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萩原(受)が主人公です。
就職活動を邪魔されて父親の会社に勤めることになって数年。父親から瞬矢に帝王学を叩きこむように命じられます。萩原は異母弟の世話に憂鬱になりますが、瞬矢は萩原に手を出してきて…という展開でした。
萩原が瞬矢に流されるように関係を続けるのは、雰囲気に流されて読んでいけたのですが、二人の恋愛よりも、自分を思い通りにしようとする父親の傲慢さが鼻に着きました。
結局は二人とも父親が思った通りの道を歩むことになるだなというのがちょっと歯がゆかったです。年をとってからの息子であと10年も我慢すれば…な展開ならまだしも、まだまだ現役という感じでしたし。
瞬矢は萩原にゲームを仕掛けたつもりかもしれませんが、結局父親の掌の上だったんじゃないかと思いました。
ただ、萩原が瞬矢に流される様に、汞りょう先生のイラストが合っていて素敵でした。
主人公の萩原泰臣は、父親が不倫でできた子どもだった。
萩原の父親と母親は愛し合っていたが、大企業の後継者だった父親は結局無理やり見合いをさせられ別の女と結婚するが、萩原の父親と母親の関係は続くも、父親の結婚相手が母親の元を訪れた翌日、母親は交通事故に遭って亡くなってしまう。
そしてしばらく父親の元で育てられることになるが、その間、父親の結婚相手にひどくいじめられて萩原は大きくなる。
しかしながら、それも父親と結婚相手の間に子どもができたことで終わりを迎える。
その後は母方の祖父母の下に引き取られ、愛情を受けて大きくなった萩原だったが、就職するに当たり、せっかく取った内定も実の父親の工作により取り消されてしまい、結局、半ば無理やり父親の会社に入社させられてしまう。
そこで、役員秘書という地位についていたのだが、正当な跡取りである父親とその結婚相手に出来た子が、本社に配属されることになり、萩原はその教育係になってくれ、と父に頼まれる。
自分の立場を考え、いやいや引き受けた萩原であったが。
当の弟の妹尾瞬矢は、萩原のことを気に入ったのか、身体の関係を持ちかけてくる。
異母弟からの誘いをまずいと思いつつも拒みきれない拒みきれない萩原。
ましてや自分たちが兄弟だとも伝えることができなくて……という話でした。
なんというか、どんな作者さんにも若い時はあるんだな……とすごく感じさせられた作品でした。
とにかく、設定だけが嵐のように押し寄せてきて、いろいろ無理があると思うんだけど、ゴリ押し。
萩原が瞬矢の誘いを拒めない理由がまず理解できない。
もちろん「一目会った時から惹かれていた」というのもありだとは思うんですが、異動初日で30分も遅刻してきた挙句、態度も最悪な相手にどう惚れるのか……。社会人としての常識を疑ってしまう。
その後の瞬矢の行動もめちゃくちゃ。
気に入ったなら気に入ったなりに、もう少し萩原に優しくてもいいと思うし。
親の会社に入れられたことが気に入らないのであれば、もっと徹底的に仕事をサボるとか、やるならやるで、文句言いながらもやるという態度で一貫した方がよかったかと……。
要するに、作者さんが表現したかった描写と、読者が受け取る描写がちぐはぐでまったく合ってないように感じました。
だから、バタバタといろんなことが起きるけど、まったく物語に入り込めず置いてきぼりのまま終わって。
「無理やりだったなー……」
という感想だけが残ってしまいました。
この作者さんの他の話は好きなものの方が圧倒的に多いので、とても残念でしたけど、この話は大分いただけなかったです。
あくまでも、個人的な感想ですが。