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Christmas slave
『小説ディアプラス2016年フユ号』掲載作品。
『スレイブ』なんていうタイトルで、かつ、麻々原画伯の表紙絵には首輪付きのイラストが描かれておりますが、SMのお話ではありません。ケータリング会社を経営している主人公が人生最悪のクリスマスを迎えて起きるてんやわんやについてのお話です。
しかしこの『ケータリング会社経営』というのは、合衆国に於いて『お洒落な職業』なんでしょうか?
M/Mの登場人物で何度か出くわしたことがある様な気がするんですよね。
私は古いハリウッド映画が大好きなもんですから『実家の母が帰ってこいと言う』とか、『ツリーの飾り付け』や『パーティの準備』をするなど(あと『暖炉の薪に火を付けるのが大変』ということとか)、合衆国でのクリスマスの様子がとても面白かったです。
あと、お話のクライマックスで『クリスマスっぽい、ちょっとした奇跡』が起きるのも、ハリウッド映画風。これって、クリスマス文化に詳しかったらもっと楽しめるものなのかも知れないと思ったり。
LOVEに関しては『意地の張り合いもの』です。
ああ、そう言えばこれに関してもハリウッドっぽいかも知れません。
気負わず読める軽やかなお話です。
この間読んだ本が面白かったので、同じ翻訳者の方の本を。私が慣れたのか、翻訳の先生がうまいのかは判断できないのですが、冬斗先生訳なら何でも読めるんじゃないかという気がしてきましたw お話は読みやすかったですが、いかんせん短い。最後の最後がとっても素敵なんですが、「ぎゃ、終わった!」というぶつ切り感があったので、萌です。
電子でしか売ってないみたいで、私の購入したbook〇iveさんでは表紙以外に麻々原先生のモノクロ挿絵が2枚ついてました。
お話は受けさんが恋人に捨てられ、電気も水も止まり、家賃滞納により追い出される寸前という状況から始まります。10月にステージⅠの精巣がんの手術をして、今は12月。まだ重いものを持つなと言われているのにやむを得ず薪で火を起こそうとしたところ、昔の恋人が「クリスマスの飾りを返してくれ」と現れ・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
伝聞形式で、受けさんを捨てた恋人と受けさんの母ぐらい。短いお話だし。
短いお話とは言え、電気・水がとまり食料も乏しく、金はなく、病み上がりで体力もなく・・という寒ーい状況であることはとってもよく伝わってきます。そんな中、酷いこと言いつつ、こき使うべく拉致って保護する攻めさん。
ちょっとやらかしてしまった受けさんでしたが、最後に素敵なクリスマスプレゼントがあったという超羨ましい状況です。最初にすれ違いそうになった時に、もうちょっと粘っておけばよかったんじゃないか?とも思うので、これからはもう少し慎重に、お互い大切にしてね・・と思うお話でした。幸せにならなきゃね。
電子での海外BL短編。
うーーん…
やっぱり短いからなんでしょうか。ラストに向けてバタバタ〜〜っと解決に向かってしまって、あら、このまま終わっちゃったよ…という感想しかないんです。
冒頭は、クリスマスイブまであと6日というのに不実な恋人に裏切られて、家の電気も水も止められ、一文無しで、家も失いそうな状況の男性・マイケルの、あまりにも可哀想な現状から。
漫画みたいな悲惨さで、逆にコミカルか?と思いつつ読んでたら急に冷水ぶっかけられた気分に。
マイケルは10月に突然精巣癌を宣告され、手術をしていたのだった…
あ〜可哀想〜、なんて読んでられない気分になりました。
悲惨さの上塗りを表現するが為に、癌という設定を出す。これがなんかすごく…モヤる。
…まあそれはそれとして読み進めると、マイケルのこの状況はまず自分の浮気から始まったことが明かされて。
そして前の恋人・ローガンとの素敵な日々、輝かしいクリスマスを脳裏に浮かべる。
するとなぜかそこにローガン本人が現れて…と物語は展開していきます。
自分の浮気で別れたから自己嫌悪のマイケルに、追い討ちのように嫌味を連発するローガン。
そしてこれから1週間、自宅のクリスマスの支度、またパーティのホストをしろ、そして自分の言う事を聞け、そうすれば滞納している支払いを肩代わりしてやる、と言われて。
マイケルはローガンへの忘れられない恋愛感情と今の惨めさに引き裂かれつつ…
そして最後の日、クリスマスイブに奇跡が…!
…と最後まで読んで結局冒頭の感想になるのですが。
初めの別れの経緯とかイヤな感じだし、癌設定はモヤるし、ローガンの気持ちはわかるけど、だし。
もっと何か心情面を膨らませて欲しかった。
急にハッピーエンドになって終わる物語、という印象。