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dounattendayo
表題作とその続編「どうにでもして」の中編2本が収録されています。元ホスト・桐生堅(28歳)と税理士勉強中・野田明央(24歳)の恋模様で、どちらも野田の目線で話が進みます。
「どうなってんだよ?」
野田は、結婚前提で恋人・桐生紗也香の部屋へ引っ越してきた。ところが、そこはもぬけの殻。呆然とする野田の元へ、桐生堅という男がやってくる。紗也香の夫らしき桐生と、野田は同居することになったが、桐生は家にいるのに家事を一切しない。文句を言った野田へ、桐生は手を出してきて…という話です。
「どうにでもして」
表題作より短めで、本半分の流さではありません。
恋人になってから3か月。ラブラブのはずが、紗也香が転がり込んできて、ゆっくりすることもできない。そんな中、桐生働く店に、ホスト時代の客・葉月も働いていると知り…という話です。
野田のお人よしで一直線な性格を許容できるか、がポイントだと思います。ちょっと税理士になりたいというのに大丈夫なの?と社会人としては心配ではありますが、私は好感のもてるタイプだと思います。
桐生は野田を苛めることもなく、好きだというのを隠すこともない。ホストとしては失格でしょうが、料理人としてなら良いんじゃないかという男です。ただ、弟(!)の紗也香の方がインパクトがあります。桐生に説得されて野田にお金を返すけど、後半の強引ぶりを見ると紗也香との力関係はどうなっているのか微妙だなぁと思いました。
文体は読みやすいですし、シリアスではありません。野田の勤める事務所の方や、桐生の友人なども登場するので、二人だけで閉鎖的な雰囲気もないです。深く考えずに読むには楽しい作品だと思います。
微妙でした。
ホストくんが何人か登場するんですが、彼らの語ることが妙にムズガユイ。
おバカ受けは大好きなんだけど、この小説に登場するおバカ受けはいまいち好きになれなかったな。ピュアさの方向性が、私の萌えポイントからはズレてる感じ。
攻めがホストクラブを辞めたいきさつについてのくだりも、「えー…」って感じだった。
そこに優しさよりも、プロ意識のなさだとか、妙な偽善臭などを感じちゃって。
サヤを簡単に許したことにも納得いかず。後悔してようがお金を返そうが犯罪は犯罪なわけだし、サヤがなんらかの責任を取るとか、二人をくっつけるために一肌脱ぐとか、罪を不問にしたことを納得できるエピソードがひとつでも欲しかったな。
後半の続編では、受けくんが疑心暗鬼でマイナス思考な性格に変わっちゃってて、前半の「なにがあっても、愛する人から言われるまではスーパープラス思考で信じてる」という性格とはチグハグで、違和感を感じました。
「サヤのときは本気の恋じゃなく、桐生にたいしては本気の恋だから」という理由なんだろうなとは思いましたが、それでも違和感は拭えず。
全体的には丁寧なストーリーないいお話だったとは思いますが…。