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この作品も「殿堂入り」です。
で、「両性具有のハーレクインロマンス」です。
トータル素晴らしい構成。
イリス側から描かれたの劣等感、恐怖、勘違い、誤解、そして幸せ。
上品に描写は色々な作家さんの貴族の中でも、私が思うにベストオブ貴族。
交響曲みたいに作品が立ってますって状態です。
後に「山藍紫姫子の世界1.2」という本が出たんだけど、
その中で「虹の麗人」の商業誌の最初の挿絵を描かれた春日聖生さんによる
その後のイリスの幸せな日常が数ページ描かれている。それはお宝モンです。
とにかく、山藍さんの作品のすごいところは、耽美で、上品で、
リアリティがある。SMシーンにも時代物でもね、
とにかくタダのエロではなく、リアルな金持ち感というのかな、
今どきBL作家の付け焼刃的な知識ではなく、明らかな実体験、研究、学習、
読んでいて納得も行くし、作品に穴というかアラが無い。
これだけ丁寧な作品作りをしている作家さんは今どきいないね、
ただ、「冬の星座」の感想でも書いたけれど、
山藍さんの商業誌へのクオリティは下がっていると実感できるね、
(こうやって手放しで気に入っている作品は同人誌から商業誌への加筆訂正した
再録本みたいなものだからね、
批判的な意見は書き下ろしの商業誌に対する感想という事だね)
今は新装版で題名も「イリス」となって発売している。
多くの人に読んでもらいたい作品(ロマンチック好きな人向け)。
特に多くの若手作家さんにも読んで学んでもらい作家さんの作品です。
まだ、私自身もBLにどっぷりつかっていたわけではなく、それっぽい雰囲気とかが好きだった・・・という頃に読んだ作品です。
BLという言葉もなくて、耽美、とかやおい・・・とか言われていた頃です。
まさに、この作品は「耽美」という言葉がふさわしいかと・・・。
受け様が嫌がる感じとか、しどけない様子の描写とか、当時すごく美しくてドキドキしました。今でも読み返してみると、やっぱり良いなぁ・・・とドキドキします。
今思うとこの作品がきっかけで、家柄も容姿にも恵まれ、仕事もできて女性に不自由しない俺様男性が初めて本当の恋を知り、でもその相手に嫌われている為もうあの手この手で奔走し、ダメさ丸出しになる攻め様萌えに目覚めたのでした・・・。
これは堂々たるハーレクインロマンスです。
ハーレフリークの女友達にBLを布教するには最適!
ハーレと同じく、起承転結でハッピーエンドですし…。
攻のクラーク・ダリは、あくまで優雅で傲慢、
爵位をもつ懐古趣味の紳士。
対する受のイリス・ネルロードは、トラウマあり、
秘密あり、コンプレックスあり、
にもかかわらず実は麗人…。
おまけに、ライバルとおぼしきイザヴェラは高慢な美女。
加えてクラークの弟、アルバートは快活な理解者…。
という、ハーレクインロマンスのエッセンスが
パーフェクトに濃縮されています。
微エロで(実際のハーレクインよりも)かなり甘めです。
上質の砂糖菓子のようなロマンスです。
生活感のない、春日聖生氏の絵もお似合い!
碧雲
本を買う際の参考になりました。感謝。