、でも受け様のことが大事だからなんだろうなと言うのがわかるので私はこのふたり大好きです!
笑いながらもキュンキュンするところはキュンキュンさせてくれる素敵な作品でした。ありがとうございました!