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ijimeteitako ga joushi ni narimashita
電子書籍で、挿絵なし。
再会ものです。
両視点で読めます。
龍田歩(攻め)は中学の時、懐いていた家庭教師・伊地知慶(受け)にキスされたと勘違いして酷い言葉を投げかけ家庭教師をクビにしたのですが、10年以上たって再就職先の上司として再会してしまいます。
龍田はどうこれから付き合っていけばよいか考え、過去のことを謝るのですが、伊地知には反対に謝られてしまいます。
誤解だったとわかり、可愛がってもらっていた過去を思い出し、上司と部下としてよりももっと親密になりたいと思うのです。
龍田は容姿端麗で頭もよく要領もよかったので順風満帆な人生を送っていました。
ただ、母子家庭で母親が忙しかったため甘える相手を無意識に求めていました。
それを担ってくれていたのが女遊びで修羅場ってしまった息子に怒った母親が雇った家庭教師の伊地知でした。
が、キスされたと勘違いした龍田は裏切られたような気になり過剰に反応してしまうのです。
再会し、動揺しながらも謝罪が受け入れられたことで再び昔のように甘えたいと思っていたのですが、伊地知がゲイで恋人がいると知ってからもっと親しくなりたいついには恋愛感情を認めるようになり、口説くようになるのです。
伊地知はもともとゲイで、家族にも会社の上役にもカミングアウトしています。
少しドジなところがあり、龍田が誤解したのも龍田の寝顔を見ているうちに勃ってしまい、トイレに行こうとしてすっころんだだけでした。
セックスは大好きで、マニアックなプレイも好んでいます。今は恋人はおらず長く続いているセフレがいますが、龍田に警戒されないように恋人がいると嘘をついてしまうのです。龍田が上司と部下の枠を超えて親しくなろうとしてきているのには気づいていますが、ノンケの気まぐれのようにしか思っていません。
両視点なのに二人の気持ちの変遷がよくわかりませんでした。
二人とも唐突なのです。
龍田は初めは前みたいに甘えたいと思っていたのに、伊地知の視点から戻ってきたらいきなり恋愛感情だと認識してるし、伊地知も「龍田が顔が好みど真ん中だとけどアイドルみたいに拝んでいるだけで十分だ」から、龍田に迫られると部下じゃなかったらセックスに持ち込んだのにといきなり変わり、次に視点が戻ってきたらいつのまにか叶わない恋だと認識している。二人とも流れるように気持ちが変わるのではなく、いきなり感をすごく感じました。
そして、二人ともがあまりこのみじゃない。特に伊地知のほうが。淫乱受けってのは嫌いじゃないし、自分が傷つきたくないからと相手はノンケだからと相手しようとしないという話はよくあるし嫌いじゃないのです。
たぶん、その性欲の相手を他の相手(セフレだったり出会い系だったり)に求めるのが気に入らなかったんだと思います。
龍田の告白は相手にせずセックスしたいなら出会い系で他の人を探せばいいといい、自分も出会い系で卑猥な言葉を言いながら相手を探したりするのはどうも受け入れられない。
また、マニアックなプレイは嫌いではないのですが、それを動画や写真で保存しているのも、攻めが受けのハメ撮り動画を置いておくのはいいけど、逆はちょっと。
関係を持ってからも、付き合ってほしいという龍田に対して別れたときに傷つきたくないからという自己保身で話の最後の方までセフレという形を崩さない態度も気持ちはわからないでもないけど嫌でした。
最後の最後で2年もたってるのに、やはりそのままだったことにもちょっとがっかり。それでも我慢強く待っている龍田が諦めるような展開でちょっと伊地知が焦って自分から求めるところがあったらよかったと思うのですが、結局龍田が好き好き言ってるだけで二人で恋愛しているように見えなかったのが一番の萌えなかった原因ではないかと思います。
そして、龍田も自分の感情に正直だけど、その場の感情に流されすぎに感じ、こちらも自分勝手に見えました。ただ、恋愛感情を自覚し、龍田のハメ撮り動画にまたしても勘違いして我を忘れて乱暴にしてしまってからは一途に追いかけている姿は好感を持ちました。何を言われてもポジティブ志向で追いかけていく龍田の執念がなかったら絶対付き合えなかったと思うと脱帽です。
自分が感じた嫌な事ばかり書いてしまいましたが、これは好み問題だと思います。
私は甘い雰囲気の話が好きなのですが、この話の中に甘い雰囲気というのを感じることができなかったため、評価が低くなってしまいました。しゅみじゃない寄りの中立で