フランク
public school
電子限定特典の書き下ろしSSです。
バレンタイン当日だというのに、いまだエドに何を贈るのか決まらず悩む礼はジョナスに相談します。
「大事なのは愛情だし、エドなら礼からもらえるものならなんでも喜ぶんじゃない?それにエドのことだから礼からもらうことよりも、自分があげることで頭がいっぱいのはず。きっと張り切ってるんじゃない?」と言うジョナス。
実は礼も最初はそう思っていたのですが、昨夜突然「明日は仕事で遅くなる。」と言いだしたエド。
バレンタインのことなんかすっかり忘れている様子に、「明日はバレンタインだけど」……とは言い出せなかった礼。
とりあえずカードは用意し、花束を抱えてトボトボ帰宅すると、真っ暗なはずのフラットのエドの部屋に灯りがついていて、おまけに閉めたはずの鍵も開いていて、まさか、空き巣?!と緊張しながら扉を開けると、そこには小さなカードが添えられた一輪の赤いバラが。
ここから超〜ロマンティックな演出たっぷりなんですよ〜!
バラの花には赤くて細いリボンが結ばれていて、それが長く長く部屋の奥まで続いていて……バラの次はラベンダーとまたしても一言を添えたカード。
そしてまだ続くリボンの先には、バレンタインとエドと礼の二人にまつわる品々が愛のこもった一言とともに置かれていて、最終ゴールはベッドの上の「Open me」というタグ付きの大きなバラの花束。
(バラのトゲは全部抜いてある!)
その花束の真ん中を開くと、玄関からずーっと続いていた赤いリボンとともにその先にはリングが!!!
そのリングの裏になんと刻印されていると思います?
あれですよ、あれ!
「key for my heart」
言葉にならない気持ちでいっぱいの礼の姿を、いつのまにか扉口で、悪戯が成功した子供のように嬉しそうに見つめているエド……。
思いもよらぬサプライズに対し、自分は花束とカードしか用意できなかったことを悔やむ礼ですが、カードは礼のお手製なんです。
礼に見立てたコマドリが、エドに見立てたゴシキヒワというバレンタインにちなんだ縁起の良い鳥にハートを差し出している絵を描いたのですが、俺だけにハートがたくさん集まっている、と指摘するエド。
その理由を礼は説明するのですが、その理由を聞いたエドは目を見開き息を止め、ため息混じりに苦笑し……完敗宣言をするんです。
これこそがエドが礼を愛してやまないところだなぁ……と。
(で、エドのそんな反応を見て、お約束のように見当違いの心配をする礼・笑)
そして「お前のサプライズは十三年越しか……」と言い、14歳の時の雪兎の話から始まり、「昔話をしよう」というエド。
礼を膝の中に抱きかかえて、13年前のクリスマスにもらったカードの話をするのです……!
もう甘い!!!!
チョコレートよりも甘くて糖度100%だと思う。
こんなデロ甘な二人を読めるとはねぇ!と、ある意味感無量になりますし、ご褒美みたいなSSでした。
本編ではシリアスな部分が多かったですが
こちらは甘々でたまりませんでした。
すっごくロマンティックなバレンタインで
日本では考えられないなぁと思いました(*´▽`*)
ジョナスは礼の話を聞いてるだけで
エドが何か考えてることはわかったんでしょうね。
だからあの反応だったんだなぁ(*´▽`*)
エドの性格的に絶対何か企んでるとわかるのに
礼はわかってなくて、それどころかショックを受けていて
そういう部分もエドからしたら愛おしいんだろうなぁって。
イギリスのバレンタインの風習について知ることが出来たのと、
エドはやっぱりイギリス紳士だなぁと思った特典でした。
本編は読みながら切なさに泣きじゃくってしまったのですが、こちらの番外編は温かさと甘さに包まれ、感動の涙、涙で朝から顔がぐしゃぐしゃになりました。
楽しみにしていたバレンタイン、しかしその前日にエドから「その日は帰りが遅くなる」と言われ、意識していたのは自分だけかと少し落ち込む礼だったけれどー
というお話。
読みながら読者的には分かってはいたけれど、一体どんなサプライズなんだろう、ともうドキドキと興奮が止まらず…
玄関から続くリボン、辿った先のラベンダー、そして更にその先にあるバラの中にあったものはー
と、もう興奮止まらず心臓バクバク、叫び出したいくらいきゅーーーっとして仕方なかったです。
リングに刻まれた言葉にも、最高に愛が溢れていて…
本編のどうしようもない切なさを、まるっと塗り替えてくれるような、甘い甘いプレゼントSSでした。