まりぽん812
yousumi kanko guide
「ふんどし祭り」を観光の目玉にする架空の地方都市・洋澄市を舞台にした三つの物語。
木原さん目当てで初めて合同誌を買いました。実はふんどしにはあまり興味がなかったのですが、ふんどしから生まれる物語の可笑しみとバリエーションがとても楽しかったです。ふんどし、好きになりました。
それぞれの物語の主人公たちは別々の町に住んでいますが、行き来があり、別の物語ではわき役で登場しています。三つの作品を通して読むと、洋澄市全体の雰囲気や景色がなんとなくわかってくるところも、面白いです。
「猪鹿町のロミオ」壬生楓子
老舗のふんどし屋の若旦那・龍太郎とパンツ専門店の跡取り息子・虎央は、小さい頃から“ロミオとジュリエット”とからかわれるライバル。ふんどし祭りの日、神楽殿で一人、ふんどしを締めようと四苦八苦していた虎央のところに龍太郎が来ますが、二人は閉じ込められてしまい…。
それぞれの視点から過去と現在が描かれ、二人は結構昔からお互いを好きだったんだな、と分かる仕掛けが面白いです。エロは控えめに一回だけ。ふんどしは、締めるのに練習が必要なのですね。簡単にできたら、二人はくっつかなかったかもしれません。
「桃色の奇跡」和泉桂
ふんどし祭りとともに洋澄市を盛り上げる“桃まんじゅう”(尻まんじゅう)。老舗和菓子店の跡取り・春は、ある日、龍太郎のふんどし店の客の引き締まった尻に一目ぼれ。もう一度会いたい、と願いを込めて、新作“ふんどし桃ねりきり”を完成させます。市の広報誌に掲載されて数日後、店を訪ねてきたのは春の会いたかった人で…。
春が健気で可愛いです。エロは短めですが、初々しくてキュンとします。お尻の形にこだわる春が、職人らしくて微笑ましいです。
「大キライなあいつが僕の恋人になるわけがないっ‼」木原音瀬
ふんどし祭りの“沈子”(名前がモロで笑)に指名された売れないラノベ作家・光希は、水とイケメンが大嫌い。地底湖で水に慣れる練習をしているうちに溺れ、助けに来たイケメン・ダイバー・十三と、行き場のない暗闇に閉じ込められてしまいます。
真っ暗闇での言葉攻めと濡れた岩場でのエロにゾクゾク。でも、光希がイケメンを嫌いな本当の理由に胸が痛みました。イケメンにつけられた傷は、イケメンにしか癒せないのかも。十三は、顔以上に心がイケメンですね。ちょっとズルかったことが後で分かって、笑ってしまいました。
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