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risky na kuchizuke
両親を亡くし小学3年生の妹と2人暮しの大学生・千晴は、50万円の借金を負い、友人の兄さんの同級生が経営しているというホストクラブを紹介してもらい、おっかなびっくりと水商売の世界に入っていく…
…という冒頭です。
しかし、本作はこの千晴が世間に揉まれて一流ホストに成り上がり夜の帝王に〜…というお話ではありませんよー。
というよりも、27才にしてオーナーである深墨(みすみ)に見初められちゃって、結果シンデレラよ〜というお話なのです。
始まりは、ホストとして色気が足りないから、『千晴くん、もしよければ僕を好きになってみませんか?』とキスされて…
もちろん初めからトントンと進むわけではなく、恋愛沙汰に疎い千晴くんはオトナの深墨にからかわれてる?と信じきれなかったり、男なのに…とグルグル悩んだり。それでも優しくて大人な深墨にどんどん惹かれていきます。
同時に店に来てやたら千晴を指名する女性客にまんまと騙されたりの事件もあり、ホストを辞めるだの辞めないだののモダモダもあり。
結局〜。
借金の元になったバイク事故の顛末はほのぼのしくて(ネタバレ→近所の盆栽おじさんの盆栽の棚を壊してしまった)弁償しなくて良くなったし、店に殴り込んできた街金はホストクラブのみんなが撃退してくれて弁護士も立ててくれたし。
深墨もからかってたわけではなくちゃんと本気だし。
ホストとして超一流のモテる深墨が何故こんなコドモの千晴に本気になるかがやはり少し弱いと思うのですが……一貫してスパダリ・深墨さんは敬語で丁寧な接し方、千晴も可愛らしくて読後感は良いと思います。
「ファナティックなくちづけ」
いつもリードされるばかりで自分は何の努力もしてないと感じる千晴は、今度は自分が!と張り切って自分がデートの全てを仕切ろうと頑張る。
そんな事は深墨もお見通し。でも優しい深墨はちゃんと千晴にお礼を言い、ホテルでは強く激しく千晴を抱くのだった…!
その後、千晴は初めて自分と妹のひな子の住む小さな家に深墨を招きます。2人の仲はまた一歩進みましたね、というエピソード。
お金のためにホストの世界に飛び込む大学生のお話。
正直ツッコミどころは満載です。大学生とは言えど、学校に行ってる気配が薄いとか、妹の世話を焼いてくれる近所の人が都合よすぎるとか、考えなしの借金も簡単に解決しすぎとか……。
しかし、ごく普通の感覚を持った若者が慣れない世界に飛び込んで、周囲に翻弄されながらも「完璧な大人の男」と恋をしつつホストとしても成長していく……という展開はそれなりに楽しめます。セクシーなシーンはごくノーマルで少なめ。本当にさらっと読めます。
あ、余談ですが、秀さんってほんとに「2001年宇宙の旅」が好きなんだなぁ…と。(私も好きですけどね。そしてポラリスも)
大学生の千晴には小3の妹がいる。
会員制の高級ホストクラブで働くことになる。
オーナーから僕と恋をしょうと口説かれキスされてしまう。
失敗をしながら、なんとかホストクラブで働く。
お客からお金を借りて、店の前でヤクザが暴れたり、オーナーの深墨や店の仲間が助けてくれた。
深墨には隠し通すのが、ムリと、カミングアウトしてしまう。ホストクラブで働く本当の理由・・・
事故でご近所のおじいさんの盆栽を壊したことだった。
秀さんの作品なので、先入観を持って読みはじめました。しかし、痛くもエロくもありませんでした。
但し、ホストのお仕事に関しては、私が今まで読んだホスト系のBLの中では、一番詳しく書かれていたと思います。
主人公の千晴くんが、いかにして立派な?ホストに成長するかっていう話だと思って読めば、それなりに楽しいですが、私は基本的にホストシチュエーションが好みではないので、今一つ評価が下がり気味です。
一貫して深墨さんが千晴をどうにかしようとしているわけですが、千晴は「ノーマル」にこだわるし、深墨さんは丁寧口調を崩さないしなので、恋心もエッチもいまひとつ燃えきらない感があります。
書き下ろしで足りなかったエッチを補充していますが、それでもまだ、千晴がおこちゃまなんで・・・