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昼は雇い主と雇い人、
夜は主従が逆転する。
シンプルで王道な下剋上ものなのに、切り口が私の趣味ど真ん中でめちゃくちゃ面白かったです。
互いに相手が好きなんだけど、気持ちがすれ違っている。
甘くて切なくて、そして、エロい。
エロいんだよぅぅ!
暁由宇さんの濡れ場の描写、私、めちゃくちゃ好きなんですよね。
読んでると、「文字ってなんてエロいんだろう…!」と思う。感動すら覚える。
コミックの絵とかドラマCDの音声とかとは違う、文字の羅列からしか得られない独特のエロティシズムだ。
特別激しいプレイやら言葉攻めやらはないし、受けが淫乱なセリフを言いながら喘ぎまくってるわけでもないのに。
私の視点は完全に攻めとシンクロしてて、受けを辱しめることにゾクゾクしてました。あああああチン〇が欲しいぜ…。
命じるがままに恥ずかしいことをさせられても、無言で無表情のままの受け。でも感じてしまってることが、透明な雫が先から滴ることでバレてしまう…という。こういうの弱いです。「静謐な空気感のなかで繰り広げられるエロ」っていうのがタマランのです。
神にしたくてできなかったのは、受けの側にある複雑なお家事情が、いまいち主役カップルの恋愛部分と噛み合ってない点。
お家事情そのものは非常に練り込まれてて面白いのですが、「しょせん過去の話」とも言えるわけで。受けのトラウマの原因にはなってたかもしれないけど、現在の二人の関係に大きく影響を及ぼすものじゃないんですよね~。
名前だけの登場人物が多いのも気になる。過去話が複雑なのはいいのですが、そのなかにもう少しシンプルな軸が欲しかったなと思いました。
ただ、ここまで練ってくれてるのは嬉しいです。お話に厚みが出る。
古美術に関するお話も、きちんと下調べされてるのが伝わってきます。
ストーリー性もエロもある非常に面白い作品です。
暁由宇さんの描くエロス、本当にオススメです。
あとがきによると、下剋上風味の調教モノとのことですが、
二人は最初からお互いに好感を持っているし、
桧垣が基本的にいい人なので、
鬼畜っぽい話ではなく、むしろ主人公二人は、すれ違いつつも終始ラブラブでほほえましい印象でした。
わざわざ家系図までついていますが、美弦の家系が複雑すぎて、私は最後までよくわかりませんでした。
暁さんの中では、わりと普通?というか、BL的には微妙にずれているかもしれませんが、独特の雰囲気があるので、それが楽しめる人はおもしろいと思います。とりあえず、こういった雰囲気のお話は、他の作家さんでは読めません。