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kyuutei shinkan monogatari
旧タイトル 渇きの王都は雨を待つ
日照りと水不足が起きている都。
オバカな天青は、市場で拉致されてしまいます。慧眼児を発動しない普段の天青は、ただの世間知らずの子供。
皇子が問う、慈悲についての問答。困っている人が居たらどうする?
少しではなく、持てる全てを譲るのだ。・・と語る帝王学。
民有ってこその国、国王あっての民ではない、という皇子の考えに、血統主義に染まり切った王族が皇子と天青を握り潰そうとする独り言があったり。
雨乞いが成功して雨が降りましたけど、波乱含みです。
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素晴らしい!架空世界だからあり得る理想の君主に感動しました。
ホントは、現実社会でもそうあってほしいのに。
今世は、性善説だけじゃ生きていけません。悪い人の餌食になってしまう。でもほんとは、悪貨が良貨を駆逐する世の中であってはいけないはずなのに、今世は弱肉強食が生き残る法則になっています。
共存共栄の調和は理想論なのかな。
3巻目。1巻目で拾われ、2巻目で友達ができた天青(♂、子供、主人公1)と、神官である鶏冠(♂、主人公2)の新たな試練な巻でした。なんちゃって朝鮮半島のファンタジーで、榎田先生らしい、人間味あふれるキャラクターてんこ盛りです。6巻までは刊行される予定とのこと。榎田先生ファン、アジアンファンタジーがお好きな方は是非是非!ティーンにもおすすめできる健全健康な内容でめっちゃ面白いですよ!!!!(今回もそろそろ店頭では品薄になっている可能性あるのでご注意)非BLで、色っぽいお話は皆無ですが、女装めちゃ似合う王子と神官、男装がめちゃ似合う姫様、白虎、そして天青が異能もちと、個人的な萌えポイントが山盛りです。鶏冠と天青のお互いを思う気持ちが大好きなので神です。
以下はより内容に触れる感想
2巻で、鶏冠に対して全面的に信頼を寄せるようになった天青。友達もできて、やんちゃ度が上がっています。今の日本同様、暑い。そのため宮廷の池で泳いで怒られる(笑)。そこはかわいいのですが、暑いだけではなく雨不足により圧倒的に水がない。そのしわ寄せは隷民や幼い子供などに向かい、ついには雨呼びの儀を執り行う羽目になるというお話でした。
王やその周りの貴族が絶対的な力を持っている世界。民主主義なんて言葉は欠片もないのですが、おかしいと感じる天青と鶏冠の戦いが4巻以降に続くと思われます。
ちなみに、葛西先生の絵は表紙のみ。(ほんとーーーーーーーーーーーーに残念。見よこのカッコよさ!!!というイケメンぶりなのに)この方が天青のお兄さんのような役どころで、腕のたつ兄さんです。この他、王子の護衛のような方、密偵の兄弟なんかもいて、次の表紙は誰だろうと楽しみです。
あーファンタジーって楽しい。いや榎田先生の本だからか。